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HANK@森
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銀座コーチングスクール代表、株式会社アンテレクト・取締役副社長、週末起業フォーラム・チーフコンサルタントです。2005年12月から大阪事務所を構え、月のうち1週間程度を大阪で過ごしています。 中小企業の戦略経営コンサルティングを80社以上。週末起業フォーラム・チーフコンサルタントとして、年間200件程度の相談に対応&コーチング。銀座コーチングスクールのカリキュラム体系の構築、個人の体験を掘り下げ、自己基盤を確立しながらセッション力を高める独自メソッド「CASPARモデル」を開発。メルマガ「経営戦略考」を発行し、読者数約5万。
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Posted by オオサカジン運営事務局 at

2009年06月29日

ネット対戦型ボウリングが人気

6/10に大阪での開催からスタートした『新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー』は、先週金曜日に5箇所目の名古屋で開催し、無事終えることができました。

セミナーの中で、特に強調させていただいたのは、日経記事に掲載されている各企業の施策は、どのような発想から生まれたのかを、自ら考えてみるということです。

発想のプロセスを解明し、それを自らなぞることができれば、自分自身の仕事にも応用できます。日経記事には、その「発想のプロセス」が記されているケースが多いので、非常に助かります。

6月29日付けの日経MJ(流通新聞)に、「遊技施設運営のラウンドワンが昨年8月から導入したネット対戦形式で行うボウリングの利用が好調だ」という記事が掲載されています。

この「ネット対戦ボウリング」は、「全国のラウンドワンの店舗で同時にプレーしている人」が対戦相手となります。スコアのアベレージで対戦相手が自動的に選ばれるので、レベルが同程度で、楽しめます。

記事によれば、「一人でも気軽に同じレベルの相手と対戦できることで、繰り返し利用する人が多く、リピート率は25日現在で70%に達している」そうです。登録会員数が85万人を超えているというから、大成功と評価してよいでしょう。

このアイデアの元について、記事は「開発のきっかけはラウンドワンの中にあるゲームコーナー」だとしています。「ネット対戦を取り入れていたゲーム機器からヒントを得た」ことで、ボウリングのネット対戦を実現しました。

ネット対戦型ゲームの仕組みをボウリングに取り入れたものだということは、記事の指摘を待たずともわかりやすいですね。ですが、記事にしっかりと書いてあると、安心します。

何か新しい取り組みが始まったことが記事で報道された場合、なぜもっと早くそうしなかったのか、についても考えてみるとよいでしょう。そのことについては、記事の解説がないと、わかりにくいかも知れません。

記事は「ボウリングはグループで楽しむものという既成概念にとらわれず1人プレーの仕組みをつくれば、同じような市場はあるとの仮説を立てた」としています。

ゲームをやるなら、一人でやるよりも、誰かと対戦した方がおもしろい。だからこそ、対戦型に価値があります。ですがボウリングは、そもそもグループで楽しむものだから、ネット対戦する意味がありません。それが既成概念だということです。

では、この既成概念は、どのように打ち破られたのでしょうか。世の中全般に、「お一人様」市場が注目されていることがあります。一人でボウリングを楽しみたい人は、きっと多いはず、と推測できたのかも知れません。

とは言え、顧客データを分析し、実際に一人でボウリングをしている人が多いかどうかは、確かめにくかったかのではないでしょうか。ネット
対戦ボウリングのサービスが生まれるまで、その市場は顕在化しなかったからです。

冒頭で述べたセミナーで、ある参加者の方から、記事を読み取る感性を鍛えるにはどうしたらよいか、という質問がありました。その際、記事の文章の一言一句まで、こだわりながら読むことだ、と回答させていただきました。

今回の記事では、「仮説を立てた」という表現が使われています。既に1人プレーの市場が拡大しているのであれば、「仮設」という表現は使わないでしょう。市場が拡大(顕在化)している場合、ネット対戦は、1人プレーする人たちへの付加サービスに過ぎなくなってしまいます。

ネット対戦ゲームが支持されるなら、ネット対戦ボウリングも支持されるはず。そのような仮説が、見事的中したのです。ネット対戦ゲームが存在したからこそ、ネット対戦ボウリングというアイデアも浮かび、成功する確率は高いと読んだわけですね。

では、もし、ネット対戦ゲームが普及しないまま、いきなりネット対戦ボウリングが登場したらどうでしょうか。利用者は戸惑ったのではないでしょうか。ネット対戦ゲームという下地があってこそのネット対戦ボウリングなのだと思います。

そうだとすると、新聞報道などをきっかけに、類似他業界の仕組みを真似るというのは、ゼロからオリジナルなアイデアを立ち上げるより、賢明だと言えますね。

【今日の教訓】
あなたの企業では、他業界で成功している仕組みを自社に取り入れるのに、どれほど貪欲だろうか。全く新しい仕組みを自社で開発するより、既に他業界で成功している仕組みを取り入れた方が、成功確率が高いかも知れない。

<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.06.29【17面】>
  


Posted by HANK@森 at 17:48Comments(0)ビジネス

2009年06月18日

資格取得の模擬試験を無料で受けられる!

商品を開発するにあたっては、ターゲット顧客のウォンツやニーズをしっかりと把握する必要があります。欲しくないもの、必要のないものは、誰も買ってくれません。

「欲しい」「必要」について、さらに細かく考えていくと、その度合がどの程度なのか、という話になります。代金を支払う“苦痛”と見合うかどうかです。金を払ってまで「欲しい」「必要」なのか、考えなくてはなりません。

また、「欲しい」「必要」の度合は、常に一定だというわけでもありません。TPOに応じて変化します。たとえば砂漠の中を何日もさまよえば、水に対する「欲しい」「必要」は、極限まで高まります。

商品を売るのなら、「欲しい」「必要」の状態が高まった時点で、タイミングよく提供するのが賢いやり方となります。かと言って、その時が来るまで待つのもしんどいものです。

そこで、「欲しい」「必要」という想いを高めるべく、さまざまな工夫や仕掛けを施すわけです。

6月18日付けの日経産業新聞に、「資格学校を運営する東京リーガルマインド(LEC)は無料で受けられる模擬試験を8月から始める」という記事が掲載されています。

既に4月に試験的に実施したのだそうです。その結果、「事前の想定を上回って新規の入会、受講者が増えている」とのことです。販促効果があると判断し、本格的に展開することになりました。

無料のサービスを提供することで、見込み客リストを構築するというのは、よく使われる手です。とは言え、そのサービスのあり方によって、顧客獲得に結びつけやすかったり、そうでなかったりすることがあります。今回の記事のケースは、どうでしょうか。

模擬試験を受ければ、自分の実力がわかります。LECの場合、現時点では「採点や順位付け」がなされるだけですが、将来的には「合格率を示して合否判定を行うことも検討している」そうです。

実力がわかれば、合格という目標を達成するための課題もわかります。何をしたらいいのかがはっきりすれば、人間、俄然とモチベーションが上がるものです。

モチベーションが上がった時点こそ、すなわち「欲しい」「必要」という想いが高まったタイミングとなります。試験結果を基に、「オススメ」講座でも提示されれば、申し込みたくもなるというものでしょう。

需要を喚起するとは、たとえばLECのこの取り組みのようなことをいうのでしょう。この取り組みについて言えば、見込み客がこれから何をすべきか、そのアクションを明確に認識させる仕掛けとなっています。

見込み客が商品を買わなかった主な理由の一つとして、意外なことに、「買ってくれと言われなかったから」というものがあります。「買う」というアクションをとるべきことを伝えなかったということです。

「買ってくれ」は、顧客に対して外部から働きかけるコミュニケーションで、言ってみれば「外圧」です。一方、模擬試験を受験した結果からわき上がる、「講座で勉強しなくては」という思いは、「内発的」なものです。

販促DMのような「外圧」だけでなく、「内発」の仕掛けが奏功したことが、LECの受講者増の要因だと考えることができるでしょう。見込み客のリスト構築にあたっては、その仕掛けをどう組み込むか、よく考えるべきではないでしょうか。

【今日の教訓】
あなたの企業では、見込み客を集めるにあたり、彼らの内発的な購買モチベーションを高めるために、どのような仕掛けを用意しているだろうか。外圧一辺倒ではなく、内発を誘導することを考えてみよう。

<情報源:日経産業新聞 2009.06.18【17面】>

  


Posted by HANK@森 at 12:46Comments(0)ビジネス

2009年06月16日

最近のレトルトカレー、おいしいですよね。

どうすれば、商品を買ってもらえるのか。どの企業も、頭を悩ませている課題でしょう。品質を向上させたり、価格を下げたりと、打ち手をいろいろと考えてみたりします。

品質と価格については、商品そのものに焦点を当てた対策ですが、商品が売れるようになる要因は、他にもたくさんあります。たとえば「時流」というものがあります。

特定商品の魅力の度合は、環境の変化に連動します。つまり、魅力度が常に一定だということはないのです。景気やライフスタイルが変われば、今まで脚光を浴びなかった商品が注目されたりします。

また、商品の魅力度が高くても、十分に認知されなければ、なかなか買ってもらえません。セールスプロモーションの技術が問われる場面です。市場を啓蒙する必要もあるでしょう。

6月14日付けの日経MJ(流通新聞)に、「レトルトカレー市場が拡大している」という記事が掲載されています。よく売れているらしいです。このケースでの要因は何でしょうか。

記事によれば、まず、「景気後退に伴い外食を控えて自宅で食事をする消費者が増えたことや、パスタやパンの値上げで相対的に値段の安い米が見直されたことが背景にある」とのことです。

これは「時流」という要因です。「2008年の市場規模は前年比7.7%増の765億円」だそうです。2009年については、さらに「4.6%増の800億円を予想」されています。

元々、日本人はカレーが好きだということがありますし、時流の追い風もあるのですが、メーカーの努力もあります。レトルトカレー以外でも
自宅で食事するとなれば、選択肢は他にもあります。

記事の中で興味を引いたのは、「レトルトカレーの課題は『おいしくないと思い込んでいる人が少なくない』」という、ハウス食品担当者の言葉です。

私自身、レトルトカレーは結構好きで、そのような認識はなかったのですが、世の中一般では、そうなのかも知れません。ですが、「今は格段においしくなっている」と、記事は伝えています。

そのような認識を改めるためには、やはり「試食販売」を行なうべきだという話になります。明治製菓の担当者は、「食べてみておいしさを知り、繰り返し購入する人もいる」とコメントしています。

記事によれば、「何かのきっかけでおいしさを実感し、その後繰り返し購入する消費者が増えつつある」とのことです。マーケティングをするなら、この「きっかけ」の機会を演出することに知恵を絞る必要があるわけです。

試食がきっかけというのは、わかりやすいですが、時流もまた、きっかけとなり得ます。たとえば記事は、「レトルトカレーが保存食として見直されている」と伝えています。

災害や、昨今の新型インフルエンザの流行が、「保存食」への注目を高めるわけですが、それらも「きっかけ」です。企業努力によるものなのか、単に時流によるものなのか、判別しがたい面もありますが、商品が従来よりも売れるようになるには、何らかの「きっかけ」が必要であることは明らかです。

では、何が「きっかけ」となるのでしょうか。インフルエンザ流行でマスクが爆発的に売れるといった、わかりやすいケースもありますが、そうでない場合もあります。レトルトカレーについては、比較的わかりにくい部類に属するかも知れません。

商品が大きく売れる「きっかけ」を解明することは、マーケティング担当者にとって、重要な課題であり、洞察力や発想力が問われる場面です。少なくとも、「きっかけ」を解明しようという意識を、常に持ち続けておくべきであることは、間違いないはずです。

【今日の教訓】
あなたの企業の商品の売れ行きが向上するとしたら、何がその「きっかけ」となり得るだろうか。漫然と売れ行き動向を追いかけるだけではいけない。常にその「きっかけ」を解明する努力を続けよう。

<情報源:日経MJ(流通)新聞 2009.06.14【2面】>

  


Posted by HANK@森 at 00:23Comments(0)ビジネス

2009年06月09日

絵画の価格をサイズで決める

週末起業フォーラム会員に対するメールでのコンサルティングを行なっています。よくある質問として、「この商品・サービスは、価格をいくらにしたらよいでしょうか」というものがあります。

基本的には、同業他社を調べて相場を把握することと、かかる原価・経費を積み上げてみることの両面で考えるようにアドバイスします。商品・サービスの種類が多岐にわたる、あるいはカスタムメイドの場合は、積算基準も設定する必要があります。

いずれにしろ、価格設定というのは、悩ましい問題です。積算基準を設定して見積もってみると、一部の商品については妥当な価格水準となるが、他の商品については不適切、といったことがあり得ます。

積算の基準は、いわゆる「○○あたり」のような設定になるのが一般的でしょう。コンサルティングやコーチングなら、「1時間あたり」あるいは「1ヶ月あたり」といった具合です。

コンサルティング/コーチングのようなサービスの場合、誰もが認める積算基準が存在するわけではありません。ベテランと駆け出しとで、価格が全く同じというのもおかしいでしょう。

物販でも、絵画のような美術品では、価格設定は明快ではありません。コンサルタントやコーチのように、アーチストの技量は千差万別ですし、作品ごとの評価もまちまちとなりがちです。ですが、基準を設定しようと思えば、できないことはないようです。

6月9日付けの日経産業新聞に、カヤックという会社が運営する「アートメーター」というサイトについての記事が掲載されています。このサイトは、「絵画の寸法で販売価格が決まる方式に特徴がある」のだそうです。

この記事の趣旨は、アートメーターが「海外展開に乗り出す」ということです。「日本文化に興味を持つ外国人からの購入希望があり、需要が高まると判断した」という背景があります。

ですが、今回は、「絵画の寸法で販売価格が決まる」という点に着目したいと思います。上述のように、価格を決定する基準は悩ましいと思うからです。

実を言えば、寸法で絵画の価格を決めるというのは、アートメーターの専売特許というわけではありません。「号あたりいくら」という目安は、以前から知られています。(もちろん、画家のレベルにより、「号あたり」の価格水準は変動します)

実際のところ、どうなのでしょうか。サイズが大きければ、絵の具やキャンバスの価格(原価)は高くなります。ですが、高額な絵画の価格からすれば、誤差の範囲程度の話です。

絵を描く手間については、やはり大きい方がかかりそうです。とは言え、2倍のサイズの絵を描くのに、2倍の時間がかかるというわけではないようです。逆に、極端に小さいサイズの絵を描く方が、よほど手間がかかります。

このように、サイズで価格を決めるのは、現実のところ、原価からみた妥当性は、必ずしも高くありません。ですが視点を変え、買い手の立場からみると、非常にわかりやすい価格積算方式だということになります。

アートメーターのサイトをみると、「絵の測り売り」と謳っていて、記事で述べられているように、それを特徴として打ち出しています。価格が「わかりやすい」ことは、アドバンテージなのです。

一皿100円の回転寿司は、価格のわかりやすさが支持され、日本人(そして世界中で)の外食に大きな影響を与えました。「時価」のような不透明性を排除したアイデアの勝利だと言えるでしょう。

絵画もまた、かつての寿司と同じように、素人には、いくらなのか見当がつかない商品であったりします。価格決定の透明性を高める余地があるわけです。

商品・サービス価格の決定は悩ましく、価格設定基準も明確にしたいという気持ちは、売り手側が抱える問題です。ですが一方、実は買い手にも、それは求められているのです。

特に「わかりやすい」ことが必要ですね。その観点で、価格水準のみならず、価格設定方法の透明性についても、考え直してみてはどうでしょうか。

【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービスの価格設定基準は、顧客からみてわかりやすいものだろうか。「○○あたりいくら」のように、思いっきりわかりやすくするだけでも、自社の特徴を強力に打ち出していくことができる。見直してみよう。

<参考:日経産業新聞 2009.06.09【4面】>

  


Posted by HANK@森 at 17:11Comments(0)ビジネス

2009年06月04日

「取りこぼし」の痛手は往復ビンタ

不景気にあって、売上を確保することは容易ではありません。どの企業も、そのために知恵を絞っています。たとえば食品スーパーでは、値下げを効果的に行なっています

やはり、値下げするに限るのでしょうか。いや、別の考え方もあるに違いありません。値下げして需要を刺激する前に、取りこぼし、すなわち機会損失を防止することも必要でしょう。

6月4日付けの日経産業新聞に、「オートバックスセブンとイエローハットのカー用品大手2社が、集客策に一段と力を入れている」という記事が掲載されています。新車販売が落ち込み、カー用品の業界にも、その影響があるとのことです。

イエローハットがとっている対策は、「タイヤ売り場を抜本的に見直した」ことです。具体的には、タイヤ売り場の面積を広げ、品揃えを充実しています。

なぜ、タイヤなのでしょうか。イエローハットの社長によれば、「タイヤは確実な需要が見込めるうえ、シェアを拡大することで販売数量も伸ばせる」とのことです。

「確実な需要が見込める」商品は、取りこぼしてはいけません。不景気における売上確保対策として、欠かせない着眼点です。景気によって需要が左右される商品は、不景気時には狙いにくいものです。

一方、この対策の割を食う存在が、ガソリンスタンドです。セルフサービスのガソリンスタンドが増えていることで、「タイヤの販売数量も減っている」。イエローハットは、その需要を確実に取り込むことを狙っているのです。

ガソリンスタンドのセルフ化も値下げ策になりますが、その分、確実に需要が見込めるタイヤの販売を取りこぼしているとすれば、不景気時の売上確保対策としては、何とも皮肉な結果と言えるかも知れません。(もっとも、ガソリンも確実に需要が見込める商品ですが)

記事が取り上げているもう一社、オートバックスの取り組みは、「車検サービスの拡充」です。「店舗に併設する車検工場を増やし、車検のために来店した客にカー用品を売る」のが狙いです。

「車検はタイヤ同様に定期的な需要が見込める」と記事は指摘しています。確実に定期的な需要が見込める商品に着目するという点で、やっていることは違いますが、同じ発想で取り組んでいるのが興味深いです。

販売の機会損失には、単純に商品が購入されない場合と、他社で購入されるケースの両方が考えられます。確実に需要が見込まれる商品の場合、必ずどこかで購入しなければならないので、後者に該当します。

「取りこぼし」という言葉のニュアンスは、後者の意味合いの方が強いでしょう。「取りこぼし」には、「もったいない」という気持ちが込められていますが、まったく購入されないなら、そのような気持ちは起きにくいでしょう。

だとすると、販売における「取りこぼし」は、単純に自社の収益のマイナスになるだけでなく、ライバルにとってのプラス収益になってしまうわけです。その点、「取りこぼし」の発生は、往復ビンタの痛手なのです。

イエローハットの社長が「シェアを拡大すること」に言及したのは、その意味があります。「取りこぼし」については、単なる「売り逃し」以上の深刻さで受け止めなければならないのです。

【今日の教訓】
あなたの企業では、売上確保対策として、どのような手を打っているだろうか。確実に需要の見込める商品については、「取りこぼし」のないようにすることだ。「取りこぼし」は、ライバルを利し、シェアの低下を招く。深刻に受け止めよう。

<参考:日経産業新聞 2009.06.04【14面】>
  


Posted by HANK@森 at 16:59Comments(0)ビジネス

2009年06月03日

人気のある求職者がわかるシステム

昨日の当ブログでは、新聞記事の読み解く際は、フレームワークを当てはめてみるとよいとお奨めしました。もう少し大きくとらえ、ビジネス書等で学んだ理論やノウハウを当てはめるといったことでもよいでしょう。

記事を読み、「どこかで読んだような気がする」と気づくと、当てはめることがしやすくなります。昨日も指摘したように、双方の「共通点」や「類似性」をどれだけ発見できるかは、発想力を発揮するポイントです。

しばらく前に、「『みんなの意見』は案外正しい」という本を読みました(ジェームズ・スロウィッキー著、角川書店)。そして今日は、この本を思い出させてくれる記事をみつけました。

6月3日付けの日経産業新聞に、「求人サイト向けの新しい検索システム」が開発されたという記事が掲載されています。ホットリンクというソフトウエア開発会社によるものです。

このシステムでは、条件を設定して、求人企業が自社に合った求職者を探すことができるのですが、その際、その求職者に対する他社の動きも知ることができます。

それにより、「他社の動向を参考に求職者の人気などを確かめることができ、効果的に採用につなげられる」とのことです。人気のある求職者なら、アプローチする価値はあるはずだと確認できます。

採用への自信なさげな姿勢は、いかがなものかと思わないでもありませんが、「『みんなの意見』は案外正しい」と考えると、理に適った話なのかも知れません。

このシステムでは、「相手の企業がほかにどんな人材を候補に挙げているのかも表示する」そうです。「同じ人材を採用しようとしている会社の動向を確認することで、条件による絞り込みだけでは取りこぼしていた人材を発掘できる」効果があるのだそうです。

これは、「この本を買った人は・・」のアマゾンの仕組みと同様ですね。この人材を採用しようとしている企業は、この人材にもアプローチしています、という情報に読み換えることができます。結果として、芋づる式に本や人材に次々と当たっていくことになるわけです。

このように、実は「みんなの意見」の原理は、マーケティングなどでも使われていることがわかります。「売れ筋ランキング」を掲示することが効果的だと言われますが、それも「みんなの意見」を集約したものです。

確かに、自分だけの考えでなく、他者の知恵を上手に活用するというのは、基本的に賢明な行動でしょう。それがシステム化され、さらにそれが「見える化」されたというわけです。

社内の業務を「見える化」することの重要性は、ここ何年も強調されてきました。今回の記事は、顧客同士の互いの振る舞いを「見える化」することでの効果を述べています。「見える化」、恐るべし、ですね。

学校の試験結果でも、成績を学内に貼り出されるとなると、勉強に対する緊張感が違ってきます。それもまた、「見える化」効果だと言えるでしょう。

考えてみれば、せっかくの「みんなの意見」も、それらが「見える化」されなければ、活用のしようがありません。「見える化」するなら「みんなの意見」として活用できるように仕立てることを考えてみるとよいのでしょう。


【今日の教訓】
あなたの企業で進めている「見える化」は、いったい誰のためのものだろうか。顧客視点での「見える化」を上手に進めることは、マーケティングにプラスの効果をもたらす。「見える化」を社内だけのことに留めていては、もったいない。

<参考:日経産業新聞 2009.06.03【4面】>
  


Posted by HANK@森 at 17:54Comments(0)ビジネス

2009年06月02日

大手百貨店は「非百貨店事業」で勝負する!

日経記事を読み解くには、フレームワークの在庫を持っておくことが重要です。フレームワークを記事に当てはめると、登場する企業が何をどうしようとしているのか、わかりやすくなります。

私が最もよく使うフレームワークは、「事業単位」の考え方です。フレームワークというより、戦略を考える上での大前提の考え方だと言った方がよいかも知れません。

業績を上げようと思うなら、儲かる事業単位に集中し、儲からない事業単位は、やめればよいのです。あるいは、成長が見込まれるかどうかという判断もあるでしょう。

そう考えると、実に簡単な話だ。ただ現実には、事業単位が相互に補完関係にあったりすると、どちらかをやめるということは、出来なくなったりします。そこが知恵のひねりどころであり、経営判断の妙ですね。

また、その手前の問題として、事業単位をどのように設定するかは、場合によっては悩ましいものです。製品別・市場別・販売チャネル別が基本となりますが、価格帯別やサイズ別といった、少しひねった観点も必要になったりします。

日経記事に登場する企業は、どのように事業単位を設定しているのでしょうか。そのような観点で記事を読み解いてみましょう。

たとえば6月2日付けの日本経済新聞に掲載されている大手百貨店の業績に関する記事がそうです。

「大手百貨店の2009年度の連結業績は不動産や金融など『非百貨店』事業で格差が開きそうだ」とあります。なるほど、「百貨店」と「非百貨店」という観点で、事業単位を分けて考えているわけですね。

日経記事を経営や仕事に活用する場合、記事を「抽象化」して考える必要があります。今回の記事の場合、自社は百貨店ではないから関係ない、としてしまえば、それで終わりです、ハイ。

ですが、抽象化して考えると、「メイン事業」と「非メイン事業」という分け方になるでしょう。そして、「非メイン事業」で企業間格差が生まれるというわけです。

百貨店なら百貨店事業で競うのが本来ではないでしょうか。この記事を読んだら、そんな「驚き」の感覚を抱いてもよいと思います。(日経記事に、いちいち感動したり驚いたりしながら読むと、情報感性が高まります。たぶん(^^;)。)

では、自社についてはどうでしょうか。「メイン事業」で他社としのぎを削っています。ですが実は、「非メイン事業」を無視してはいけないのかも知れません。意外とそれが、利益の源泉であったりもしそうです。

同じようなことで、ハンバーガーショップが、「メイン商品」と思われるハンバーガーではなく、ポテトやドリンクで利益を稼いでいるという話も聞きます。(全く違うことのようで、実は共通点があることを見出せるようになると、かなり発想力が鍛えられていると言えます)

私が以前にコンサルした企業でも、メイン商品でないと軽視されていたものが、後になって大化けした例があります。事業単位としては「その他」とくくられていたのですから、すっかり見落としていたわけですね。

今回の記事は、「高島屋が不動産開発事業を第2の柱に位置づけるなど、非百貨店事業を強化する動きが広がるとみられている」と結んでいます。

メイン事業・非メイン事業というくくりは、あくまでもその時点のことであり、場合によっては思い込みや思い入れだったりもします。売上実績データなどを丹念に洗っていくと、もしかしたら将来のメイン事業となり得る事業単位が埋もれているのを発見するかも知れないですよ。

【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の事業単位をどのように設定しているだろうか。「非メイン」とみなしている事業単位を、おろそかに扱っていたりはしないだろうか。メイン・非メインの区分は、現時点でのものに過ぎない。将来の飯の種を見逃さないようにしよう。

<参考:日本経済新聞 2009.06.02【15面】>


効果絶大!新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー

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今回のセミナーでは、私の新聞記事の読み方をご紹介すると共に、そこから新たなビジネス発想を生むための具体的な手法や事例を惜しみなくお伝えします。
  


Posted by HANK@森 at 19:27Comments(0)ビジネス