【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2008年12月29日
土方歳三のDVDをタクシーで鑑賞できます。
競争が進化していくと、商品・サービスの本来の機能とは別の部分での差別化が必要になってきます。フツーに機能するのは当たり前で、勝敗のカギは別に存在することになるわけです。
たとえばクルマについて考えてみれば、本来の機能からみるとコア部品はエンジンのはずですが、それでは差別化の決め手となりにくいです。デザインや居住性といった部分が重要となりますね。
その差別化ポイントは「付加価値」とも呼ばれたりします。その言葉を使えば、「本来価値」ではない「付加価値」で勝負が決まるというわけです。不思議な気もしますが、それが現実としてありがちです。
12月29日付けの日経産業新聞に、「函館タクシーは戊辰戦争の最後の舞台となった函館市で戦士した新選組副長、土方歳三の生涯をDVDにまとめ、希望する利用者にタクシー内で上映するサービスを始めた」という記事が掲載されています。
函館タクシーの社長によると、「土方は観光客に根強い人気。函館の新たな観光振興につなげたい」とのことです。「車内で見るには予約が必要」ですが、「観光バスや、函館空港と市内を結ぶシャトルバスでも上映する予定」もあるそうです。
タクシー利用者向けのちょっとした「付加価値」サービスのように見えますが、社長のコメントからすると、函館の観光地としての付加価値向上策でもあるようです。
いずれにしろ、「付加価値」の切り口でこの施策を眺めてみると、さまざまなことに気づきます。単純に、「本来の機能とは別の部分での差別化」という話ではないのですね。
記事では触れられていませんが、この施策の背景には昨今の「歴史ブーム」があるでしょう。「価値」をより高く評価してもらえる状況にあるわけです。何を「付加価値」と設定するかを考えるにあたり、時流を無視するわけにはいきません。
人気のある「土方」ブランドを活用した価値向上策という面も感じられます。ブランド価値のアピールは、差別化策として、非常に強力です。
また、この施策は函館という「当地」で行なうことに意味があります。歴史上の偉人の当地という「資産」は、観光に関して言えば、「付加価値」というより「本来価値」に近いでしょう。
「函館の観光地としての(付加)価値向上策でもあるようです」と先述しましたが、タクシー内でDVDを上映するという付加価値は、函館の本来価値を、より顕在化する効果をもたらしてくれます。
商品・サービスの価値は、必ずしも市場に的確に伝わっているわけではありません。その溝を埋める施策を打つことが重要であり、それがたまたま、タクシー会社の付加価値サービスとなっているわけです。
記事によれば、DVDを上映するタクシーの運転は「はこだて検定」の合格者が務めるそうです。価値を市場に伝える担い手としてタクシーや乗務員が位置づけられていることは明らかであり、それが付加価値となっています。
競争の道具として付加価値は、市場シェアの奪い合いに使われます。しかし函館タクシーが提供する付加価値は、函館の本来価値を向上し、観光市場の拡大に寄与します。このようなタイプの付加価値も、あるわけです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、本来価値と付加価値について、どちらの向上により大きなウェイトを置いた取り組みをしているだろうか。「どちらか一方」と考える必要はない。本来価値の向上に寄与する付加価値というものも、あるはずだ。考えてみよう。
<参考:日経産業新聞 2008.12.29【17面】>
たとえばクルマについて考えてみれば、本来の機能からみるとコア部品はエンジンのはずですが、それでは差別化の決め手となりにくいです。デザインや居住性といった部分が重要となりますね。
その差別化ポイントは「付加価値」とも呼ばれたりします。その言葉を使えば、「本来価値」ではない「付加価値」で勝負が決まるというわけです。不思議な気もしますが、それが現実としてありがちです。
12月29日付けの日経産業新聞に、「函館タクシーは戊辰戦争の最後の舞台となった函館市で戦士した新選組副長、土方歳三の生涯をDVDにまとめ、希望する利用者にタクシー内で上映するサービスを始めた」という記事が掲載されています。
函館タクシーの社長によると、「土方は観光客に根強い人気。函館の新たな観光振興につなげたい」とのことです。「車内で見るには予約が必要」ですが、「観光バスや、函館空港と市内を結ぶシャトルバスでも上映する予定」もあるそうです。
タクシー利用者向けのちょっとした「付加価値」サービスのように見えますが、社長のコメントからすると、函館の観光地としての付加価値向上策でもあるようです。
いずれにしろ、「付加価値」の切り口でこの施策を眺めてみると、さまざまなことに気づきます。単純に、「本来の機能とは別の部分での差別化」という話ではないのですね。
記事では触れられていませんが、この施策の背景には昨今の「歴史ブーム」があるでしょう。「価値」をより高く評価してもらえる状況にあるわけです。何を「付加価値」と設定するかを考えるにあたり、時流を無視するわけにはいきません。
人気のある「土方」ブランドを活用した価値向上策という面も感じられます。ブランド価値のアピールは、差別化策として、非常に強力です。
また、この施策は函館という「当地」で行なうことに意味があります。歴史上の偉人の当地という「資産」は、観光に関して言えば、「付加価値」というより「本来価値」に近いでしょう。
「函館の観光地としての(付加)価値向上策でもあるようです」と先述しましたが、タクシー内でDVDを上映するという付加価値は、函館の本来価値を、より顕在化する効果をもたらしてくれます。
商品・サービスの価値は、必ずしも市場に的確に伝わっているわけではありません。その溝を埋める施策を打つことが重要であり、それがたまたま、タクシー会社の付加価値サービスとなっているわけです。
記事によれば、DVDを上映するタクシーの運転は「はこだて検定」の合格者が務めるそうです。価値を市場に伝える担い手としてタクシーや乗務員が位置づけられていることは明らかであり、それが付加価値となっています。
競争の道具として付加価値は、市場シェアの奪い合いに使われます。しかし函館タクシーが提供する付加価値は、函館の本来価値を向上し、観光市場の拡大に寄与します。このようなタイプの付加価値も、あるわけです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、本来価値と付加価値について、どちらの向上により大きなウェイトを置いた取り組みをしているだろうか。「どちらか一方」と考える必要はない。本来価値の向上に寄与する付加価値というものも、あるはずだ。考えてみよう。
<参考:日経産業新聞 2008.12.29【17面】>
2008年12月29日
今日から新手帳♪

やっと「二重手帳生活」から解放されました。
2009年は生産性本部の「シナジー」という手帳になります。
長年、オーソドックスな能率手帳を使ってきましたが、やっぱり予定の記入欄はバーティカルタイプがいいですよね。(写真は月間カレンダーなので、バーティカルではないですが)
能率手帳は奮発して天然皮革タイプを使っていて、紙の色(クリーム)も好きだったんですけどね・・・。「シナジー」のカバーは、安っぽいビニールで、紙の色は普通の白。
両者のいいとこどりした手帳が欲しいとは思いますが、ないものねだりで、仕方ないですね。
タグ :手帳
2008年12月25日
買ってもらいやすくする、ちょっとしたコツ
テレビ番組「マネーの虎」に出演していた南原竜樹さんを憶えていますか? 3年半前にすべてを失い、35億円の借金を抱えましたが、今は見事に復活を遂げています。
その南原さんの新刊「クルマはふつうの価格で買ってはいけない」に目を通す機会に恵まれました。その中で、クルマのオークションの仕組みが詳しく述べられています。
クルマでビジネスを起こすのに必須な知識であるのはもちろんのこと、どうすれば賢くクルマを購入できるかといったこともわかります。併せて、ビジネスに真面目に取り組めば、必ず報いが得られるという教訓も散りばめられており、興味深いものでした。
オークションの仕組みが導入され、クルマ売買のビジネスも大きく変わったようですね。他の業界でも同様で、特にネットでのオークションや入札の仕組みがもたらす影響は大きいと言えるでしょう。
12月25日付けの日経産業新聞に「GMOインターネットグループのグローバルウェブは24日、個人が自由に翻訳を依頼できるサイトに入札方式を導入したと発表した」との記事が掲載されています。
「入札式翻訳サービス」を利用すると、「翻訳家が得意とする分野の案件であれば、従来方式より安く発注できる」そうです。「翻訳してもらいたい文書ファイルをアップロード」し、「料金設定し発注する」という仕組みです。
翻訳家と翻訳をして欲しい人が一箇所に集まることで、これが実現したわけです。オークションや入札といった、価格決定の仕組みのバリエーションはありますが、太古の昔からある「市場」と本質的には変わりません。
市場、あるいは入札・オークションを利用するメリットは、あちらこちらへ出向かずに一箇所で済むことと、「比較」が容易であることでしょう。
ベストな購買意思決定をしたければ、「比較」の要素は欠かせません。通常の企業なら、物品・サービスを購入するのに「相見積もり」をとるのは常識ですね。
いわゆる「比較サイト」が人気を博していることや、比較により購買がしやすくなることについては、当ブログでも1ヶ月前に取り上げたばかりです。
営業上のテクニックでも、一つの商品について買うか買わないかを迫るよりも、複数の商品を提示し、どれにするか比較し、選んでもらうようにするのが賢明とされています。
「比較」ができない場合、買い手の心理としては、売り手の言いなりとなったようで、気分がよろしくありません。自ら主体的に選択し、購入したことにしたいものなのです。
小売店でも、品揃えしてある商品を比較検討できるような陳列がしてあると、選びやすく、結果として買いやすくなります。「顧客視点」とは、そのようなことを言うのでしょう。それが売り場づくりの原則でもあります。
そう考えると、もし商品が売れないとしたら、適切な「比較」の機会を提供していないことが原因かも知れないと疑ってみるとよいかも知れませんね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の商品・サービスを販売するにあたり、顧客に比較選択の機会を十分に与えているだろうか。比較の有無は、選びやすさや買い安さに大きな影響を与える要因だ。今一度、見直してみよう。
<参考:日経産業新聞 2008.12.25【4面】>
その南原さんの新刊「クルマはふつうの価格で買ってはいけない」に目を通す機会に恵まれました。その中で、クルマのオークションの仕組みが詳しく述べられています。
クルマでビジネスを起こすのに必須な知識であるのはもちろんのこと、どうすれば賢くクルマを購入できるかといったこともわかります。併せて、ビジネスに真面目に取り組めば、必ず報いが得られるという教訓も散りばめられており、興味深いものでした。
オークションの仕組みが導入され、クルマ売買のビジネスも大きく変わったようですね。他の業界でも同様で、特にネットでのオークションや入札の仕組みがもたらす影響は大きいと言えるでしょう。
12月25日付けの日経産業新聞に「GMOインターネットグループのグローバルウェブは24日、個人が自由に翻訳を依頼できるサイトに入札方式を導入したと発表した」との記事が掲載されています。
「入札式翻訳サービス」を利用すると、「翻訳家が得意とする分野の案件であれば、従来方式より安く発注できる」そうです。「翻訳してもらいたい文書ファイルをアップロード」し、「料金設定し発注する」という仕組みです。
翻訳家と翻訳をして欲しい人が一箇所に集まることで、これが実現したわけです。オークションや入札といった、価格決定の仕組みのバリエーションはありますが、太古の昔からある「市場」と本質的には変わりません。
市場、あるいは入札・オークションを利用するメリットは、あちらこちらへ出向かずに一箇所で済むことと、「比較」が容易であることでしょう。
ベストな購買意思決定をしたければ、「比較」の要素は欠かせません。通常の企業なら、物品・サービスを購入するのに「相見積もり」をとるのは常識ですね。
いわゆる「比較サイト」が人気を博していることや、比較により購買がしやすくなることについては、当ブログでも1ヶ月前に取り上げたばかりです。
営業上のテクニックでも、一つの商品について買うか買わないかを迫るよりも、複数の商品を提示し、どれにするか比較し、選んでもらうようにするのが賢明とされています。
「比較」ができない場合、買い手の心理としては、売り手の言いなりとなったようで、気分がよろしくありません。自ら主体的に選択し、購入したことにしたいものなのです。
小売店でも、品揃えしてある商品を比較検討できるような陳列がしてあると、選びやすく、結果として買いやすくなります。「顧客視点」とは、そのようなことを言うのでしょう。それが売り場づくりの原則でもあります。
そう考えると、もし商品が売れないとしたら、適切な「比較」の機会を提供していないことが原因かも知れないと疑ってみるとよいかも知れませんね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の商品・サービスを販売するにあたり、顧客に比較選択の機会を十分に与えているだろうか。比較の有無は、選びやすさや買い安さに大きな影響を与える要因だ。今一度、見直してみよう。
<参考:日経産業新聞 2008.12.25【4面】>
2008年12月24日
事業承継に成功した企業の特質とは?
経営を一つの「科学」ととらえると、データの分析は欠かせません。分析の目的は、問題の原因を特定したり、成長の芽を発見したりと、さまざまな観点が考えられます。
異なる事象の相関関係を探ってみるのも面白いです。表計算ソフトを使えば、比較的簡単に算出できます。AとBと相関が高いとなれば、Bで良い結果を得たければ、Aに対して何らかの手を打つべきだという話になります。
私が経験した事例では、たとえば社員の意識調査を行なった際、「この会社にずっと勤める意思はあるか」に対して否定的な回答をした人たちは、「この会社のビジョンは明確か」という設問に対しても否定的に回答していることがわかったりしました。
つまり、ビジョンを明確に示しておかないと、離職率が高くなる、という分析結果です。単純かつ極端な解釈にも見えますが、離職の重要な要因として着目すべき点を浮き彫りにしたという点で、有用でしょう。
12月24日付けの日本経済新聞に、「中小企業の事業承継に関する調査研究」の結果が紹介されています。それによると、事業承継にあたっては、「金融機関や取引先との事前の合意形成が大事であることが分かった」そうです。
これは、調査対象となった承継事例を「成功した」「非成功」に分け、それぞれの回答結果の違いを比較してみたのでしょう。成功要因を特定するのに、よく使われる手法です。
中小企業研究センターが行なったこの調査結果では、「事業承継に際し事前了解を得た関係者」として、「成功企業では26.3%が金融機関、17.8%が取引先と回答。非成功企業ではそれぞれ14.3%と8.9%で10ポイント前後の開きがあった」そうです。
誰を後継者にするかについては、株式でも所有していない限り、金融機関や取引先が口を出す筋合いのものではないかも知れません。しかしもちろん、そういうわけにはいかないですね。
記事は、「中小企業の多くは経営トップが外部交渉を一手に引き受けるため、外部関係者との関係維持が円滑な継承には不可欠と分析している」とコメントしています。
中小企業研究センターのサイトでは、さらに詳しいレポートが掲載されていて、ポイントとして「基本は早期の取組開始」「幅広い関係者に目を向けて理解を得る」の2つが挙げられています。
早期に取り組みを開始すれば、関係者への「根回し」も抜かりなくできるということでしょう。いずれにしろ、そのような「根回し」は、事業承継に限らず、一般的な仕事においても重要なことです。
コンサルタントとしての私の師匠は、仕事を進める場合に必ず考えるべき3つのポイントがある、と教えてくれました。一つは「プロダクト(成果、結果、目標)」、もう一つは「プロセス(やり方、方法)」、そして「インフルエンス(周囲への影響)」の3つです。
有能に見えてもトラブルばかり起こす人は、インフルエンスを考えていないことが原因でしょう。周囲への影響を考えず、独りよがりで仕事を進めてしまうわけです。
時として、社長・リーダーがそのタイプであったりして、困ることもあります。いわゆる2兆円の定額給付金も、ぶち上げたは良いが、実際にどうするのか、周囲はおおいに迷惑することとなってしまいましたね。
経営でも一般の仕事でも、スムーズに進めるには、どれだけ広い範囲で周囲に目を配ることができるかが成否のカギを握ります。本当に仕事がデキるとは、そのようなことだと思いますよ。
【今日の教訓】
あなたは仕事に取り組むにあたり、周囲へのインフルエンス(影響)をどれだけ考慮に入れ、事前に手を打っているだろうか。面倒なようでも、確実に成果を上げるには必要なことだ。それができないうちは、仕事がデキるつもりになってはいけない。
<参考:日本経済新聞 2008.12.24【13面】>
異なる事象の相関関係を探ってみるのも面白いです。表計算ソフトを使えば、比較的簡単に算出できます。AとBと相関が高いとなれば、Bで良い結果を得たければ、Aに対して何らかの手を打つべきだという話になります。
私が経験した事例では、たとえば社員の意識調査を行なった際、「この会社にずっと勤める意思はあるか」に対して否定的な回答をした人たちは、「この会社のビジョンは明確か」という設問に対しても否定的に回答していることがわかったりしました。
つまり、ビジョンを明確に示しておかないと、離職率が高くなる、という分析結果です。単純かつ極端な解釈にも見えますが、離職の重要な要因として着目すべき点を浮き彫りにしたという点で、有用でしょう。
12月24日付けの日本経済新聞に、「中小企業の事業承継に関する調査研究」の結果が紹介されています。それによると、事業承継にあたっては、「金融機関や取引先との事前の合意形成が大事であることが分かった」そうです。
これは、調査対象となった承継事例を「成功した」「非成功」に分け、それぞれの回答結果の違いを比較してみたのでしょう。成功要因を特定するのに、よく使われる手法です。
中小企業研究センターが行なったこの調査結果では、「事業承継に際し事前了解を得た関係者」として、「成功企業では26.3%が金融機関、17.8%が取引先と回答。非成功企業ではそれぞれ14.3%と8.9%で10ポイント前後の開きがあった」そうです。
誰を後継者にするかについては、株式でも所有していない限り、金融機関や取引先が口を出す筋合いのものではないかも知れません。しかしもちろん、そういうわけにはいかないですね。
記事は、「中小企業の多くは経営トップが外部交渉を一手に引き受けるため、外部関係者との関係維持が円滑な継承には不可欠と分析している」とコメントしています。
中小企業研究センターのサイトでは、さらに詳しいレポートが掲載されていて、ポイントとして「基本は早期の取組開始」「幅広い関係者に目を向けて理解を得る」の2つが挙げられています。
早期に取り組みを開始すれば、関係者への「根回し」も抜かりなくできるということでしょう。いずれにしろ、そのような「根回し」は、事業承継に限らず、一般的な仕事においても重要なことです。
コンサルタントとしての私の師匠は、仕事を進める場合に必ず考えるべき3つのポイントがある、と教えてくれました。一つは「プロダクト(成果、結果、目標)」、もう一つは「プロセス(やり方、方法)」、そして「インフルエンス(周囲への影響)」の3つです。
有能に見えてもトラブルばかり起こす人は、インフルエンスを考えていないことが原因でしょう。周囲への影響を考えず、独りよがりで仕事を進めてしまうわけです。
時として、社長・リーダーがそのタイプであったりして、困ることもあります。いわゆる2兆円の定額給付金も、ぶち上げたは良いが、実際にどうするのか、周囲はおおいに迷惑することとなってしまいましたね。
経営でも一般の仕事でも、スムーズに進めるには、どれだけ広い範囲で周囲に目を配ることができるかが成否のカギを握ります。本当に仕事がデキるとは、そのようなことだと思いますよ。
【今日の教訓】
あなたは仕事に取り組むにあたり、周囲へのインフルエンス(影響)をどれだけ考慮に入れ、事前に手を打っているだろうか。面倒なようでも、確実に成果を上げるには必要なことだ。それができないうちは、仕事がデキるつもりになってはいけない。
<参考:日本経済新聞 2008.12.24【13面】>
タグ :事業承継
2008年12月18日
マンションの査定を依頼するなら匿名がいい。
経営資源と言えば、ヒト・モノ・カネを意味しますが、4つ目として「情報」を付け加えることも多いですね。売れ筋商品は何か、これから何が流行するか、誰がどの商品を買いたがっているか等の情報は、非常に価値が高いです。
そのような情報を得るために、さまざまなマーケティング上の工夫が凝らされます。たとえば「誰がどの商品を買いたがっているか」を把握するためには、さまざまなオファーを提供します。
最も単純なものは「資料請求」でしょう。資料請求者は、明らかに対象商品に興味を抱いていて、資料と引き換えに個人情報を供出することになります。
個人情報を供出する側は、よほど無邪気でない限り、それが知られることで、売り込みをかけられることを心配します。そこで、資料請求のインセンティブとなる特典をプレゼントしたりします。
結局、「情報」を巡る「駆け引き」が行なわれるわけです。ですが、「駆け引き」により情報が流通しないとなると、売り手としてはデメリットです。情報流通の妨げは、ビジネス活性化の妨げにもなります。
12月18日付けの日経産業新聞に、「マンションを売却したい人がサイト経由で匿名で不動産会社に査定を依頼できる仕組み」についての記事が紹介されています。
「ネクストが運営する不動産サイト『ホームズ不動産売買』」で行なう「売却予定のマンションの査定仲介サービス」についてのことです。「匿名」なら、個人情報をむやみに供出しなくて済みます。
記事は、その点について、「売却する人は必要以上に個人情報を開示する必要がなく、不動産会社からの過剰な営業を避けられるメリットがある」と解説しています。
この仕組みでは、複数の不動産会社から、「買い取り査定額が提示される」ことになります。その中から最適と思われるものを選んだ段階で、はじめて「名前や連絡先などの個人情報を知らせ、売却の交渉をすることができる」わけです。
最終的には、個人情報を供出することとなりますが、本当に必要な状況になってからの話です。本来、それで十分なのだと思います。ムダに個人情報を集めても、管理にコストがかかるだけです。「過剰な営業」が迷惑だとすれば、売り手・買い手ともにメリットがあると言えるでしょう。
情報に価値があるからと言え、むやみやたらに個人情報を得ようとすることの弊害を感じさせられます。情報にも「質」の良し悪しがあります。良質な情報を得るために、フィルターを通過するのをじっくりと待つことも必要なのでしょう。
その「フィルターを通過」させるのに、最初の段階は「匿名」で自由にさせるのは、得策でしょう。情報供出が嫌われ、動きが活性化しなければ、何にもなりません。
記事によれば、この手のサイトで「最初に匿名で査定を依頼できるサービスは珍しい」そうです。冷やかしを避けるといった効果はあるでしょうが、「角を矯めて牛を殺す」ようではいけません。
そもそも、個人情報を巡る「駆け引き」があるというのは、互いの信頼関係の不足を示していると考えられます。その状態で、個人情報だけを入手しても、ビジネスとはなりにくいでしょう。
「まずは情報ありき」ではなく、まずは顧客に、その望むまま、自由に行動してもらうことが大切なのだと思います。ビジネスになるかどうかは、そこから先の話です。匿名でないがゆえに、実質的に門前払いしているとすれば、実にもったいないことですね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、見込み客の個人情報を、どの段階で入手しているだろうか。あまりに早いうちに入手しようとして、彼らの足を遠のけているかも知れない。まずは彼らが自由に行動できる環境を整えよう。
<参考:日経産業新聞 2008.12.18【18面】>
そのような情報を得るために、さまざまなマーケティング上の工夫が凝らされます。たとえば「誰がどの商品を買いたがっているか」を把握するためには、さまざまなオファーを提供します。
最も単純なものは「資料請求」でしょう。資料請求者は、明らかに対象商品に興味を抱いていて、資料と引き換えに個人情報を供出することになります。
個人情報を供出する側は、よほど無邪気でない限り、それが知られることで、売り込みをかけられることを心配します。そこで、資料請求のインセンティブとなる特典をプレゼントしたりします。
結局、「情報」を巡る「駆け引き」が行なわれるわけです。ですが、「駆け引き」により情報が流通しないとなると、売り手としてはデメリットです。情報流通の妨げは、ビジネス活性化の妨げにもなります。
12月18日付けの日経産業新聞に、「マンションを売却したい人がサイト経由で匿名で不動産会社に査定を依頼できる仕組み」についての記事が紹介されています。
「ネクストが運営する不動産サイト『ホームズ不動産売買』」で行なう「売却予定のマンションの査定仲介サービス」についてのことです。「匿名」なら、個人情報をむやみに供出しなくて済みます。
記事は、その点について、「売却する人は必要以上に個人情報を開示する必要がなく、不動産会社からの過剰な営業を避けられるメリットがある」と解説しています。
この仕組みでは、複数の不動産会社から、「買い取り査定額が提示される」ことになります。その中から最適と思われるものを選んだ段階で、はじめて「名前や連絡先などの個人情報を知らせ、売却の交渉をすることができる」わけです。
最終的には、個人情報を供出することとなりますが、本当に必要な状況になってからの話です。本来、それで十分なのだと思います。ムダに個人情報を集めても、管理にコストがかかるだけです。「過剰な営業」が迷惑だとすれば、売り手・買い手ともにメリットがあると言えるでしょう。
情報に価値があるからと言え、むやみやたらに個人情報を得ようとすることの弊害を感じさせられます。情報にも「質」の良し悪しがあります。良質な情報を得るために、フィルターを通過するのをじっくりと待つことも必要なのでしょう。
その「フィルターを通過」させるのに、最初の段階は「匿名」で自由にさせるのは、得策でしょう。情報供出が嫌われ、動きが活性化しなければ、何にもなりません。
記事によれば、この手のサイトで「最初に匿名で査定を依頼できるサービスは珍しい」そうです。冷やかしを避けるといった効果はあるでしょうが、「角を矯めて牛を殺す」ようではいけません。
そもそも、個人情報を巡る「駆け引き」があるというのは、互いの信頼関係の不足を示していると考えられます。その状態で、個人情報だけを入手しても、ビジネスとはなりにくいでしょう。
「まずは情報ありき」ではなく、まずは顧客に、その望むまま、自由に行動してもらうことが大切なのだと思います。ビジネスになるかどうかは、そこから先の話です。匿名でないがゆえに、実質的に門前払いしているとすれば、実にもったいないことですね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、見込み客の個人情報を、どの段階で入手しているだろうか。あまりに早いうちに入手しようとして、彼らの足を遠のけているかも知れない。まずは彼らが自由に行動できる環境を整えよう。
<参考:日経産業新聞 2008.12.18【18面】>
2008年12月17日
ありがたい!内定取り消し学生の就職を支援!
「他人のふんどし」をいかに使うか。それがビジネス成功の秘訣だったりしますね。自分一人では何もできません。だからこそ、「人脈」づくりの大切さが説かれたりするわけです。
※こちらも参考に → 『アライアンス仕事術』平野敦士カール先生
一方、「変化はチャンス」だとも言われます。急激に景況が悪化している昨今ですが、その分、新たなチャンスが生まれていると考えることもできます。
景況の悪化は、大学新卒者の採用内定取り消しの頻発といった形で現われてきているのが深刻です。他社を断って入社を決心した企業からこのような仕打ちを受けるとは、実に気の毒なことだと思います。
ですが、それもまた「変化」の一つととらえれば、新たなビジネスチャンスになるのかも知れません。
12月17日付けの日経MJ(流通新聞)に、「人材サービス会社のネオキャリアは内定取り消しを受けた来春卒業予定の学生を対象とした就職支援サービスを始めた」という記事が掲載されています。
内定取り消し問題への救済策として、注目できますね。「変化」をチャンスにする事例でもあります。興味深いのは、「通常の選考過程を経ずに、いきなり事実上の最終選考となる社長面接が受けられるようにする」という点です。
時間的な余裕がないということもあるでしょう。ですが、記事によれば、ネオキャリアは「一度内定を勝ち得た学生には優秀な人が多い」とみているそうです。その分、選考過程を省略できるわけですね。なるほどです。
面接に至るまでの選考作業も、コストのかかることです。それを既に他社がやってくれているわけですから、ちゃっかり「他人のふんどし」を利用しているようにも見えます。
もちろん、内定取り消しで途方に暮れている学生を救済する施策ですし、内定を取り消す企業の責任は重いですから、このケースを「ちゃっかり」扱いするのは申し訳ないかも知れません。
とは言え、この「ちゃっかり」方式を一般化すれば、何かと便利ではないでしょうか。たとえば、特定企業の内定通知をもらっていれば選考作業の一部を省略する、といったことができそうです。
自社が行なった選考作業の結果を、他社に「ちゃっかり」利用される企業は迷惑ですが、学生にとっては、時間と労力の節約になります。もちろん、時期的な問題はあるでしょうが、中小企業が新卒採用を狙う場合には、この方式を使っているケースもあるようです。
かつて、他社の割引カードを持参すれば、ガソリンを割引販売するというガソリンスタンドがあったと記憶しています。カードによる囲い込み策も、オセロゲームのように「一発逆転」されてしまうわけです。
先進的な製品を開発しても、後発の大手企業にマネをされ、結局はその大手企業が市場の大半を獲得してしまう、といったケースもよくありますね。製品アイデアという「他人のふんどし」を利用しているわけです。
じゃんけんで勝つには、「後出し」をすることでしょう。他社に先駆けようとする企業が多い中、「後出し」ならではのメリットがあるということにも、着目すべきだと思います。
企業間競争というと、「より早く」を目指しがちですが、差別化の観点からすれば、「後出し」の方が、むしろ有利なこともあります。多面的に考えることが必要なのです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、どのような観点で他社と競争することを考えているだろうか。「より早く」という考え方もあるが、「後出し」という考え方もある。多面的に考えて、他社との比較競争優位性を確立しよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2008.12.17【23面】>
※こちらも参考に → 『アライアンス仕事術』平野敦士カール先生
一方、「変化はチャンス」だとも言われます。急激に景況が悪化している昨今ですが、その分、新たなチャンスが生まれていると考えることもできます。
景況の悪化は、大学新卒者の採用内定取り消しの頻発といった形で現われてきているのが深刻です。他社を断って入社を決心した企業からこのような仕打ちを受けるとは、実に気の毒なことだと思います。
ですが、それもまた「変化」の一つととらえれば、新たなビジネスチャンスになるのかも知れません。
12月17日付けの日経MJ(流通新聞)に、「人材サービス会社のネオキャリアは内定取り消しを受けた来春卒業予定の学生を対象とした就職支援サービスを始めた」という記事が掲載されています。
内定取り消し問題への救済策として、注目できますね。「変化」をチャンスにする事例でもあります。興味深いのは、「通常の選考過程を経ずに、いきなり事実上の最終選考となる社長面接が受けられるようにする」という点です。
時間的な余裕がないということもあるでしょう。ですが、記事によれば、ネオキャリアは「一度内定を勝ち得た学生には優秀な人が多い」とみているそうです。その分、選考過程を省略できるわけですね。なるほどです。
面接に至るまでの選考作業も、コストのかかることです。それを既に他社がやってくれているわけですから、ちゃっかり「他人のふんどし」を利用しているようにも見えます。
もちろん、内定取り消しで途方に暮れている学生を救済する施策ですし、内定を取り消す企業の責任は重いですから、このケースを「ちゃっかり」扱いするのは申し訳ないかも知れません。
とは言え、この「ちゃっかり」方式を一般化すれば、何かと便利ではないでしょうか。たとえば、特定企業の内定通知をもらっていれば選考作業の一部を省略する、といったことができそうです。
自社が行なった選考作業の結果を、他社に「ちゃっかり」利用される企業は迷惑ですが、学生にとっては、時間と労力の節約になります。もちろん、時期的な問題はあるでしょうが、中小企業が新卒採用を狙う場合には、この方式を使っているケースもあるようです。
かつて、他社の割引カードを持参すれば、ガソリンを割引販売するというガソリンスタンドがあったと記憶しています。カードによる囲い込み策も、オセロゲームのように「一発逆転」されてしまうわけです。
先進的な製品を開発しても、後発の大手企業にマネをされ、結局はその大手企業が市場の大半を獲得してしまう、といったケースもよくありますね。製品アイデアという「他人のふんどし」を利用しているわけです。
じゃんけんで勝つには、「後出し」をすることでしょう。他社に先駆けようとする企業が多い中、「後出し」ならではのメリットがあるということにも、着目すべきだと思います。
企業間競争というと、「より早く」を目指しがちですが、差別化の観点からすれば、「後出し」の方が、むしろ有利なこともあります。多面的に考えることが必要なのです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、どのような観点で他社と競争することを考えているだろうか。「より早く」という考え方もあるが、「後出し」という考え方もある。多面的に考えて、他社との比較競争優位性を確立しよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2008.12.17【23面】>
タグ :内定取り消し
2008年12月15日
堺筋本町で忘年会

今週は読書会+忘年会@大阪があります。
楽しみですが、飲み過ぎに注意!
読書会の参加方法は↓にマニュアルがあります。
http:www.entrelect.co.jp/dokushokai_manual.pdf
あなたも読書会を主宰してはいかがでしょうか?
2008年12月12日
女性起業家のブログってやつは・・
食事・スイーツネタが多いですなぁ・・。
まぁ、毎日「お世話」になるので、ネタにしやすいというのがあるでしょうが。
ブログだけ読むと、毎日食べ歩いて遊んでいるように見えてしまうのですが・・。
いいんでしょうか(^^;)?
まぁ、毎日「お世話」になるので、ネタにしやすいというのがあるでしょうが。
ブログだけ読むと、毎日食べ歩いて遊んでいるように見えてしまうのですが・・。
いいんでしょうか(^^;)?
2008年12月11日
大阪ではコンビニ開店ラッシュ?
弊社大阪オフィスの並びにセブンイレブンがオープンしました。
思えば3年前、大阪オフィスを開設した際、この通りにコンビニはありませんでした。
今やファミマ1件、セブン2件と、まぁ、賑わっています。
裏手に行くとampmがあり、99円ショップがあり、大阪城方面に行くと、また別のファミマとセブンがあります。
わずか3年間ですが、だいぶ変わったものです。
思えば3年前、大阪オフィスを開設した際、この通りにコンビニはありませんでした。
今やファミマ1件、セブン2件と、まぁ、賑わっています。
裏手に行くとampmがあり、99円ショップがあり、大阪城方面に行くと、また別のファミマとセブンがあります。
わずか3年間ですが、だいぶ変わったものです。

2008年12月10日
マンションがアウトレットで安く買えます!
一時期、中国のネットショッピング事情を調べてみたことがあります。「価格はお問い合わせください」というスタイルが多くて、驚きました。聞くところによると、連絡手段はメールよりもチャットの方が普及しているのだそうです。
価格をサイトで公開しないのは、他社との競争を意識してのこと。問い合わせをチャットで行なえば、それほど面倒はないのかも知れません。
「正札販売」に慣れている日本人と、店先での値引き交渉が一般的な中国人との購買習慣の違いでしょうか。ネットショッピングでも、中国スタイルというものがあるようです。
とは言え、価格をネット上で公開するリスクについては、かねてから指摘されてきています。結局、最も安く販売する業者が一人勝ちするのではないか、とか。
一方、ネットで買い物をする人は短気なので、価格をじっくり比較検討することはしない、という説もあります。ですが、価格比較サイトを使えば、短気な人でも、最安値を知ることは容易です。
12月10日付けの日経産業新聞に、「不動産紹介サイト運営のファーストロジックは自社サイトで、値引き販売などをしている『アウトレット物件』の取り扱いを開始した」という記事が掲載されています。
このサイト「住宅の楽待」では、「希望者のみに値引き情報などを告知できるため、正規価格で購入した顧客などからのクレームを防げるという」とのこと。ネットで商品を販売するからといって、常に万人に価格を公開する必要はないわけですね。
具体的には、「住宅の楽待」に「会員登録し、購入したい不動産の価格や立地などを入力」しておきます。すると、不動産会社から、価格を含め、物件を紹介するメールが届きます。メールでのやりとりですので、価格は購入希望者以外に知られることはありません。
記事によれば、「不動産会社が販売在庫を抱える事例が増えており、在庫処理を急ぎたい企業の需要が見込めると判断した」そうです。価格公開は、既購入者からのクレームを招くため、告知したくてもできなかったとのこと。不動産会社のそういった悩みを解決してくれる取り組みですね。
実際、この取り組みへの反響は非常に大きかったようで、ファーストロジック社の社長ブログによれば「相当なアクセスと問い合せがありまして、社内は大騒ぎでした」とか。
経済の原則からみて、需給状況により、価格を柔軟に対応させるというのは、適切なやり方だと思います。「早割」や「直前割引」といった取り組みは、他の業界でもしばしばみられます。
また、リピーター限定の特別オファーの提供といったことも、既にネットショップでは、よく行なわれています。要は、柔軟に対応できる「仕組み」をつくれるかどうかということでしょう。結構、面倒ですからね。
この対応の本質は、顧客・見込み客をセグメントしてアプローチすることです。その「仕組み」がつくれればよい、ということになります。たとえば優良顧客を「えこひいき」することは、ビジネスの論理では、常識です。
アウトレット物件を安値で買う顧客は「優良顧客」とは言い難く、正規価格での購入客にすれば「不公平」ではあるのですが、「セグメントされた特定顧客」であることに変わりはありません。
ネット販売=価格の全世界への公開、ということではないんですね。セグメントしてアプローチする仕組みを作ることで、収益を最大化する価格ポートフォリオを自由に構築できるはずですから、自社でも検討してみたいところです。
あなたの企業では、価格を硬直化させてしまうことで、みすみす収益機会を逃してはいないでしょうか? 顧客・見込み客をセグメントすることで、取りこぼしなく、クレームなしに、収益を拡大できるはずです。早速、その仕組みづくりを検討しましょう。
<日経産業新聞 2008.12.10【15面】>
価格をサイトで公開しないのは、他社との競争を意識してのこと。問い合わせをチャットで行なえば、それほど面倒はないのかも知れません。
「正札販売」に慣れている日本人と、店先での値引き交渉が一般的な中国人との購買習慣の違いでしょうか。ネットショッピングでも、中国スタイルというものがあるようです。
とは言え、価格をネット上で公開するリスクについては、かねてから指摘されてきています。結局、最も安く販売する業者が一人勝ちするのではないか、とか。
一方、ネットで買い物をする人は短気なので、価格をじっくり比較検討することはしない、という説もあります。ですが、価格比較サイトを使えば、短気な人でも、最安値を知ることは容易です。
12月10日付けの日経産業新聞に、「不動産紹介サイト運営のファーストロジックは自社サイトで、値引き販売などをしている『アウトレット物件』の取り扱いを開始した」という記事が掲載されています。
このサイト「住宅の楽待」では、「希望者のみに値引き情報などを告知できるため、正規価格で購入した顧客などからのクレームを防げるという」とのこと。ネットで商品を販売するからといって、常に万人に価格を公開する必要はないわけですね。
具体的には、「住宅の楽待」に「会員登録し、購入したい不動産の価格や立地などを入力」しておきます。すると、不動産会社から、価格を含め、物件を紹介するメールが届きます。メールでのやりとりですので、価格は購入希望者以外に知られることはありません。
記事によれば、「不動産会社が販売在庫を抱える事例が増えており、在庫処理を急ぎたい企業の需要が見込めると判断した」そうです。価格公開は、既購入者からのクレームを招くため、告知したくてもできなかったとのこと。不動産会社のそういった悩みを解決してくれる取り組みですね。
実際、この取り組みへの反響は非常に大きかったようで、ファーストロジック社の社長ブログによれば「相当なアクセスと問い合せがありまして、社内は大騒ぎでした」とか。
経済の原則からみて、需給状況により、価格を柔軟に対応させるというのは、適切なやり方だと思います。「早割」や「直前割引」といった取り組みは、他の業界でもしばしばみられます。
また、リピーター限定の特別オファーの提供といったことも、既にネットショップでは、よく行なわれています。要は、柔軟に対応できる「仕組み」をつくれるかどうかということでしょう。結構、面倒ですからね。
この対応の本質は、顧客・見込み客をセグメントしてアプローチすることです。その「仕組み」がつくれればよい、ということになります。たとえば優良顧客を「えこひいき」することは、ビジネスの論理では、常識です。
アウトレット物件を安値で買う顧客は「優良顧客」とは言い難く、正規価格での購入客にすれば「不公平」ではあるのですが、「セグメントされた特定顧客」であることに変わりはありません。
ネット販売=価格の全世界への公開、ということではないんですね。セグメントしてアプローチする仕組みを作ることで、収益を最大化する価格ポートフォリオを自由に構築できるはずですから、自社でも検討してみたいところです。
あなたの企業では、価格を硬直化させてしまうことで、みすみす収益機会を逃してはいないでしょうか? 顧客・見込み客をセグメントすることで、取りこぼしなく、クレームなしに、収益を拡大できるはずです。早速、その仕組みづくりを検討しましょう。
<日経産業新聞 2008.12.10【15面】>
2008年12月09日
5社コンペに勝利!
来年度の某地方自治体連合のコーチング研修ですが、発注をいただき、本日、ご担当の方と打ち合わせを行ないました。
フツーに企画書を作成し、お送りし、受注が決まったわけですが、実は5社の中から弊社が選ばれたと聞き、ホッとしています(^^;)。そんなに競争激しかったとは、知りませんでしたので。
決め手は「企画内容」だったそうです。
法人研修とは言え、基本はGCSのカリキュラムです。「実践的」であることや、「コーチングマインド」重視を意識したカリキュラムが、行政の方々にも評価されたこと、素直に嬉しく思います。
来週中に、別の自治体さんにも提案書を提出します。
何とか受注を獲得すべく、がんばります!
フツーに企画書を作成し、お送りし、受注が決まったわけですが、実は5社の中から弊社が選ばれたと聞き、ホッとしています(^^;)。そんなに競争激しかったとは、知りませんでしたので。
決め手は「企画内容」だったそうです。
法人研修とは言え、基本はGCSのカリキュラムです。「実践的」であることや、「コーチングマインド」重視を意識したカリキュラムが、行政の方々にも評価されたこと、素直に嬉しく思います。
来週中に、別の自治体さんにも提案書を提出します。
何とか受注を獲得すべく、がんばります!
タグ :コーチング
2008年12月05日
通信教育で『コンサルタント』になろう!
あの大人気講座が【通信教育】に『コンサルタント養成講座』
こんにちは!「クォーター大阪人冒険記」の森英樹です。
私が講師を務める週末起業フォーラムの大人気講座、『コンサルタント養成講座』が待望の【通信教育】になりました。
これまで、講座へのご参加を希望されながら、ご多忙、遠方在住などで参加を断念されていた方の声にお応えして開講します。
お申し込みは、年内12/31(水)までをお勧めします。この日までにお申込みの方は、教材の制作者である、私自身が、添削から指導までを担当させていただくからです。
12/8(月)から出荷を開始いたしますので、今お申し込みただくと年末・年始のお休みに取り組むのにちょうど良いタイミングと思います。
ぜひ、この機会にお申し込みください。
『コンサルタント養成講座 ◆ 通信教育』
※詳細&お申込み→ http://www.shumatsu.net/consulyosei.html
「コンサルタント」は、これから起業される方のネタとして、魅力がいっぱいです。たとえば、
・ローリスクで始められる
・自己充足度が高い
・在庫も資格も不要
などです。
もちろん、すでに始めている方も、今手がけているビジネスにコンサルティングの要素を加えることで、ビジネスが発展します。
なお、本講座最大の特徴は、あらゆるコンサルタントに共通する、実務やスキルが学べることです。
一般的な同種の講座では「経営コンサルタント」「営業コンサルタント」「ITコンサルタント」など、専門分野が限定されています。
その点、この講座では「商品作り」「基本スキル」「顧客獲得」など、あらゆる分野のコンサルタントに必須のスキルが学べます。
だから、すでにお持ちの知識・経験・実績・ノウハウを生かして、あなたならではの「オンリーワン・コンサルタント」になることができるのです。
卒業生には、すでに「オンリーワン・コンサルタント」として活躍し、独立起業を果たしている人も少なくありません。
そんなことから『コンサルタント養成講座』は、毎回ほぼ満員状態という【大人気】講座になっています。
しかし、これまでの開講は、東京と大阪限定でした。そのため、時間と距離に制約がありました。
「さらに多くの人に、コンサルタントとして起業してほしい」
そんな、スタッフの切実な思いから誕生したのが、この、
『コンサルタント養成講座 ◆ 通信教育』
なのです。
通学講座と同様、コンサルタントとしての商品づくり・スキルの修得・顧客獲得の戦術修得ができます。
また、通信教育講座ならではのメリットもございます。
1.講義を、繰り返し聞くことができます!
2.自分のペースで、受講・ワークを行なうことができます!
3.添削課題用CDを使って専用WEBから課題を送信できます!
4.6ヵ月間にわたって、懇切丁寧に添削・指導します!
・これまで受講をあきらめていたあなた
・コンサルタントとして独立したいあなた
・独立して間もないあなた
・現在のビジネスにコンサルティングの要素を加えたいあなた
・起業したいがネタが見当たらないというあなた
その他、この案内にピンと来たあなたは、この機会にぜひご受講く
ださい!
『コンサルタント養成講座 ◆ 通信教育』
※詳細&お申込み→ http://www.shumatsu.net/consulyosei.html
「コンサルタント」で、最短・最速の独立を達成することは決して夢ではありません。
時間やお金のかからない週末起業にピッタリの「コンサルタント」で、成功へのスタートを切りましょう!!
繰り返しますが、お申し込みは12/31(水)までを強くお勧めします。この機会にぜひ、お申し込みください。
こんにちは!「クォーター大阪人冒険記」の森英樹です。
私が講師を務める週末起業フォーラムの大人気講座、『コンサルタント養成講座』が待望の【通信教育】になりました。
これまで、講座へのご参加を希望されながら、ご多忙、遠方在住などで参加を断念されていた方の声にお応えして開講します。
お申し込みは、年内12/31(水)までをお勧めします。この日までにお申込みの方は、教材の制作者である、私自身が、添削から指導までを担当させていただくからです。
12/8(月)から出荷を開始いたしますので、今お申し込みただくと年末・年始のお休みに取り組むのにちょうど良いタイミングと思います。
ぜひ、この機会にお申し込みください。
『コンサルタント養成講座 ◆ 通信教育』
※詳細&お申込み→ http://www.shumatsu.net/consulyosei.html
「コンサルタント」は、これから起業される方のネタとして、魅力がいっぱいです。たとえば、
・ローリスクで始められる
・自己充足度が高い
・在庫も資格も不要
などです。
もちろん、すでに始めている方も、今手がけているビジネスにコンサルティングの要素を加えることで、ビジネスが発展します。
なお、本講座最大の特徴は、あらゆるコンサルタントに共通する、実務やスキルが学べることです。
一般的な同種の講座では「経営コンサルタント」「営業コンサルタント」「ITコンサルタント」など、専門分野が限定されています。
その点、この講座では「商品作り」「基本スキル」「顧客獲得」など、あらゆる分野のコンサルタントに必須のスキルが学べます。
だから、すでにお持ちの知識・経験・実績・ノウハウを生かして、あなたならではの「オンリーワン・コンサルタント」になることができるのです。
卒業生には、すでに「オンリーワン・コンサルタント」として活躍し、独立起業を果たしている人も少なくありません。
そんなことから『コンサルタント養成講座』は、毎回ほぼ満員状態という【大人気】講座になっています。
しかし、これまでの開講は、東京と大阪限定でした。そのため、時間と距離に制約がありました。
「さらに多くの人に、コンサルタントとして起業してほしい」
そんな、スタッフの切実な思いから誕生したのが、この、
『コンサルタント養成講座 ◆ 通信教育』
なのです。
通学講座と同様、コンサルタントとしての商品づくり・スキルの修得・顧客獲得の戦術修得ができます。
また、通信教育講座ならではのメリットもございます。
1.講義を、繰り返し聞くことができます!
2.自分のペースで、受講・ワークを行なうことができます!
3.添削課題用CDを使って専用WEBから課題を送信できます!
4.6ヵ月間にわたって、懇切丁寧に添削・指導します!
・これまで受講をあきらめていたあなた
・コンサルタントとして独立したいあなた
・独立して間もないあなた
・現在のビジネスにコンサルティングの要素を加えたいあなた
・起業したいがネタが見当たらないというあなた
その他、この案内にピンと来たあなたは、この機会にぜひご受講く
ださい!
『コンサルタント養成講座 ◆ 通信教育』
※詳細&お申込み→ http://www.shumatsu.net/consulyosei.html
「コンサルタント」で、最短・最速の独立を達成することは決して夢ではありません。
時間やお金のかからない週末起業にピッタリの「コンサルタント」で、成功へのスタートを切りましょう!!
繰り返しますが、お申し込みは12/31(水)までを強くお勧めします。この機会にぜひ、お申し込みください。
2008年12月03日
家計簿をつけるのって、面倒ですよね。
ビジネスをする以上、顧客とは長く付き合いたいものです。新規顧客獲得のコストは高くつきます。「生涯顧客価値」の観点で、なるべく長く囲い込んでおきたいですよね。
でもそれは、売り手側の一方的な片思いでしかありません。顧客の方から、売り手と長く付き合いたい、と思ってもらえるように仕向けることが必要です。
そのためには、ブランドに対する肯定的なイメージを浸透させ、ロイヤリティを高めるのが正攻法でしょう。そこまで行かないのなら、「長く付き合わざるを得ない」という状況くらいは作っておきたいところです。
12月3日付けの日経MJ(流通新聞)には、「小売店のPOS(販売時点情報管理)システムなどと連動した消費者向けの家計簿作成サービス」についての記事が掲載されています。
このサービスは、システム開発の「ビジコム」が始めたもので、「消費者が指定された店舗で買い物をすると、購入データがネット上の家計簿に反映される」というものです。
記事は「小売店はポイントも付与することができ、顧客の囲い込みにつながるという」と解説しています。ポイントはともかくとして、家計簿への入力が自動的にされるとすれば、便利なサービスだと思います。
家計簿を几帳面につけておきたいと思う人なら、このサービスを導入している店舗を選んで買い物をしようという気になり、「長く付き合わざるを得ない」状況が出現するのではないでしょうか。
もっとも、導入店舗数が増え、どこで買っても家計簿に記録されるとなると、囲い込み効果は薄れていきます。また、家計データを他人のサーバ上にUPしておくこと自体に不安を覚える人もいるでしょう。
とは言え、単純なポイントによる囲い込みと比較すれば、効果は高いと思われます。ポイントは結局、経済価値に換算できるので、他店がさらなる安売りでも打ち出せば、簡単に「包囲」は破られてしまうからです。
その点、個人の「記録」を扱う囲い込み策は強いですね。本人オリジナルのデータですから、他と交換することがききません。(もっとも、将来的には、ダウンロードしてエクスポートやインポートができるようになるかも知れませんが)
「記録」で囲い込む策としては、既にそのようなサービスがあるのかどうかは知らないのですが、たとえばボウリングのスコア履歴を記録しておき、上達状況を確認できたりするとよいでしょうね。
年に1度の健康診断なら、過去何年間かの数値と比較することは不可欠です。スポーツジムでも、トレーニング記録を蓄積していくことがモチベーションになります。
つまり、いわゆる「切り替えコスト」が高い状況をつくることが、顧客囲い込みになるわけです。その点、記録や履歴を保管することの有効性は高いと言えるでしょう。
履歴を管理するシステムは、情報技術の発達で構築しやすくなっています。社内で管理しているケースは多いでしょうが、顧客に公開し、活用してもらうことで、囲い込みを図ることを考えてもよいでしょう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2008.12.03【7面】>
タグ :家計簿
2008年12月03日
就活のバカヤロー
この本、話題になっていますね。
読んでみましたが、何ともはや、今どきの新卒ってこうなんだぁ、って驚いてしまいました。手を焼いてコーチングに救いを求める管理職の気持ち、わかる気がします。
読んでみましたが、何ともはや、今どきの新卒ってこうなんだぁ、って驚いてしまいました。手を焼いてコーチングに救いを求める管理職の気持ち、わかる気がします。
2008年12月02日
「2015年問題」をご存じですか?
最近、週末起業フォーラムのイベントに、大学生の姿をちらほら見かけます。
一部の学生がベンチャーでの起業に関心を持つのは、昔から特に目新しいことではないのですが、「週末起業」とは別次元の話だと思っていました。ここに来て、大学生が週末起業フォーラムに来るようになったのは、どういうことなのでしょうか。
ベンチャー起業への関心に対する受け皿たる起業支援団体に勢いがないということなのでしょうか。あるいは、就職難から、起業という選択肢に学生が注目するようになったのでしょうか。
いずれにしろ、かつてとは異なる、何らかの要因があるのでしょう。何がどのように影響するか、起きてしまえばいろいろと推測ができますが、事前に予測するのは容易ではないですね。
「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉のように、物事は「玉突き」で変化していきます。桶屋なら儲かって喜べばよいのですが、他の業者には、何らかのしわ寄せが行っている可能性があります。
12月2日付けの日経産業新聞に、「景気低迷で逆風下にある住宅業界」と始まる記事が掲載されています。「近い将来、住宅業界がさらに直面するのが世帯数減少の問題だ」そうです。
野村総合研究所によれば、「新設着工戸数は総世帯数の相関関係が強い」とのことです。特に指摘されなくても、常識的に考えて、そうだろうなと思います。
そこで各社、「戦略の転換を迫られている」。記事は「住宅を新規に供給するより、ストックから派生するビジネスを重視。具体的的には中古住宅の売買や建て替え需要で収益を確保する戦略だ」そうです。
記事によれば、40年も前の1968年以降、「常に住宅戸数が世帯数を上回る状態が続」いていたにも関わらず、「新設着工戸数は増え」続けてきました。
もちろん、「より広く、より質の高い住宅」へとシフトしてきたわけですから、単純に「量」の問題としてのみ語るわけにはいかないでしょう。ですが、「世帯数は2015年には減少に転じる」となると、もう限界なのでしょう。
時代の流れがビジネスモデルの盛衰を左右するのは、住宅に限ったことではありません。出来る限り、時代の流れに振り回されないビジネスモデルを築きたい、と思う経営者も多いでしょう。
もしかしたら、うちは新築住宅ではなく、中古住宅や住宅派生ビジネスをやっていてよかった、と思うかも知れません。ですが、それは大きな間違いです。
というのは、住宅業界各社が、こぞって「中古住宅の売買」など、「ストックか派生するビジネス」へと進出してくるからです。隣で火事が起きたら、延焼から免れることはできません。
昨日の当ブログでは、「『すみ分け』は幻想だ」と述べました。住宅業界について言えば、新設も中古も派生ビジネスも、一見「すみ分け」ているようで、状況が変われば、その境はなくなってしまいます。
「玉突き」、「しわ寄せ」、「とばっちり」、「隣家の火災による延焼」等々、いろいろな表現ができるでしょうが、ビジネスでも同じことです。それを考えれば、ビジネスに「安全地帯」など、存在しないに等しいですね。
【今日の教訓】
あなたの企業のビジネスモデルは、時代の変化に対してどれだけの適合性を持っているだろうか。適合性が高いからと言って、安心はできない。適合性を失った他の企業が、そのビジネスに参入してくるかも知れないからだ。
<参考:日経産業新聞 2008.12.02【16面】>
一部の学生がベンチャーでの起業に関心を持つのは、昔から特に目新しいことではないのですが、「週末起業」とは別次元の話だと思っていました。ここに来て、大学生が週末起業フォーラムに来るようになったのは、どういうことなのでしょうか。
ベンチャー起業への関心に対する受け皿たる起業支援団体に勢いがないということなのでしょうか。あるいは、就職難から、起業という選択肢に学生が注目するようになったのでしょうか。
いずれにしろ、かつてとは異なる、何らかの要因があるのでしょう。何がどのように影響するか、起きてしまえばいろいろと推測ができますが、事前に予測するのは容易ではないですね。
「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉のように、物事は「玉突き」で変化していきます。桶屋なら儲かって喜べばよいのですが、他の業者には、何らかのしわ寄せが行っている可能性があります。
12月2日付けの日経産業新聞に、「景気低迷で逆風下にある住宅業界」と始まる記事が掲載されています。「近い将来、住宅業界がさらに直面するのが世帯数減少の問題だ」そうです。
野村総合研究所によれば、「新設着工戸数は総世帯数の相関関係が強い」とのことです。特に指摘されなくても、常識的に考えて、そうだろうなと思います。
そこで各社、「戦略の転換を迫られている」。記事は「住宅を新規に供給するより、ストックから派生するビジネスを重視。具体的的には中古住宅の売買や建て替え需要で収益を確保する戦略だ」そうです。
記事によれば、40年も前の1968年以降、「常に住宅戸数が世帯数を上回る状態が続」いていたにも関わらず、「新設着工戸数は増え」続けてきました。
もちろん、「より広く、より質の高い住宅」へとシフトしてきたわけですから、単純に「量」の問題としてのみ語るわけにはいかないでしょう。ですが、「世帯数は2015年には減少に転じる」となると、もう限界なのでしょう。
時代の流れがビジネスモデルの盛衰を左右するのは、住宅に限ったことではありません。出来る限り、時代の流れに振り回されないビジネスモデルを築きたい、と思う経営者も多いでしょう。
もしかしたら、うちは新築住宅ではなく、中古住宅や住宅派生ビジネスをやっていてよかった、と思うかも知れません。ですが、それは大きな間違いです。
というのは、住宅業界各社が、こぞって「中古住宅の売買」など、「ストックか派生するビジネス」へと進出してくるからです。隣で火事が起きたら、延焼から免れることはできません。
昨日の当ブログでは、「『すみ分け』は幻想だ」と述べました。住宅業界について言えば、新設も中古も派生ビジネスも、一見「すみ分け」ているようで、状況が変われば、その境はなくなってしまいます。
「玉突き」、「しわ寄せ」、「とばっちり」、「隣家の火災による延焼」等々、いろいろな表現ができるでしょうが、ビジネスでも同じことです。それを考えれば、ビジネスに「安全地帯」など、存在しないに等しいですね。
【今日の教訓】
あなたの企業のビジネスモデルは、時代の変化に対してどれだけの適合性を持っているだろうか。適合性が高いからと言って、安心はできない。適合性を失った他の企業が、そのビジネスに参入してくるかも知れないからだ。
<参考:日経産業新聞 2008.12.02【16面】>
2008年12月01日
フツーの食料品をネットで買ったりしますか?
大学4年生の就職内定取り消しが相次いでいるそうですね。
ついこの間まで、就職戦線は「売り手市場」だと思っていたのですがが、あっという間に「氷河期」に入ってしまいました。
就職環境については、その時その時で変わるものですから、「今年はどうだろう?」と、常に考えておく必要があるでしょう。同様に、他の分野でも、時代の流れでどんどん変わっていくものです。
私がメルマガ「経営戦略考」を創刊したのは1999年。中小企業の経営者なんて、インターネットなんてやっていないよ。よく、そう言われたりしたものです。もちろん、現在はそのようなことはありません。
ネットショップをやるなら、どこのスーパーでも買えるようなものではダメ。これもまた、今は真実とは言えなくなってきているようです。固定観念にとらわれていると、時代に取り残されてしまうから、恐ろしいです。
12月1日付けの日経MJ(流通新聞)に、「ネット通販で普段の食品」というタイトルの記事が掲載されています。1面ですから、非常に大きな扱いです。
記事は「インターネット通販大手の楽天やアマゾンジャパンが生鮮や加工商品など普段づかいの食品のネット販売に本格参入する」と解説しています。
「普段づかいの食品」という表現から、それらが従来は、ネット販売に適してないと考えられていた商品だという言外の意味を汲み取ることができるでしょう。
背景として、「ネット通販各社が普段づかいの商品の取り込みに進出するのは、市場拡大の勢いが陰りつつあり、新しい客を必要としているからだ」ということがあります。
既に「ネットスーパー」はいくつも誕生していて、記事には「大手スーパーが相次ぎネットスーパー事業を強化している」「ヨーカ堂のネットスーパーは絶好調」といった言葉がみられます。
「どこのスーパーでも買えるようなもの」が、ネットで売られるようになっているわけです。配送が迅速であることや、配送料の安さといった点が、差別化ポイントになるのでしょう。アマゾンの場合、書籍と同様、「1500円から送料無料」というのが、大きな強みです。
ネットで買う商品、リアル店舗で買う商品、といった「すみ分け」は、もうなくなってしまうのでしょう。「靴」のように試着が不可欠と思われるような商品でも、返品時も含め、送料無料といったサービスが登場し、ネットでの購入がしやすくなっています。
一見、強力な競合が存在しても、「すみ分け」により共存しているケースは、しばしばみられます。しかしそれは、あくまでも一定の時点でそうなっているわけで、未来永劫そのままだという保証はありません。
特に一方が、成長拡大に貪欲な場合、その「すみ分け」は必ず崩される運命にあります。現時点で「すみ分け」ているからといって、決して安心してはいけません。
逆に、攻める立場にあるのなら、「すみ分け」説に束縛される必要もありません。今回の記事は、「普段づかい消費の獲得は一段の成長を目指すには不可欠だ」としています。
「守り」と「攻め」のどちらの視点から見ても、「すみ分け」は一時的な紳士協定に過ぎず、ある意味、幻想なのです。そのくらいに思っていて、ちょうどよいのではないでしょうか。
【今日の教訓】
もしあなたの企業の事業が競合他社と「すみ分け」しているとしたら、いつでもそれが崩れるであろうことを覚悟しておく必要がある。「守り」「攻め」の両方の視点で、「すみ分け」を見直してみよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2008.12.01【1面】>
ついこの間まで、就職戦線は「売り手市場」だと思っていたのですがが、あっという間に「氷河期」に入ってしまいました。
就職環境については、その時その時で変わるものですから、「今年はどうだろう?」と、常に考えておく必要があるでしょう。同様に、他の分野でも、時代の流れでどんどん変わっていくものです。
私がメルマガ「経営戦略考」を創刊したのは1999年。中小企業の経営者なんて、インターネットなんてやっていないよ。よく、そう言われたりしたものです。もちろん、現在はそのようなことはありません。
ネットショップをやるなら、どこのスーパーでも買えるようなものではダメ。これもまた、今は真実とは言えなくなってきているようです。固定観念にとらわれていると、時代に取り残されてしまうから、恐ろしいです。
12月1日付けの日経MJ(流通新聞)に、「ネット通販で普段の食品」というタイトルの記事が掲載されています。1面ですから、非常に大きな扱いです。
記事は「インターネット通販大手の楽天やアマゾンジャパンが生鮮や加工商品など普段づかいの食品のネット販売に本格参入する」と解説しています。
「普段づかいの食品」という表現から、それらが従来は、ネット販売に適してないと考えられていた商品だという言外の意味を汲み取ることができるでしょう。
背景として、「ネット通販各社が普段づかいの商品の取り込みに進出するのは、市場拡大の勢いが陰りつつあり、新しい客を必要としているからだ」ということがあります。
既に「ネットスーパー」はいくつも誕生していて、記事には「大手スーパーが相次ぎネットスーパー事業を強化している」「ヨーカ堂のネットスーパーは絶好調」といった言葉がみられます。
「どこのスーパーでも買えるようなもの」が、ネットで売られるようになっているわけです。配送が迅速であることや、配送料の安さといった点が、差別化ポイントになるのでしょう。アマゾンの場合、書籍と同様、「1500円から送料無料」というのが、大きな強みです。
ネットで買う商品、リアル店舗で買う商品、といった「すみ分け」は、もうなくなってしまうのでしょう。「靴」のように試着が不可欠と思われるような商品でも、返品時も含め、送料無料といったサービスが登場し、ネットでの購入がしやすくなっています。
一見、強力な競合が存在しても、「すみ分け」により共存しているケースは、しばしばみられます。しかしそれは、あくまでも一定の時点でそうなっているわけで、未来永劫そのままだという保証はありません。
特に一方が、成長拡大に貪欲な場合、その「すみ分け」は必ず崩される運命にあります。現時点で「すみ分け」ているからといって、決して安心してはいけません。
逆に、攻める立場にあるのなら、「すみ分け」説に束縛される必要もありません。今回の記事は、「普段づかい消費の獲得は一段の成長を目指すには不可欠だ」としています。
「守り」と「攻め」のどちらの視点から見ても、「すみ分け」は一時的な紳士協定に過ぎず、ある意味、幻想なのです。そのくらいに思っていて、ちょうどよいのではないでしょうか。
【今日の教訓】
もしあなたの企業の事業が競合他社と「すみ分け」しているとしたら、いつでもそれが崩れるであろうことを覚悟しておく必要がある。「守り」「攻め」の両方の視点で、「すみ分け」を見直してみよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2008.12.01【1面】>
タグ :ネットスーパー
2008年12月01日
個人サイト、リニューアルしました。
ずっとほったらかしにしていたのですが(^^;)、RSSツールを使って再構築してみました。 便利なツールですが、読み込みが遅いのと、SEO上、意味がないのがちょっと難点かも。
森英樹@森オフィス公式サイト → http://www.mori-office.com/
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Posted by HANK@森 at
14:24
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