【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年06月03日
人気のある求職者がわかるシステム
昨日の当ブログでは、新聞記事の読み解く際は、フレームワークを当てはめてみるとよいとお奨めしました。もう少し大きくとらえ、ビジネス書等で学んだ理論やノウハウを当てはめるといったことでもよいでしょう。
記事を読み、「どこかで読んだような気がする」と気づくと、当てはめることがしやすくなります。昨日も指摘したように、双方の「共通点」や「類似性」をどれだけ発見できるかは、発想力を発揮するポイントです。
しばらく前に、「『みんなの意見』は案外正しい」という本を読みました(ジェームズ・スロウィッキー著、角川書店)。そして今日は、この本を思い出させてくれる記事をみつけました。
6月3日付けの日経産業新聞に、「求人サイト向けの新しい検索システム」が開発されたという記事が掲載されています。ホットリンクというソフトウエア開発会社によるものです。
このシステムでは、条件を設定して、求人企業が自社に合った求職者を探すことができるのですが、その際、その求職者に対する他社の動きも知ることができます。
それにより、「他社の動向を参考に求職者の人気などを確かめることができ、効果的に採用につなげられる」とのことです。人気のある求職者なら、アプローチする価値はあるはずだと確認できます。
採用への自信なさげな姿勢は、いかがなものかと思わないでもありませんが、「『みんなの意見』は案外正しい」と考えると、理に適った話なのかも知れません。
このシステムでは、「相手の企業がほかにどんな人材を候補に挙げているのかも表示する」そうです。「同じ人材を採用しようとしている会社の動向を確認することで、条件による絞り込みだけでは取りこぼしていた人材を発掘できる」効果があるのだそうです。
これは、「この本を買った人は・・」のアマゾンの仕組みと同様ですね。この人材を採用しようとしている企業は、この人材にもアプローチしています、という情報に読み換えることができます。結果として、芋づる式に本や人材に次々と当たっていくことになるわけです。
このように、実は「みんなの意見」の原理は、マーケティングなどでも使われていることがわかります。「売れ筋ランキング」を掲示することが効果的だと言われますが、それも「みんなの意見」を集約したものです。
確かに、自分だけの考えでなく、他者の知恵を上手に活用するというのは、基本的に賢明な行動でしょう。それがシステム化され、さらにそれが「見える化」されたというわけです。
社内の業務を「見える化」することの重要性は、ここ何年も強調されてきました。今回の記事は、顧客同士の互いの振る舞いを「見える化」することでの効果を述べています。「見える化」、恐るべし、ですね。
学校の試験結果でも、成績を学内に貼り出されるとなると、勉強に対する緊張感が違ってきます。それもまた、「見える化」効果だと言えるでしょう。
考えてみれば、せっかくの「みんなの意見」も、それらが「見える化」されなければ、活用のしようがありません。「見える化」するなら「みんなの意見」として活用できるように仕立てることを考えてみるとよいのでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業で進めている「見える化」は、いったい誰のためのものだろうか。顧客視点での「見える化」を上手に進めることは、マーケティングにプラスの効果をもたらす。「見える化」を社内だけのことに留めていては、もったいない。
<参考:日経産業新聞 2009.06.03【4面】>
記事を読み、「どこかで読んだような気がする」と気づくと、当てはめることがしやすくなります。昨日も指摘したように、双方の「共通点」や「類似性」をどれだけ発見できるかは、発想力を発揮するポイントです。
しばらく前に、「『みんなの意見』は案外正しい」という本を読みました(ジェームズ・スロウィッキー著、角川書店)。そして今日は、この本を思い出させてくれる記事をみつけました。
6月3日付けの日経産業新聞に、「求人サイト向けの新しい検索システム」が開発されたという記事が掲載されています。ホットリンクというソフトウエア開発会社によるものです。
このシステムでは、条件を設定して、求人企業が自社に合った求職者を探すことができるのですが、その際、その求職者に対する他社の動きも知ることができます。
それにより、「他社の動向を参考に求職者の人気などを確かめることができ、効果的に採用につなげられる」とのことです。人気のある求職者なら、アプローチする価値はあるはずだと確認できます。
採用への自信なさげな姿勢は、いかがなものかと思わないでもありませんが、「『みんなの意見』は案外正しい」と考えると、理に適った話なのかも知れません。
このシステムでは、「相手の企業がほかにどんな人材を候補に挙げているのかも表示する」そうです。「同じ人材を採用しようとしている会社の動向を確認することで、条件による絞り込みだけでは取りこぼしていた人材を発掘できる」効果があるのだそうです。
これは、「この本を買った人は・・」のアマゾンの仕組みと同様ですね。この人材を採用しようとしている企業は、この人材にもアプローチしています、という情報に読み換えることができます。結果として、芋づる式に本や人材に次々と当たっていくことになるわけです。
このように、実は「みんなの意見」の原理は、マーケティングなどでも使われていることがわかります。「売れ筋ランキング」を掲示することが効果的だと言われますが、それも「みんなの意見」を集約したものです。
確かに、自分だけの考えでなく、他者の知恵を上手に活用するというのは、基本的に賢明な行動でしょう。それがシステム化され、さらにそれが「見える化」されたというわけです。
社内の業務を「見える化」することの重要性は、ここ何年も強調されてきました。今回の記事は、顧客同士の互いの振る舞いを「見える化」することでの効果を述べています。「見える化」、恐るべし、ですね。
学校の試験結果でも、成績を学内に貼り出されるとなると、勉強に対する緊張感が違ってきます。それもまた、「見える化」効果だと言えるでしょう。
考えてみれば、せっかくの「みんなの意見」も、それらが「見える化」されなければ、活用のしようがありません。「見える化」するなら「みんなの意見」として活用できるように仕立てることを考えてみるとよいのでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業で進めている「見える化」は、いったい誰のためのものだろうか。顧客視点での「見える化」を上手に進めることは、マーケティングにプラスの効果をもたらす。「見える化」を社内だけのことに留めていては、もったいない。
<参考:日経産業新聞 2009.06.03【4面】>