【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2008年12月01日
フツーの食料品をネットで買ったりしますか?
大学4年生の就職内定取り消しが相次いでいるそうですね。
ついこの間まで、就職戦線は「売り手市場」だと思っていたのですがが、あっという間に「氷河期」に入ってしまいました。
就職環境については、その時その時で変わるものですから、「今年はどうだろう?」と、常に考えておく必要があるでしょう。同様に、他の分野でも、時代の流れでどんどん変わっていくものです。
私がメルマガ「経営戦略考」を創刊したのは1999年。中小企業の経営者なんて、インターネットなんてやっていないよ。よく、そう言われたりしたものです。もちろん、現在はそのようなことはありません。
ネットショップをやるなら、どこのスーパーでも買えるようなものではダメ。これもまた、今は真実とは言えなくなってきているようです。固定観念にとらわれていると、時代に取り残されてしまうから、恐ろしいです。
12月1日付けの日経MJ(流通新聞)に、「ネット通販で普段の食品」というタイトルの記事が掲載されています。1面ですから、非常に大きな扱いです。
記事は「インターネット通販大手の楽天やアマゾンジャパンが生鮮や加工商品など普段づかいの食品のネット販売に本格参入する」と解説しています。
「普段づかいの食品」という表現から、それらが従来は、ネット販売に適してないと考えられていた商品だという言外の意味を汲み取ることができるでしょう。
背景として、「ネット通販各社が普段づかいの商品の取り込みに進出するのは、市場拡大の勢いが陰りつつあり、新しい客を必要としているからだ」ということがあります。
既に「ネットスーパー」はいくつも誕生していて、記事には「大手スーパーが相次ぎネットスーパー事業を強化している」「ヨーカ堂のネットスーパーは絶好調」といった言葉がみられます。
「どこのスーパーでも買えるようなもの」が、ネットで売られるようになっているわけです。配送が迅速であることや、配送料の安さといった点が、差別化ポイントになるのでしょう。アマゾンの場合、書籍と同様、「1500円から送料無料」というのが、大きな強みです。
ネットで買う商品、リアル店舗で買う商品、といった「すみ分け」は、もうなくなってしまうのでしょう。「靴」のように試着が不可欠と思われるような商品でも、返品時も含め、送料無料といったサービスが登場し、ネットでの購入がしやすくなっています。
一見、強力な競合が存在しても、「すみ分け」により共存しているケースは、しばしばみられます。しかしそれは、あくまでも一定の時点でそうなっているわけで、未来永劫そのままだという保証はありません。
特に一方が、成長拡大に貪欲な場合、その「すみ分け」は必ず崩される運命にあります。現時点で「すみ分け」ているからといって、決して安心してはいけません。
逆に、攻める立場にあるのなら、「すみ分け」説に束縛される必要もありません。今回の記事は、「普段づかい消費の獲得は一段の成長を目指すには不可欠だ」としています。
「守り」と「攻め」のどちらの視点から見ても、「すみ分け」は一時的な紳士協定に過ぎず、ある意味、幻想なのです。そのくらいに思っていて、ちょうどよいのではないでしょうか。
【今日の教訓】
もしあなたの企業の事業が競合他社と「すみ分け」しているとしたら、いつでもそれが崩れるであろうことを覚悟しておく必要がある。「守り」「攻め」の両方の視点で、「すみ分け」を見直してみよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2008.12.01【1面】>
ついこの間まで、就職戦線は「売り手市場」だと思っていたのですがが、あっという間に「氷河期」に入ってしまいました。
就職環境については、その時その時で変わるものですから、「今年はどうだろう?」と、常に考えておく必要があるでしょう。同様に、他の分野でも、時代の流れでどんどん変わっていくものです。
私がメルマガ「経営戦略考」を創刊したのは1999年。中小企業の経営者なんて、インターネットなんてやっていないよ。よく、そう言われたりしたものです。もちろん、現在はそのようなことはありません。
ネットショップをやるなら、どこのスーパーでも買えるようなものではダメ。これもまた、今は真実とは言えなくなってきているようです。固定観念にとらわれていると、時代に取り残されてしまうから、恐ろしいです。
12月1日付けの日経MJ(流通新聞)に、「ネット通販で普段の食品」というタイトルの記事が掲載されています。1面ですから、非常に大きな扱いです。
記事は「インターネット通販大手の楽天やアマゾンジャパンが生鮮や加工商品など普段づかいの食品のネット販売に本格参入する」と解説しています。
「普段づかいの食品」という表現から、それらが従来は、ネット販売に適してないと考えられていた商品だという言外の意味を汲み取ることができるでしょう。
背景として、「ネット通販各社が普段づかいの商品の取り込みに進出するのは、市場拡大の勢いが陰りつつあり、新しい客を必要としているからだ」ということがあります。
既に「ネットスーパー」はいくつも誕生していて、記事には「大手スーパーが相次ぎネットスーパー事業を強化している」「ヨーカ堂のネットスーパーは絶好調」といった言葉がみられます。
「どこのスーパーでも買えるようなもの」が、ネットで売られるようになっているわけです。配送が迅速であることや、配送料の安さといった点が、差別化ポイントになるのでしょう。アマゾンの場合、書籍と同様、「1500円から送料無料」というのが、大きな強みです。
ネットで買う商品、リアル店舗で買う商品、といった「すみ分け」は、もうなくなってしまうのでしょう。「靴」のように試着が不可欠と思われるような商品でも、返品時も含め、送料無料といったサービスが登場し、ネットでの購入がしやすくなっています。
一見、強力な競合が存在しても、「すみ分け」により共存しているケースは、しばしばみられます。しかしそれは、あくまでも一定の時点でそうなっているわけで、未来永劫そのままだという保証はありません。
特に一方が、成長拡大に貪欲な場合、その「すみ分け」は必ず崩される運命にあります。現時点で「すみ分け」ているからといって、決して安心してはいけません。
逆に、攻める立場にあるのなら、「すみ分け」説に束縛される必要もありません。今回の記事は、「普段づかい消費の獲得は一段の成長を目指すには不可欠だ」としています。
「守り」と「攻め」のどちらの視点から見ても、「すみ分け」は一時的な紳士協定に過ぎず、ある意味、幻想なのです。そのくらいに思っていて、ちょうどよいのではないでしょうか。
【今日の教訓】
もしあなたの企業の事業が競合他社と「すみ分け」しているとしたら、いつでもそれが崩れるであろうことを覚悟しておく必要がある。「守り」「攻め」の両方の視点で、「すみ分け」を見直してみよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2008.12.01【1面】>
Posted by HANK@森 at 17:49│Comments(0)
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