【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年07月30日
ポメラの開発ストーリー
つい数日前、キングジムの電子メモ帳「ポメラ DM10」を購入しました。コーチングのクライアントが既に購入していて、非常に便利に使っているという話を聞き、興味をそそられたのが、きっかけです。
さらに、弊社の女性社員も使い始めていました。
文章を書くことが非常に多いので、起動時間が短く、いつでもどこででも原稿作成できるというのは、魅力的ですね。
使い始めたばかりの製品が日経記事で取り上げられると、つい嬉しくなって読んでしまいます。
7月30日付けの日経産業新聞は、この「ポメラ DM10」がヒットしている、という記事が掲載されています。
昨年11月にリリースされた製品なのですが、「6月末までに当初の年間目標の2倍の6万個を売り、初年度の販売目標を10万個に上方修正した」そうです。
ヨドバシカメラ(秋葉原)の担当者は、「飛ぶように売れている」とさえコメントしています。
「30~50代の男性」が、「会議の議事録作成など仕事はもちろん、外出先での空き時間にブログ用の記事や俳句を書き留めるなど幅広い用途に使う人が多い」とのことです。
記事は、この製品の開発にまつわるストーリーを紹介しています。
開発担当者は「他社製品をまねず、ありそうでなかった商品を開発したことがヒットに結びついた」とコメントしています。
商品化を検討した段階では、「経営陣はヒットを予想できなかった」のだそうですが、開発担当者以外に、社外取締役の大学教授が「今すぐでも買いたい。ぜひ商品化すべき」と主張し、ゴーサインが出たとのことです。
キングジムの宮本彰社長の決断は、「少人数でも飛びついてもらえる商品ならヒットする」との考えからだったそうです。
記事は、「10万個売るにしても、日本人1000人に1人が買えば達成できる数字。皆に気に入られる必要はない」と解説しています。
なかなかの見識だと思います。
大勢の人に、そこそこ気に入られるのではなく、一部の人に、熱狂的に支持されるような製品。開発にあたってのコンセプトの着眼点として、有効だと思います。
このブログでも、以前、分野を特化した「趣味性が強い」クルマの新雑誌創刊が相次いでいるという記事を取り上げたことがあります。
根強いファンを大事にする点では、ポメラのケースと類似していますね。
興味深いのは、「ポメラを販売している家電量販店では現在、陳列場所が電子辞書売り場だったり、パソコン売り場だったりとまちまち」だという点です。
キングジムの宮本社長は「他社が思いつかないような商品を生み出す『規格外の発想が大事』ともコメントしています。どの売り場で売ったらよいのかがわからないというのは、まさに規格外発想であることを象徴しています。
この記事では、「プラスが2007年末に発売した『ケシポン』」という製品にも言及しています。「スタンプを押すだけではがきに記された名前や住所を隠せる」というヒット商品で、「『個人情報保護用文具』という新たな市場をつくり出した」と述べています。
「一部の人に熱狂的に支持される」「どの売り場に置いたらよいか、わからない」「新たな市場をつくりだす」といったフレーズは、開発企画の着眼点・評価基準として、有効なのでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が画期的な新製品を開発するとしたら、それはどのようなものとなるだろうか。もしそれが「一部の人に熱狂的に支持される」「どの売り場に置いたらよいか、わからない」「新たな市場をつくりだす」ものだとすれば、かなり画期的だ。これらの観点で、開発のアイデアをひねってみよう。
<参考:日経産業新聞 2009.07.30【7面】>
さらに、弊社の女性社員も使い始めていました。
文章を書くことが非常に多いので、起動時間が短く、いつでもどこででも原稿作成できるというのは、魅力的ですね。
使い始めたばかりの製品が日経記事で取り上げられると、つい嬉しくなって読んでしまいます。
7月30日付けの日経産業新聞は、この「ポメラ DM10」がヒットしている、という記事が掲載されています。
昨年11月にリリースされた製品なのですが、「6月末までに当初の年間目標の2倍の6万個を売り、初年度の販売目標を10万個に上方修正した」そうです。
ヨドバシカメラ(秋葉原)の担当者は、「飛ぶように売れている」とさえコメントしています。
「30~50代の男性」が、「会議の議事録作成など仕事はもちろん、外出先での空き時間にブログ用の記事や俳句を書き留めるなど幅広い用途に使う人が多い」とのことです。
記事は、この製品の開発にまつわるストーリーを紹介しています。
開発担当者は「他社製品をまねず、ありそうでなかった商品を開発したことがヒットに結びついた」とコメントしています。
商品化を検討した段階では、「経営陣はヒットを予想できなかった」のだそうですが、開発担当者以外に、社外取締役の大学教授が「今すぐでも買いたい。ぜひ商品化すべき」と主張し、ゴーサインが出たとのことです。
キングジムの宮本彰社長の決断は、「少人数でも飛びついてもらえる商品ならヒットする」との考えからだったそうです。
記事は、「10万個売るにしても、日本人1000人に1人が買えば達成できる数字。皆に気に入られる必要はない」と解説しています。
なかなかの見識だと思います。
大勢の人に、そこそこ気に入られるのではなく、一部の人に、熱狂的に支持されるような製品。開発にあたってのコンセプトの着眼点として、有効だと思います。
このブログでも、以前、分野を特化した「趣味性が強い」クルマの新雑誌創刊が相次いでいるという記事を取り上げたことがあります。
根強いファンを大事にする点では、ポメラのケースと類似していますね。
興味深いのは、「ポメラを販売している家電量販店では現在、陳列場所が電子辞書売り場だったり、パソコン売り場だったりとまちまち」だという点です。
キングジムの宮本社長は「他社が思いつかないような商品を生み出す『規格外の発想が大事』ともコメントしています。どの売り場で売ったらよいのかがわからないというのは、まさに規格外発想であることを象徴しています。
この記事では、「プラスが2007年末に発売した『ケシポン』」という製品にも言及しています。「スタンプを押すだけではがきに記された名前や住所を隠せる」というヒット商品で、「『個人情報保護用文具』という新たな市場をつくり出した」と述べています。
「一部の人に熱狂的に支持される」「どの売り場に置いたらよいか、わからない」「新たな市場をつくりだす」といったフレーズは、開発企画の着眼点・評価基準として、有効なのでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が画期的な新製品を開発するとしたら、それはどのようなものとなるだろうか。もしそれが「一部の人に熱狂的に支持される」「どの売り場に置いたらよいか、わからない」「新たな市場をつくりだす」ものだとすれば、かなり画期的だ。これらの観点で、開発のアイデアをひねってみよう。
<参考:日経産業新聞 2009.07.30【7面】>
2009年07月30日
ポメラ、売れ行き好調のようです
7/30付けの日経産業新聞で紹介されています。
記事によれば、当初の年間目標の2倍、6万個が売れ、初年度の販売目標を10万台に上方修正するとか。
ちょっとショック(?)だったのが、携帯電話との互換性を持たせた新型を検討中という記述。(買うの、早まったか??)
そうなんですよ。
現行機では、携帯にデータを落とせないんです(涙)。
外出先で、ポメラでブログを書いて、携帯でブログを更新できるとありがたいんです。
記事によれば、当初の年間目標の2倍、6万個が売れ、初年度の販売目標を10万台に上方修正するとか。
ちょっとショック(?)だったのが、携帯電話との互換性を持たせた新型を検討中という記述。(買うの、早まったか??)
そうなんですよ。
現行機では、携帯にデータを落とせないんです(涙)。
外出先で、ポメラでブログを書いて、携帯でブログを更新できるとありがたいんです。
2009年07月30日
ギスギスした職場はなぜ変わらないのか
新作DVDの準備が出来ましたので、ここにご案内いたします。
今度の教材は、“職場の活性化”がテーマです。
ベストセラー『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』の、手塚利男先生の講演をDVDに収めました。
働きにくい職場を、どうすれば快適に働ける環境に変えられるか?
自分ひとりからでも気軽に始められる改善方法を、丁寧に実例をたくさん交えてお話いただきました。
※詳細はこちら【期間限定・応援特価!】≪サンプル動画あり≫
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090726.html
最近、世間に“ギスギスした職場”が増えています。
ギスギスした職場とは、例えば、
近くにいるのに会話・用件はほぼメールで済ます・・・
他人の仕事に興味がない、困っていてもお互い知らん顔・・・
などなど、そんな、なんだか息苦しい、「働きにくいな~」という雰囲気の職場です。あなたも、身に覚えがありませんか?
もちろん、好き好んでそんな環境で働きたい人はいないでしょう。
本当は誰だって楽しく働きたいはずなのに、嫌な雰囲気が放っておかれるのはなぜでしょう?
それは、
「自分ひとりが動いたところでムダ・・・」
と、諦めている人がすごく多いからです。
しかし、たったひとりの社員が会社を変えるきっかけになることは十分可能なのです。
せっかく仕事をするなら、嫌な雰囲気の職場より、イキイキしたオフィスで働きたいですよね。
そこで、ベストセラー『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』の手塚利男さんをお招きして、「職場の活性化」についてお話いただきました。
手塚さんは、風土改革コンサルタントとして、主にメーカー系企業を主体に風土改革の支援を行っていらっしゃいます。
手塚さんが「1人からでも改革は始められる」というのには、訳があります。
実は、手塚さん自身が、独立前に勤めていた自動車会社で全社の風土改革を推進して、大きな成果をあげたのです。
そんなわけで、今回教えていただいたのは、何も権限のある方向けのご立派なノウハウではありません。
私たちひとりひとりが、すぐに実践出来ることを中心に、沢山のテクニックをお話いただきました。
今の職場にちょっとでも悩みや不満があるなら、自分が会社を変えるきっかけとなるチャンスです。
今回も、もちろん≪期間限定≫特別感謝価格でのリリースです。どうぞ、お見逃しのないようにしてください!
※詳細はこちら【期間限定・応援特価!】≪サンプル動画あり≫
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最近、世間に“ギスギスした職場”が増えています。
ギスギスした職場とは、例えば、
近くにいるのに会話・用件はほぼメールで済ます・・・
他人の仕事に興味がない、困っていてもお互い知らん顔・・・
などなど、そんな、なんだか息苦しい、「働きにくいな~」という雰囲気の職場です。あなたも、身に覚えがありませんか?
もちろん、好き好んでそんな環境で働きたい人はいないでしょう。
本当は誰だって楽しく働きたいはずなのに、嫌な雰囲気が放っておかれるのはなぜでしょう?
それは、
「自分ひとりが動いたところでムダ・・・」
と、諦めている人がすごく多いからです。
しかし、たったひとりの社員が会社を変えるきっかけになることは十分可能なのです。
せっかく仕事をするなら、嫌な雰囲気の職場より、イキイキしたオフィスで働きたいですよね。
そこで、ベストセラー『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』の手塚利男さんをお招きして、「職場の活性化」についてお話いただきました。
手塚さんは、風土改革コンサルタントとして、主にメーカー系企業を主体に風土改革の支援を行っていらっしゃいます。
手塚さんが「1人からでも改革は始められる」というのには、訳があります。
実は、手塚さん自身が、独立前に勤めていた自動車会社で全社の風土改革を推進して、大きな成果をあげたのです。
そんなわけで、今回教えていただいたのは、何も権限のある方向けのご立派なノウハウではありません。
私たちひとりひとりが、すぐに実践出来ることを中心に、沢山のテクニックをお話いただきました。
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2009年07月29日
なぜhpがファッションブログのポータルサイトを開設するのか
「風が吹けば桶屋が儲かる」式に、何が要因で自社の商品・サービスが売れるのかを考えることは、マーケティングの仕組みを構築する上で不可欠です。
机の前でじっくり考え、頭の中での“空想”により、その仕組みを考えていくこともできるでしょう。その場合、ロジカルに考えていく力が求められます。とは言え、検証されているわけではないので、あくまでも仮説にとどまります。
一方、実際に売れた商品・サービスから逆算して、どのような仕組みで売れたのかを解明していく方法もあります。実際に売れているだけに、頭の中だけで考えるより、“精度”は高いでしょう。
時には、パッと見ただけでは、商品・サービスに結びつきにくい要因がマーケティングの仕組みを担う場合もあります。頭の中の“空想”なのか、それとも事実を解明した結果なのか。いずれにしろ、研究対象としては興味深いです。
7月29日付けの日経産業新聞に、「日本HP(ヒューレット・パッカード)は29日、ファッションブログのポータルサイトを開設する」という記事が掲載されています。
これは、「dress☆up!」というサイトなのですが、パソコンメーカーがファッション系サイトを運営するというのは、ちょっと意外な気がします。
記事によれば、「一般顧客からファッションをテーマにしたブログを募集、ブログ立ち上げの支援などを通じてパソコンの活用方法などを周知する」とのことです。
「個人向けノートパソコンの販売促進の一環で、ファッションに関心が高いとされる女性顧客の新規開拓につなげる狙い」ともあり、この説明で、ようやく、なるほどと思えてきます。
ジックとしては、「このサイトで自分のブログを立ち上げたい」→「PCが必要」→「HPのノートPCを購入する」という流れなのでしょうか。理解はできるが、何か唐突な気がしてしまいます。
そう思う人が多いと考えてのことと思いますが、件のサイトには「ヒューレット・パッカードとファッションの関わり」というリンクがあります。早速、そのページを確認してみました。このページにHP(hp)の主張が述べられています。
かいつまんで紹介すると、「hpは、PCが、ファッションのような個性を表現するための存在になってほしいと考えている」とし、非常にファッショナブルな製品として、「HP Mini 1000 VivienneTam Edition」が誕生したことが述べられています。
この製品は、「世界初のファッションブランドとの本格的コラボレーションの実現」であり、ターゲットは、ファッション業界者並びにファッション好きな女性だとのことです。この発想が、件のサイトの開設につながっているわけですね。
意図としては、スペックと価格の競争を回避し、差別化を図ることとなるでしょうか。上記のページは、「ファッションという『個性の表現』を、力強く応援し続けていきます」と結ばれていて、ターゲットを絞った訴求をしています。
売れる仕組みを構築するには、「ロジックの積み上げ」と「事実の検証」の両方があると先述しましたが、このケースのように、「差別化する主張の投げかけ」といった考え方もあるわけです。前二者と比較すると、かなり主体性の強い取り組みとなります。
自社製品とは、一見、関係がないようなサイトを開設することで、従来とは異なる、新たなイメージの構築を加速していく。ちょっとした冒険ですが、この意気込みは、応援したい気がしてきます。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の主張をどのように世の中に訴えかけているだろうか。その主張を具現化するサイトを立ち上げるなどすれば、より訴求力が高まるはずだ。ロジックや検証も大切だが、主張を投げかけるマーケティングについても、考えてみよう。
<参考:日経産業新聞 2009.07.29【5面】>
机の前でじっくり考え、頭の中での“空想”により、その仕組みを考えていくこともできるでしょう。その場合、ロジカルに考えていく力が求められます。とは言え、検証されているわけではないので、あくまでも仮説にとどまります。
一方、実際に売れた商品・サービスから逆算して、どのような仕組みで売れたのかを解明していく方法もあります。実際に売れているだけに、頭の中だけで考えるより、“精度”は高いでしょう。
時には、パッと見ただけでは、商品・サービスに結びつきにくい要因がマーケティングの仕組みを担う場合もあります。頭の中の“空想”なのか、それとも事実を解明した結果なのか。いずれにしろ、研究対象としては興味深いです。
7月29日付けの日経産業新聞に、「日本HP(ヒューレット・パッカード)は29日、ファッションブログのポータルサイトを開設する」という記事が掲載されています。
これは、「dress☆up!」というサイトなのですが、パソコンメーカーがファッション系サイトを運営するというのは、ちょっと意外な気がします。
記事によれば、「一般顧客からファッションをテーマにしたブログを募集、ブログ立ち上げの支援などを通じてパソコンの活用方法などを周知する」とのことです。
「個人向けノートパソコンの販売促進の一環で、ファッションに関心が高いとされる女性顧客の新規開拓につなげる狙い」ともあり、この説明で、ようやく、なるほどと思えてきます。
ジックとしては、「このサイトで自分のブログを立ち上げたい」→「PCが必要」→「HPのノートPCを購入する」という流れなのでしょうか。理解はできるが、何か唐突な気がしてしまいます。
そう思う人が多いと考えてのことと思いますが、件のサイトには「ヒューレット・パッカードとファッションの関わり」というリンクがあります。早速、そのページを確認してみました。このページにHP(hp)の主張が述べられています。
かいつまんで紹介すると、「hpは、PCが、ファッションのような個性を表現するための存在になってほしいと考えている」とし、非常にファッショナブルな製品として、「HP Mini 1000 VivienneTam Edition」が誕生したことが述べられています。
この製品は、「世界初のファッションブランドとの本格的コラボレーションの実現」であり、ターゲットは、ファッション業界者並びにファッション好きな女性だとのことです。この発想が、件のサイトの開設につながっているわけですね。
意図としては、スペックと価格の競争を回避し、差別化を図ることとなるでしょうか。上記のページは、「ファッションという『個性の表現』を、力強く応援し続けていきます」と結ばれていて、ターゲットを絞った訴求をしています。
売れる仕組みを構築するには、「ロジックの積み上げ」と「事実の検証」の両方があると先述しましたが、このケースのように、「差別化する主張の投げかけ」といった考え方もあるわけです。前二者と比較すると、かなり主体性の強い取り組みとなります。
自社製品とは、一見、関係がないようなサイトを開設することで、従来とは異なる、新たなイメージの構築を加速していく。ちょっとした冒険ですが、この意気込みは、応援したい気がしてきます。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の主張をどのように世の中に訴えかけているだろうか。その主張を具現化するサイトを立ち上げるなどすれば、より訴求力が高まるはずだ。ロジックや検証も大切だが、主張を投げかけるマーケティングについても、考えてみよう。
<参考:日経産業新聞 2009.07.29【5面】>
2009年07月28日
“抽象化”によりビジネスアイデアを生み出す。
起業あるいは新規事業ネタをチェックするポイントが、いくつかあります。その一つが、事業の発展性です。チェックにあたっては、既存市場・新規市場、既存商品・新規商品を軸にとった成長マトリクスを描いてみたりします。
当該ネタを既存市場・既存商品の象限に書きます。その上で、それが新規市場や新規商品に発展させることができるかどうかを考えてみます。非常にわかりやすいフレームワークです。
それとは別に、購買行動のリピート性についても、考えてみます。顧客はその商品を、反復・継続して購買されるだろうでしょうか。もしそうであれば、安定的に収益を見込むことができます。
では、リピート購買されない商品の場合はどうしたらよいのでしょうか。すぐにあきらめてしまうのではなく、リピート購買されるようなビネスモデルを描くことを考えてみます。
リピート購買されない商品の典型としては、たとえば「結婚披露宴」があります。原則として、一生に一度しか購買されず、「また次も、お願いします」とはなりませんね。
7月28日付けの日経産業新聞に、「帝国ホテルが2010年11月3日に開業120周年を迎える」という記事が掲載されています。現在、「宿泊の主役だった外国人ビジネス客の落ち込みが続く中、会員組織を中心に日本人の優良顧客の囲い込みを目指す」とのことです。
「囲い込み」は、顧客がリピート購買してくれるような仕組みをつくることを意味します。帝国ホテルの場合、120周年へ向けた改修にあたり、「客室を減らしてまで婚礼専用フロアの拡充に踏み切る」のだそうです。
単価の高い点は魅力的ですが、婚礼宴会そのものはリピート購買されません。ですが記事は「婚礼宴会の安定受注は将来の優良顧客の確保にもつながる」としています。
記事によれば、「2006年から『帝国ホテルで挙式をした』カップルを対象とする会員組織『インペリアルクラブグレース』を新設」し、「結婚記念日や出産など人生の節目ごとにホテルの利用を促」すとのことです。
「インペリアルクラブグレース」という会の名前には、ステータス意識をくすぐる魅力がありますね。既に「2万人超の会員を集めている」とのことで、興味深いことに、「15年前までさかのぼって会員を募集し」たそうです。
これは、購買をリピート化する仕組みとして、ヒントになるでしょう。「挙式」の概念を“抽象化”し、「人生の節目」と読み替えることで、リピート購買の機会を見出せるからです。
このような“抽象化”は、購買のリピート化も含め、ビジネスアイデアを生み出すには不可欠です。たとえば「住宅販売」ではなく「快適な住空間の提供」と“抽象化”した表現に読み替えれば、新たなアイデアが生まれます。
“抽象化”による発想法については、私が講師を務めた『新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー』でも、詳しく述べています。
顧客が欲しいのは「商品」そのものではなく、それによりもたらされる「便益」あるいは「価値」だと、よく言われます。“抽象化”する際の切り口として、「便益」「価値」を考えてみるとよいでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が取り組んでいるビジネスは、その概念をどのように“抽象化”することができるだろうか。“抽象化”すれば、発想の枠が大きく広がる。ビジネスモデルを刷新することも可能だ。
<参考:日経産業新聞 2009.07.28【18面】>
当該ネタを既存市場・既存商品の象限に書きます。その上で、それが新規市場や新規商品に発展させることができるかどうかを考えてみます。非常にわかりやすいフレームワークです。
それとは別に、購買行動のリピート性についても、考えてみます。顧客はその商品を、反復・継続して購買されるだろうでしょうか。もしそうであれば、安定的に収益を見込むことができます。
では、リピート購買されない商品の場合はどうしたらよいのでしょうか。すぐにあきらめてしまうのではなく、リピート購買されるようなビネスモデルを描くことを考えてみます。
リピート購買されない商品の典型としては、たとえば「結婚披露宴」があります。原則として、一生に一度しか購買されず、「また次も、お願いします」とはなりませんね。
7月28日付けの日経産業新聞に、「帝国ホテルが2010年11月3日に開業120周年を迎える」という記事が掲載されています。現在、「宿泊の主役だった外国人ビジネス客の落ち込みが続く中、会員組織を中心に日本人の優良顧客の囲い込みを目指す」とのことです。
「囲い込み」は、顧客がリピート購買してくれるような仕組みをつくることを意味します。帝国ホテルの場合、120周年へ向けた改修にあたり、「客室を減らしてまで婚礼専用フロアの拡充に踏み切る」のだそうです。
単価の高い点は魅力的ですが、婚礼宴会そのものはリピート購買されません。ですが記事は「婚礼宴会の安定受注は将来の優良顧客の確保にもつながる」としています。
記事によれば、「2006年から『帝国ホテルで挙式をした』カップルを対象とする会員組織『インペリアルクラブグレース』を新設」し、「結婚記念日や出産など人生の節目ごとにホテルの利用を促」すとのことです。
「インペリアルクラブグレース」という会の名前には、ステータス意識をくすぐる魅力がありますね。既に「2万人超の会員を集めている」とのことで、興味深いことに、「15年前までさかのぼって会員を募集し」たそうです。
これは、購買をリピート化する仕組みとして、ヒントになるでしょう。「挙式」の概念を“抽象化”し、「人生の節目」と読み替えることで、リピート購買の機会を見出せるからです。
このような“抽象化”は、購買のリピート化も含め、ビジネスアイデアを生み出すには不可欠です。たとえば「住宅販売」ではなく「快適な住空間の提供」と“抽象化”した表現に読み替えれば、新たなアイデアが生まれます。
“抽象化”による発想法については、私が講師を務めた『新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー』でも、詳しく述べています。
顧客が欲しいのは「商品」そのものではなく、それによりもたらされる「便益」あるいは「価値」だと、よく言われます。“抽象化”する際の切り口として、「便益」「価値」を考えてみるとよいでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が取り組んでいるビジネスは、その概念をどのように“抽象化”することができるだろうか。“抽象化”すれば、発想の枠が大きく広がる。ビジネスモデルを刷新することも可能だ。
<参考:日経産業新聞 2009.07.28【18面】>
2009年07月28日
伝える側の責任を全うすべし。
コミュニケーションの問題は、さまざまな形で現れます。話が通じないことで、イライラした経験のある人も多いでしょう。あるいは、誤って伝わってしまうこともあります。
基本的には、「伝える側の責任」と受け止めることが鉄則です。特に、「これくらい、言わなくてもわかるだろう」は禁物ですね。仲間内ですらそうなのですから、一般的な商品説明や広告文なら、なおのこと注意を要します。
わからないことがあり、質問をすると、「そこに書いてありますよ」と回答されることがあります。見落とした側が悪いような物の言い方ですが、「伝える側の責任」も大きいはずなのです。
7月27日付けの日経MJ(流通新聞)に、「味の素は顧客から寄せられた問い合わせやクレームの内容を社内で効率的に共有できるシステムを導入した」という記事が掲載されています。
「内容をグラフ化し、誰でも気軽に閲覧・分析できるようにしたのた特徴だ」そうです。興味深いのは、「従来から顧客とのやりとりの内容は社内ネットで公開していた」という点です。
従来のやり方では、「単に内容を羅列するだけのもので見づらく、社員の閲覧率は低かった」とのことです。情報は、伝達(公開)すればよい、というものではないのです。
そこに「伝える側の責任」があるわけです。また、情報を「加工」することの意義があり、それが情報に「付加価値」を与えるということになります。コミュニケーションの問題は、情報を適切に加工し、付加価値を与える作業を怠ることにより起こります。
味の素のこのシステムは「お客様の声ポータル」と呼ばれるもので、記事によれば「野村総合研究所と協力して開発した」のだそうです。商品に関するクレーム等の情報が種類別に整理され、「男女比や年代別など属性を絞って分析することも可能だ」。
「各担当者が自ら顧客の声を分析できるようになった」という点も、興味深いです。情報を加工し、付加価値を与えるべきことを先述しましたが、お仕着せではなく、ユーザー自ら、その作業をできるようにすることが、さらなる付加価値を生むのです。
また、「問い合わせが多かった単語をランキング形式で紹介する」ことまでしています。記事によれば、「少しでも社員にサイトに接続してもらうための多様な工夫を盛り込んだ」とのことです。
「伝える側の責任」を徹底的に追求すると、あらゆる努力を払うものです。社内システムでありながら、外部の顧客に対するような念の入れ方だと言えます。
逆に言えば、対顧客のコミュニケーションの工夫は丁寧に行なうものの、社内向けは、結構、ぞんざいであったりすることが多いように思います。そこには、社内だからという「甘え」があります。
製造業では「次工程はお客様」という言葉があります。自分の工程で果たすべき責任を果たし、次工程へは、お客様に対するように、ベストの品質のものを流す、の意です。
社内におけるコミュニケーションも、そのようでありたいですね。「伝える側」は、すなわち前工程であり、次工程へのコミュニケーションは、完璧なものを期す。甘えを排し、責任を全うするとは、そのようなことなのです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、社内コミュニケーションを充実させることについて、どのように取り組んでいるだろうか。対顧客と同様の意識でコミュニケーションが行なわれているだろうか。「伝える側の責任」の意識を高め、その責任を全うすることが大切だ。
<参考:日経MJ(流通)新聞 2009.07.27【9面】>
基本的には、「伝える側の責任」と受け止めることが鉄則です。特に、「これくらい、言わなくてもわかるだろう」は禁物ですね。仲間内ですらそうなのですから、一般的な商品説明や広告文なら、なおのこと注意を要します。
わからないことがあり、質問をすると、「そこに書いてありますよ」と回答されることがあります。見落とした側が悪いような物の言い方ですが、「伝える側の責任」も大きいはずなのです。
7月27日付けの日経MJ(流通新聞)に、「味の素は顧客から寄せられた問い合わせやクレームの内容を社内で効率的に共有できるシステムを導入した」という記事が掲載されています。
「内容をグラフ化し、誰でも気軽に閲覧・分析できるようにしたのた特徴だ」そうです。興味深いのは、「従来から顧客とのやりとりの内容は社内ネットで公開していた」という点です。
従来のやり方では、「単に内容を羅列するだけのもので見づらく、社員の閲覧率は低かった」とのことです。情報は、伝達(公開)すればよい、というものではないのです。
そこに「伝える側の責任」があるわけです。また、情報を「加工」することの意義があり、それが情報に「付加価値」を与えるということになります。コミュニケーションの問題は、情報を適切に加工し、付加価値を与える作業を怠ることにより起こります。
味の素のこのシステムは「お客様の声ポータル」と呼ばれるもので、記事によれば「野村総合研究所と協力して開発した」のだそうです。商品に関するクレーム等の情報が種類別に整理され、「男女比や年代別など属性を絞って分析することも可能だ」。
「各担当者が自ら顧客の声を分析できるようになった」という点も、興味深いです。情報を加工し、付加価値を与えるべきことを先述しましたが、お仕着せではなく、ユーザー自ら、その作業をできるようにすることが、さらなる付加価値を生むのです。
また、「問い合わせが多かった単語をランキング形式で紹介する」ことまでしています。記事によれば、「少しでも社員にサイトに接続してもらうための多様な工夫を盛り込んだ」とのことです。
「伝える側の責任」を徹底的に追求すると、あらゆる努力を払うものです。社内システムでありながら、外部の顧客に対するような念の入れ方だと言えます。
逆に言えば、対顧客のコミュニケーションの工夫は丁寧に行なうものの、社内向けは、結構、ぞんざいであったりすることが多いように思います。そこには、社内だからという「甘え」があります。
製造業では「次工程はお客様」という言葉があります。自分の工程で果たすべき責任を果たし、次工程へは、お客様に対するように、ベストの品質のものを流す、の意です。
社内におけるコミュニケーションも、そのようでありたいですね。「伝える側」は、すなわち前工程であり、次工程へのコミュニケーションは、完璧なものを期す。甘えを排し、責任を全うするとは、そのようなことなのです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、社内コミュニケーションを充実させることについて、どのように取り組んでいるだろうか。対顧客と同様の意識でコミュニケーションが行なわれているだろうか。「伝える側の責任」の意識を高め、その責任を全うすることが大切だ。
<参考:日経MJ(流通)新聞 2009.07.27【9面】>
2009年07月27日
ポメラ、買いました♪
原稿を書く時間が多いので、スキマ時間を有効に使えるかと。
機能を絞った製品ですが、あれもできるようになって欲しい、これもできるようになって欲しい、という具合に、いろいろと欲が出てきてしまいますね。
機能を絞った製品ですが、あれもできるようになって欲しい、これもできるようになって欲しい、という具合に、いろいろと欲が出てきてしまいますね。

2009年07月27日
2009年07月23日
制約を外して飛躍する
ビジネスの拡大・発展を目指す場合、現状ではどのような制約条件があるか、明確に認識しておく必要があります。たとえば弊社のように、セミナー開催をビジネスにしている場合は、席数と受講料単価の掛け算が、売上高の上限となります。
席数を考えないとしても、日時と場所が指定(制約)されていることで、受講の都合がつかない人に対しては、機会損失を起こしていることが考えられたりします。
席数・日時・場所といった制約条件は、工夫をすれば、外すことができます。たとえば、セミナーをDVD化したり、ネットを使って配信するといったやり方は、その制約条件にとらわれません。
7月23日付けの日本経済新聞地方経済面(中国A)に、「井筒屋グループの山口井筒屋は山口店の外商強化に乗り出す」という記事が掲載されています。
店舗への来店客を待たねばならないということも、制約条件となります。積極的に顧客に出向くことで、その制約を外すことができます。外商という機動的な営業スタイルは、そこにメリットがあるわけです。
記事によれば、「山口市内だけでなく、周辺顧客を掘り起こす。日本海側に商圏を広げるため、2011年にも萩市に外商担当者が常駐する拠点を設ける方針」とのことです。
萩市の拠点については、「外商担当者を3~4人常駐させる方針」で、「小規模なサテライト店とすることも検討している」とのこと。現在の業態の制約をも、外す考えのようです。
もっとも、外商を強化したいという願望があっても、足がかりがなければ、掛け声倒れとなってしまいます。簡単にできるなら、とっくの昔に取り組んでいたでしょう。それもまた、制約条件と言えます。
記事によれば、「メーンバンクの山口銀行と連携」するとのことです。「山口銀行は取引先を山口井筒屋に紹介するなどして、山口店の外商拡大につなげる」のだそうです。
井筒屋の会員カードである「ウィズカード」の株式は、山口銀行を傘下に持つ山口フィナンシャルグループが保有していて、カード会員を増やすことが、双方にとってのメリットとなるわけです。
このような他社との連携も、顧客数拡大への制約を取り外すことになります。結局のところ、ビジネスの発展は、いかに制約条件を外していくかの繰り返しなのだと思います。
山口井筒屋の外商比率は、約21%。「同じく山口井筒屋が運営している宇部店の外商比率29%に比べても低い」と記事は伝えています。他店をベンチマークすることで、改善余地を見出したわけです。
制約条件を外すという発想の前提は、冒頭で述べたように、制約条件の存在への認識が大前提です。他店をベンチマークすることも、その気づきにつながるでしょう。外商比率をもっと高めることができるはずという意識は、思考の制約を外してくれます。
ビジネスも人生も、制約だらけだと感じればそのとおりですが、知恵や工夫で、その制約を外すこともできます。飛躍するためには、その妨げとなる制約を外せばよいのです。何が制約条件なのかを見極めれば、活路を見出しやすくなるでしょう。
【今日の教訓】
あなたのビジネスに限界があるとすれば、何が制約条件となっているだろうか。その制約条件を見極めたら、それを外す手立てを考えてみよう。いきなり飛躍を目指すのではなく、制約を外すことを考えるのだ。
<参考:日本経済新聞(中国A) 2009.07.23【11面】>
席数を考えないとしても、日時と場所が指定(制約)されていることで、受講の都合がつかない人に対しては、機会損失を起こしていることが考えられたりします。
席数・日時・場所といった制約条件は、工夫をすれば、外すことができます。たとえば、セミナーをDVD化したり、ネットを使って配信するといったやり方は、その制約条件にとらわれません。
7月23日付けの日本経済新聞地方経済面(中国A)に、「井筒屋グループの山口井筒屋は山口店の外商強化に乗り出す」という記事が掲載されています。
店舗への来店客を待たねばならないということも、制約条件となります。積極的に顧客に出向くことで、その制約を外すことができます。外商という機動的な営業スタイルは、そこにメリットがあるわけです。
記事によれば、「山口市内だけでなく、周辺顧客を掘り起こす。日本海側に商圏を広げるため、2011年にも萩市に外商担当者が常駐する拠点を設ける方針」とのことです。
萩市の拠点については、「外商担当者を3~4人常駐させる方針」で、「小規模なサテライト店とすることも検討している」とのこと。現在の業態の制約をも、外す考えのようです。
もっとも、外商を強化したいという願望があっても、足がかりがなければ、掛け声倒れとなってしまいます。簡単にできるなら、とっくの昔に取り組んでいたでしょう。それもまた、制約条件と言えます。
記事によれば、「メーンバンクの山口銀行と連携」するとのことです。「山口銀行は取引先を山口井筒屋に紹介するなどして、山口店の外商拡大につなげる」のだそうです。
井筒屋の会員カードである「ウィズカード」の株式は、山口銀行を傘下に持つ山口フィナンシャルグループが保有していて、カード会員を増やすことが、双方にとってのメリットとなるわけです。
このような他社との連携も、顧客数拡大への制約を取り外すことになります。結局のところ、ビジネスの発展は、いかに制約条件を外していくかの繰り返しなのだと思います。
山口井筒屋の外商比率は、約21%。「同じく山口井筒屋が運営している宇部店の外商比率29%に比べても低い」と記事は伝えています。他店をベンチマークすることで、改善余地を見出したわけです。
制約条件を外すという発想の前提は、冒頭で述べたように、制約条件の存在への認識が大前提です。他店をベンチマークすることも、その気づきにつながるでしょう。外商比率をもっと高めることができるはずという意識は、思考の制約を外してくれます。
ビジネスも人生も、制約だらけだと感じればそのとおりですが、知恵や工夫で、その制約を外すこともできます。飛躍するためには、その妨げとなる制約を外せばよいのです。何が制約条件なのかを見極めれば、活路を見出しやすくなるでしょう。
【今日の教訓】
あなたのビジネスに限界があるとすれば、何が制約条件となっているだろうか。その制約条件を見極めたら、それを外す手立てを考えてみよう。いきなり飛躍を目指すのではなく、制約を外すことを考えるのだ。
<参考:日本経済新聞(中国A) 2009.07.23【11面】>
2009年07月22日
自分でできるようにするコンサルティング
「コンサルタント養成講座」を通じて、コンサルタントの育成を行なっています。一言でコンサルタントと言っても、専門分野はさまざまで、コンサルティングスタイルも多岐にわたります。
コンサルティングの本質は何か。そんなことも考えたりするのですが、私の理想とするところは「技術移転」です。コンサルタントの持つノウハウをクライアントに提供し、クライアントが自力で課題解決できるようにしてあげるわけです。
その観点で言うと、コンサルティングは「人材育成」の一環でもあります。ですので、クライアントの業務の代行は、コンサルティングではありません。代行は、コンサルティングとは別のビジネスです。
もっとも、コンサルタントは全く代行をしないのかと言えば、そうとも限りません。技術移転や人材育成のプロセスで、「手本を示す」意味合いで代行をすることはあります。
7月22日付けの日経産業新聞に、「iTiDコンサルティングは製造業向けの割安な業務改革コンサルティングサービスを始める」という記事が掲載されています。
なぜ割安かと言えば、「業務改革を推進する人材を顧客企業内で育成する手法を採用した」からです。業務改革の場合、「専任のコンサルタントが顧客企業の開発者らへのインタビューを通して業務の現状を分析するケースが多い」です。
しかしこの記事のサービスでは、コンサルタントは「課題分析の手法や考え方を指南。実際の調査は社内の人員が主体となって実施し、業務上の課題を自ら抽出できるようにする」のだそうです。
ビジネスの損得で考えると、コンサルタントは、クライアントとの関係を出来る限り長く続けたいものです。「技術移転」により“一人立ち”されると、契約が終わってしまうジレンマがあります。
そのため、コンサルタントがどうしても必要になるように、ブラックボックスを仕掛ける輩もいるらしいです。そうなると、ブラックボックス部分は、コンサルティングではなく、代行と呼んだ方がよいでしょう。
コンサルタントの立場は、当然、従業員とは異なります。必要な知見を必要な時期に、必要だけ欲しいから、コンサルタントが雇われるのです。つまり、期間限定でなければおかしいわけです。契約が終わってしまうのは、このビジネスの特性だと、割り切る必要があります。
この記事のサービスを利用すると、「業務を改善するためのノウハウを社内に蓄積しやすいほか、社員の意識改革にも役立つ」とされています。費用も安いのであれば、それに越したことはありません。
割安のサービスではありますが、コンサルティング会社としての損得勘定は、しっかりと押さえられています。というのは、このサービスの提供を通じて、「課題解決に役立つ業務ソフトウエアなどの受注を拡大する」ことを狙っているからです。
コンサルティングは、いわばフロントエンド商品なのです。ですので、割安で提供してでも受注し、バックエンドの業務ソフトの販売に結びつけようということなのかと思います。
また、調査業務のための人員を確保するとなると、固定費の増加を招きます。クライアントに業務を負担させ、それが双方にメリットをもたらすのなら、賢明な選択だといえるでしょう。
これと対比すると、従来は、重厚なサービスを付加し、価格を吊り上げ、業務負担と固定費リスクを増大させてきたのは、いったい何だったのかという気にさせられます。
より身軽なビジネスモデルへの転換で、売り手と買い手の双方にメリットをもたらすことがあり得るわけです。足し算ではなく、引き算の経営とでも言えるでしょうか。固定観念を捨て、見直してみることを考えてもよいと思います。
【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービス、そしてビジネスモデルについて、もっと身軽なものに転換できないか、考えてみよう。もしそうしたら、自社と顧客にどのようなメリットがもたらされるだろうか。もしかしたら、今までの悩みを解決する特効薬となるかも知れない。
<参考:日経産業新聞 2009.07.22【7面】>
コンサルティングの本質は何か。そんなことも考えたりするのですが、私の理想とするところは「技術移転」です。コンサルタントの持つノウハウをクライアントに提供し、クライアントが自力で課題解決できるようにしてあげるわけです。
その観点で言うと、コンサルティングは「人材育成」の一環でもあります。ですので、クライアントの業務の代行は、コンサルティングではありません。代行は、コンサルティングとは別のビジネスです。
もっとも、コンサルタントは全く代行をしないのかと言えば、そうとも限りません。技術移転や人材育成のプロセスで、「手本を示す」意味合いで代行をすることはあります。
7月22日付けの日経産業新聞に、「iTiDコンサルティングは製造業向けの割安な業務改革コンサルティングサービスを始める」という記事が掲載されています。
なぜ割安かと言えば、「業務改革を推進する人材を顧客企業内で育成する手法を採用した」からです。業務改革の場合、「専任のコンサルタントが顧客企業の開発者らへのインタビューを通して業務の現状を分析するケースが多い」です。
しかしこの記事のサービスでは、コンサルタントは「課題分析の手法や考え方を指南。実際の調査は社内の人員が主体となって実施し、業務上の課題を自ら抽出できるようにする」のだそうです。
ビジネスの損得で考えると、コンサルタントは、クライアントとの関係を出来る限り長く続けたいものです。「技術移転」により“一人立ち”されると、契約が終わってしまうジレンマがあります。
そのため、コンサルタントがどうしても必要になるように、ブラックボックスを仕掛ける輩もいるらしいです。そうなると、ブラックボックス部分は、コンサルティングではなく、代行と呼んだ方がよいでしょう。
コンサルタントの立場は、当然、従業員とは異なります。必要な知見を必要な時期に、必要だけ欲しいから、コンサルタントが雇われるのです。つまり、期間限定でなければおかしいわけです。契約が終わってしまうのは、このビジネスの特性だと、割り切る必要があります。
この記事のサービスを利用すると、「業務を改善するためのノウハウを社内に蓄積しやすいほか、社員の意識改革にも役立つ」とされています。費用も安いのであれば、それに越したことはありません。
割安のサービスではありますが、コンサルティング会社としての損得勘定は、しっかりと押さえられています。というのは、このサービスの提供を通じて、「課題解決に役立つ業務ソフトウエアなどの受注を拡大する」ことを狙っているからです。
コンサルティングは、いわばフロントエンド商品なのです。ですので、割安で提供してでも受注し、バックエンドの業務ソフトの販売に結びつけようということなのかと思います。
また、調査業務のための人員を確保するとなると、固定費の増加を招きます。クライアントに業務を負担させ、それが双方にメリットをもたらすのなら、賢明な選択だといえるでしょう。
これと対比すると、従来は、重厚なサービスを付加し、価格を吊り上げ、業務負担と固定費リスクを増大させてきたのは、いったい何だったのかという気にさせられます。
より身軽なビジネスモデルへの転換で、売り手と買い手の双方にメリットをもたらすことがあり得るわけです。足し算ではなく、引き算の経営とでも言えるでしょうか。固定観念を捨て、見直してみることを考えてもよいと思います。
【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービス、そしてビジネスモデルについて、もっと身軽なものに転換できないか、考えてみよう。もしそうしたら、自社と顧客にどのようなメリットがもたらされるだろうか。もしかしたら、今までの悩みを解決する特効薬となるかも知れない。
<参考:日経産業新聞 2009.07.22【7面】>
2009年07月14日
○○を○○として売るだけでは成長はない
この不況をどう乗り切るべきか。先日、中小企業向けに、コンサルタントとしてのコメントが欲しいということで、某雑誌の取材を受ける機会がありました。
編集の方は、発想の転換の必要性を落としどころとしたいと考えていたようです。とは言え、妙案など、簡単に頭に浮かぶものでもありませんし、発想を切り替えろと言われ、それができるようなら、誰も苦労しません、ハイ。
また、発想を「どのように」転換するのかが問題ですし、その切り口がみつからなくて困っているケースが多いです。ならば、外部からその「切り口」をもらうようにしましょう。具体的には、他社や他業界の動きを知り、そこからヒントを得ることです。
たとえば7月14日付けの日経産業新聞には、「クリーニングやDPE(写真の現像・焼き付け・引き伸ばし)、学習塾といった構造不況業種のサービス各社が収益源の多様化を急ぎ始めた」という記事が掲載されています。
日々、日経各紙の記事に目を通していれば、そのような「収益源の多様化」は、最近のトレンドであることに気づきます。この切り口を、自社の経営に当てはめて考えてみることをオススメします。
記事を詳しく読めば、さらに掘り下げ、具体的な考え方に触れることができます。「手段・方法」はさておき、まずは「考え方」を把握することが大切です。「考え方」レベルであれば、他業界の取り組みであっても、自社への適用が可能となるからです。
日経産業新聞の記事には、「クリーニングをクリーニングとして売るだけでは成長はない」という、クリーニングチェーンの社長のコメントが紹介されています。このコメントを、「○○を○○として売るだけでは成長はない」と、考え方レベルで読み換えてみれば、他業界企業にとっても、参考になります。
このチェーンでは、「オフシーズンの衣料品のクリーニングと保管・修繕を組み合わせたサービスを展開」しています。クリーニングに保管・修繕の付加価値を乗せたことで、前年同期比25%増加の受注件数を達成しています。
DPE業界では、「子供向け写真館」を拡大展開したり、「写真付きの学生証や社員証の製作に使うIDカードプリンターの販売」に参入していたりします。
フィルムカメラの減少で市場規模が縮小していることを受け、「写真」関連の他分野へ進出しているわけですね。先ほどの表現を使えば、デジカメデータのプリントという新市場はあるとしても、「写真をプリントとして売るだけ」ではダメということなのでしょう。
学習塾については、「家族や子育てに関するセミナーを開催」する動きが伝えられています。学習塾も、「子供に勉強を教えるだけ」では済ませられないということです。コンセプトを広く「子育て」ととらえる発想が見てとれます。
これらの事例を踏まえると、発想の転換の一つの方向性としては、顧客ニーズをより広くとらえてみることがあるでしょう。クリーニングの真のニーズ・価値は、服の“洗浄”というより、服の“手入れ”なのです。となれば当然、そこには修繕や保管も含まれます。
同様に、写真プリントの真の価値は、家族の思い出づくりであったり、身分証明であったりしますし、学習塾の価値は、よりよい子育ての一環であったりもします。
このような発想の転換は、従来よりも視野を広く持つことから生まれます。目先の課題で視野狭窄に陥るなということです。今まで見えなかったものが見えるようになることが、新たな発想を生む引き金となるのですから。
【今日の教訓】
あなたの企業を成長発展させるために、あなたはどのような視点でその策を考えているだろうか。全体を俯瞰し、より広い視野で眺めることをしてみよう。今まで見えなかったものが見えるようになれば、そこに成長発展のヒントを見出すことができるはずだ。
<参考:日経産業新聞 2009.07.14【16面】>
◆お知らせ1◆
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詳細→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090708.html
◆お知らせ2◆
視点を変えるのなら、コーチングを学ぶことが有効ですね。
自分一人では、どうしても気づかないことがあります。
コーチのサポートが必要とされる理由ですね。
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編集の方は、発想の転換の必要性を落としどころとしたいと考えていたようです。とは言え、妙案など、簡単に頭に浮かぶものでもありませんし、発想を切り替えろと言われ、それができるようなら、誰も苦労しません、ハイ。
また、発想を「どのように」転換するのかが問題ですし、その切り口がみつからなくて困っているケースが多いです。ならば、外部からその「切り口」をもらうようにしましょう。具体的には、他社や他業界の動きを知り、そこからヒントを得ることです。
たとえば7月14日付けの日経産業新聞には、「クリーニングやDPE(写真の現像・焼き付け・引き伸ばし)、学習塾といった構造不況業種のサービス各社が収益源の多様化を急ぎ始めた」という記事が掲載されています。
日々、日経各紙の記事に目を通していれば、そのような「収益源の多様化」は、最近のトレンドであることに気づきます。この切り口を、自社の経営に当てはめて考えてみることをオススメします。
記事を詳しく読めば、さらに掘り下げ、具体的な考え方に触れることができます。「手段・方法」はさておき、まずは「考え方」を把握することが大切です。「考え方」レベルであれば、他業界の取り組みであっても、自社への適用が可能となるからです。
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これらの事例を踏まえると、発想の転換の一つの方向性としては、顧客ニーズをより広くとらえてみることがあるでしょう。クリーニングの真のニーズ・価値は、服の“洗浄”というより、服の“手入れ”なのです。となれば当然、そこには修繕や保管も含まれます。
同様に、写真プリントの真の価値は、家族の思い出づくりであったり、身分証明であったりしますし、学習塾の価値は、よりよい子育ての一環であったりもします。
このような発想の転換は、従来よりも視野を広く持つことから生まれます。目先の課題で視野狭窄に陥るなということです。今まで見えなかったものが見えるようになることが、新たな発想を生む引き金となるのですから。
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あなたの企業を成長発展させるために、あなたはどのような視点でその策を考えているだろうか。全体を俯瞰し、より広い視野で眺めることをしてみよう。今まで見えなかったものが見えるようになれば、そこに成長発展のヒントを見出すことができるはずだ。
<参考:日経産業新聞 2009.07.14【16面】>
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2009年07月14日
厳選ビジネス書の要約を耳で聴く!
日経新聞はもとより、ビジネス書を読むことは、ビジネスパースンにとっては必須ですね。
とは言え、
「忙しくてビジネス書が読めない!」
「本が多すぎて、何を読めばいいかわからない!」
・・・という悩みは尽きません。
ビジネス書の要約版メルマガもありますが、
「分量が、ちょっと足りないな~」
というご声も、よく聞きます。確かに、少々物足りないですよね。
とは言え、読者の大半が多忙な現役ビジネスパースンです。文字が増えたら、読む時間の捻出がままならないのではないでしょうか?
実は、そんな方の、かゆいところに手が届くサービスがあるのをご存知でしたか?
『ビジネス選書&サマリー』(音声版)です。
特徴は、
・5000文字相当の分量があります。
・プロの女子アナに読んでもらいました。
・音声ファイル(MP3またはCD)でお届けします。
これを、ご希望者にお届けしています。
ビジネス書を朗読した音声ファイルも出回っていますが、そうなると、数時間はかかってしまいます。
ビジネス書をコンパクトに要約し、それを音源にしてお届けするというのは、極めて画期的なサービスです。
おかげ様で、たいへん多くの方にご利用いただいています。
特に最近は、iPodなどの携帯プレーヤーが普及しています。音声ファイルを直接パソコンにダウンロードいただけるサービスに、
・わざわざPCに読み込ませる手間がいらない
・入手まで待たずに済む
・海外に住んでいても入手できる
と、ご満足いただいています。
・・・といっても、どんなものかイメージしにくいですね。
そこで、以下から試聴ができますので、ぜひご覧ください。
※「ビジネス選書&サマリー」音声版
→ http://www.bbook.jp/audio/index.html
・・・いかがですか?
お申し込みいただけば、これと同じボリュームのものを毎月4冊分
お楽しみいただくことができます。これなら、メルマガを
・ 自転車、徒歩などで移動する時間に、
・ 混雑した通勤電車内で、
・ 車での移動時間に、
・ マラソン、ウォーキングしながら、
・仕事や勉強し“ながら”、
といった具合に、場所や時間を問わずお楽しみいただけます。
最近は、
「目から(活字)よりも、耳から(音で)情報収集するほうが得意」という方も増えているようですが、そんな方々にはピッタリです。
また、音声ですから、繰り返し聴くことが可能です。そのため、中身を、脳裏にくっきり焼き付けることが可能です。
まずは、以下からその出来映えをお聴きになってみてください。
※「ビジネス選書&サマリー」音声版
→ http://www.bbook.jp/audio/index.html
とは言え、
「忙しくてビジネス書が読めない!」
「本が多すぎて、何を読めばいいかわからない!」
・・・という悩みは尽きません。
ビジネス書の要約版メルマガもありますが、
「分量が、ちょっと足りないな~」
というご声も、よく聞きます。確かに、少々物足りないですよね。
とは言え、読者の大半が多忙な現役ビジネスパースンです。文字が増えたら、読む時間の捻出がままならないのではないでしょうか?
実は、そんな方の、かゆいところに手が届くサービスがあるのをご存知でしたか?
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特徴は、
・5000文字相当の分量があります。
・プロの女子アナに読んでもらいました。
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これを、ご希望者にお届けしています。
ビジネス書を朗読した音声ファイルも出回っていますが、そうなると、数時間はかかってしまいます。
ビジネス書をコンパクトに要約し、それを音源にしてお届けするというのは、極めて画期的なサービスです。
おかげ様で、たいへん多くの方にご利用いただいています。
特に最近は、iPodなどの携帯プレーヤーが普及しています。音声ファイルを直接パソコンにダウンロードいただけるサービスに、
・わざわざPCに読み込ませる手間がいらない
・入手まで待たずに済む
・海外に住んでいても入手できる
と、ご満足いただいています。
・・・といっても、どんなものかイメージしにくいですね。
そこで、以下から試聴ができますので、ぜひご覧ください。
※「ビジネス選書&サマリー」音声版
→ http://www.bbook.jp/audio/index.html
・・・いかがですか?
お申し込みいただけば、これと同じボリュームのものを毎月4冊分
お楽しみいただくことができます。これなら、メルマガを
・ 自転車、徒歩などで移動する時間に、
・ 混雑した通勤電車内で、
・ 車での移動時間に、
・ マラソン、ウォーキングしながら、
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といった具合に、場所や時間を問わずお楽しみいただけます。
最近は、
「目から(活字)よりも、耳から(音で)情報収集するほうが得意」という方も増えているようですが、そんな方々にはピッタリです。
また、音声ですから、繰り返し聴くことが可能です。そのため、中身を、脳裏にくっきり焼き付けることが可能です。
まずは、以下からその出来映えをお聴きになってみてください。
※「ビジネス選書&サマリー」音声版
→ http://www.bbook.jp/audio/index.html
2009年07月14日
標準化の効果、恐るべし。
夏といえば生ビール。この季節、夕方以降は、なるべく水分を控えるようにしています。そうすると、生ビールの最初の一杯で、至福の気分を味わうことができます。
ただ、いつも気になることが一つあります。それは、生ビール(中)のサイズが、店によって異なるということです。400cc~600ccくらいの範囲でばらつきがあるらしいです。
同じ「中」を謳いながら、分量にばらつきがあるのは、いかがなものでしょうか。ですが、表立ってクレームをつける客は、ほとんどいないようです。
というのは、サイズだけでなく、価格にもばらつきがあるからでしょう。均一価格でサイズが違っていたら問題視されるでしょうが、飲食物の価格は店によってばらつくのが普通であり、そのようなものとして受け入れられています。
サイズと価格、そして店の「格」とが絡み合っていることが、単純比較を許さない状況を生んでいるわけです。また、居酒屋には生ビール以外のメニューがほとんどであり、価値は総合的に判断されるので、生ビールのサイズ問題だけを、わざわざクローズアップすることはしないのでしょう。
とは言え、一般的には、割安なのか割高なのか、ズバリと比較できた方が、ありがたいと言えるでしょう。そのような比較は、仕様が統一されることで、はじめて可能になります。
7月13日付けの日経MJ(流通新聞)に、服の“お直し”サービスを標準化する動きを伝える記事が掲載されています。「日本リ・ファッション推進委員会」という業界団体が発足し、「ばらつきのあるサービスや料金内容の整合性を取り、消費者の満足度を高める」ことを目指しています。
「リ・ファッション」という聞き慣れない言葉は、リペア(補修)、リフォーム(補正)、リメーク(作り直し)を総称したものだそうです。昨今の環境問題への関心の高まりを受け、資源の有効活用は、服の分野でも当てはまります。
記事によれば、「業界には中小企業が多く、サービスや料金がまちまち」であり、一言で“お直し”といっても、「すそ上げなど簡単な補修だけの店から、消費者の体形を考慮して似合う補正や作り直しを提案する店まで幅広い」のだそうです。
消費者としては、自分の好みに合うように直してもらおうと思っても、このようにサービス内容や料金にばらつきがあると、どこへ持ち込んだらよいのか、途方に暮れてしまいますね。
しかも、「顧客からのクレーム対応についてもばらつきがみられる」とか。これでは、消費者が二の足を踏んでしまうでしょう。標準化は、そのような問題を解決する基本的な仕組みとして、不可欠と考えられます。
もちろん、これは、服の“お直し”に限ったことではありません。他の業界では、標準化や規格の統一といった取り組みにより、安心して購入してもらえるような土台を作ってきています。
標準化は、最低限の品質が保証されていることを意味すると共に、詳しく仕様を指定する手間を省きます。そして、商品相互の比較をも容易にしてくれます。比較は競争を生み、品質向上を加速します。これらがあいまって、顧客を拡大する効果をもたらすわけです。
標準化の効果、恐るべし、といったところでしょうか。既に標準化や規格化が進んでいる業界もありますが、まだ整備されていない業界もあります。生ビール(中)のサイズまで統一しろとは言いませんが、標準化へ一念発起すべき業界は、たくさんありますね。
【今日の教訓】
あなたの企業の属する業界では、商品・サービス仕様の標準化が進んでいるだろうか。標準化は、商品・サービスの品質を向上し、市場規模の拡大に資する。業界を挙げて取り組むことを考えよう。
<参考:日経MJ(流通新聞)2009.07.13【11面】>
ただ、いつも気になることが一つあります。それは、生ビール(中)のサイズが、店によって異なるということです。400cc~600ccくらいの範囲でばらつきがあるらしいです。
同じ「中」を謳いながら、分量にばらつきがあるのは、いかがなものでしょうか。ですが、表立ってクレームをつける客は、ほとんどいないようです。
というのは、サイズだけでなく、価格にもばらつきがあるからでしょう。均一価格でサイズが違っていたら問題視されるでしょうが、飲食物の価格は店によってばらつくのが普通であり、そのようなものとして受け入れられています。
サイズと価格、そして店の「格」とが絡み合っていることが、単純比較を許さない状況を生んでいるわけです。また、居酒屋には生ビール以外のメニューがほとんどであり、価値は総合的に判断されるので、生ビールのサイズ問題だけを、わざわざクローズアップすることはしないのでしょう。
とは言え、一般的には、割安なのか割高なのか、ズバリと比較できた方が、ありがたいと言えるでしょう。そのような比較は、仕様が統一されることで、はじめて可能になります。
7月13日付けの日経MJ(流通新聞)に、服の“お直し”サービスを標準化する動きを伝える記事が掲載されています。「日本リ・ファッション推進委員会」という業界団体が発足し、「ばらつきのあるサービスや料金内容の整合性を取り、消費者の満足度を高める」ことを目指しています。
「リ・ファッション」という聞き慣れない言葉は、リペア(補修)、リフォーム(補正)、リメーク(作り直し)を総称したものだそうです。昨今の環境問題への関心の高まりを受け、資源の有効活用は、服の分野でも当てはまります。
記事によれば、「業界には中小企業が多く、サービスや料金がまちまち」であり、一言で“お直し”といっても、「すそ上げなど簡単な補修だけの店から、消費者の体形を考慮して似合う補正や作り直しを提案する店まで幅広い」のだそうです。
消費者としては、自分の好みに合うように直してもらおうと思っても、このようにサービス内容や料金にばらつきがあると、どこへ持ち込んだらよいのか、途方に暮れてしまいますね。
しかも、「顧客からのクレーム対応についてもばらつきがみられる」とか。これでは、消費者が二の足を踏んでしまうでしょう。標準化は、そのような問題を解決する基本的な仕組みとして、不可欠と考えられます。
もちろん、これは、服の“お直し”に限ったことではありません。他の業界では、標準化や規格の統一といった取り組みにより、安心して購入してもらえるような土台を作ってきています。
標準化は、最低限の品質が保証されていることを意味すると共に、詳しく仕様を指定する手間を省きます。そして、商品相互の比較をも容易にしてくれます。比較は競争を生み、品質向上を加速します。これらがあいまって、顧客を拡大する効果をもたらすわけです。
標準化の効果、恐るべし、といったところでしょうか。既に標準化や規格化が進んでいる業界もありますが、まだ整備されていない業界もあります。生ビール(中)のサイズまで統一しろとは言いませんが、標準化へ一念発起すべき業界は、たくさんありますね。
【今日の教訓】
あなたの企業の属する業界では、商品・サービス仕様の標準化が進んでいるだろうか。標準化は、商品・サービスの品質を向上し、市場規模の拡大に資する。業界を挙げて取り組むことを考えよう。
<参考:日経MJ(流通新聞)2009.07.13【11面】>
2009年07月11日
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≪講師からのメッセージ(抜粋)≫
新聞に掲載されるさまざまな企業の取り組みは、まさに「生きた事例」です。
情報として読むだけでなく、それらをベンチマークすることで、コンサルティングに役立てることができるのではないでしょうか。
全くオリジナルな発想を生み出せるのは、ごく一部の天才と呼ばれる人たちだけでしょう。ですが、新聞記事の「生きた事例」をベンチマークすれば、凡人でも、それをきっかけとして、どんどんと発想を生み出していくことができるのです。
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2009年07月06日
ゲームソフトにスキップ機能
「会社を辞めずに起業する」というコンセプトの「週末起業」は、起業に対する心理的・物理的ハードルを著しく下げました。起業へ向けて行動を起こす人を増やしたという点では、大きな効果があったと思います。
本気で独立起業を考えている人たち向けの起業支援ビジネスの市場が一定規模で存在するとして、「週末起業」の登場は、その下位の市場を創造したとも言えるでしょう。
要するに、起業への“参入”ハードルを下げることで、新たな市場が生まれたわけです。起業に限らず、一般的に、ハードルを下げることが、新市場の創出につながります。
7月6日付けの日本経済新聞に、「任天堂はゲームソフトに初心者向けの『スキップ機能』を採り入れる」という記事が掲載されています。
ゲームの途中で難局にぶつかり前に進めなくなった際に、その場面だけを飛ばして先へ行ける」のだそうです。
難局を何とかクリアしてこそ、ゲームの面白さがあるように思いますが、記事によれば、「何度も途中であきらめているうちにゲームから遠ざかってしまう消費者がいるのに配慮した」とのことです。
厳密には“参入”というより、“継続”ハードルを下げたことになりますが、「ハードルを下げた」という点では、「週末起業」と類似しています。新市場を創出したとまでは言いにくいかも知れませんが、顧客流出を防いだという点で、効果は同様です。
もっとも、ゲーム愛好者になる前に少しだけ遊んでみて、その難しさに耐えられず、放り出してしまう人もいます。そのような人たちについては、スキップ機能による“歩留り”向上実現で、市場創出効果が生まれると言えるでしょう。
要するに、ハードルを下げることは、“参入”にも“継続”にも効果があるわけです。となると、考えるべきは、何がハードルなのかを見極めることでしょう。
ゲームの場合は、途中で遭遇する“難局”がハードルです。週末起業においては、会社を辞めることによる収入リスクです。同じ7月6日付けの日経産業新聞には、語学学習に関するハードルについて触れた記事があります。
7月6日付け日経産業新聞1面に、「語学は1人で学ぶ」というタイトルの記事が掲載されています。「英語などの語学学習にeラーニングを利用する人が増えている」とし、「他人と一緒では気恥ずかしく、1人で学びたいとの潜在需要は高い」と記されています。
自分自身の英会話学習体験を振り返ると、間違えたら恥ずかしいというメンタルブロックを乗り越えたことが、実力アップのブレイクスルーになったと感じています。
ですので、気恥ずかしいなど、何を甘えたことを言っているのか、と思ってしまいます。ですが、それがハードルなのです。ゲームマニアなら、“難局”であきらめてしまうようでは、ゲームの楽しさを理解していないと思うのかも知れません。
私の好きなスキューバダイビングでも、講習を受けてライセンスを取得するまでは至っても、その後が続かない人が多いようです。インストラクターに手とり足とり指導してもらえないことは、初心者にとって大きなハードルです。業界にとって、大きな損失になっていると思います。
顧客視点が重要だと言われますが、「それが当たり前」と思っていると、ハードルだと指摘されて初めて気づくこともあります。リピーターにならなかった人に、なぜ途中でやめてしまったのか、アンケート調査などをすることは、有益でしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業から顧客が離れてしまったのは、なぜだろうか。継続するには、どのようなハードルをクリアしなければならなかったのだろうか。ハードルの存在を「当たり前」とせず、解消すべき障害ととらえ、対策を打つことを考えてみよう。
<参考:日本経済新聞 2009.07.06【9面】>
本気で独立起業を考えている人たち向けの起業支援ビジネスの市場が一定規模で存在するとして、「週末起業」の登場は、その下位の市場を創造したとも言えるでしょう。
要するに、起業への“参入”ハードルを下げることで、新たな市場が生まれたわけです。起業に限らず、一般的に、ハードルを下げることが、新市場の創出につながります。
7月6日付けの日本経済新聞に、「任天堂はゲームソフトに初心者向けの『スキップ機能』を採り入れる」という記事が掲載されています。
ゲームの途中で難局にぶつかり前に進めなくなった際に、その場面だけを飛ばして先へ行ける」のだそうです。
難局を何とかクリアしてこそ、ゲームの面白さがあるように思いますが、記事によれば、「何度も途中であきらめているうちにゲームから遠ざかってしまう消費者がいるのに配慮した」とのことです。
厳密には“参入”というより、“継続”ハードルを下げたことになりますが、「ハードルを下げた」という点では、「週末起業」と類似しています。新市場を創出したとまでは言いにくいかも知れませんが、顧客流出を防いだという点で、効果は同様です。
もっとも、ゲーム愛好者になる前に少しだけ遊んでみて、その難しさに耐えられず、放り出してしまう人もいます。そのような人たちについては、スキップ機能による“歩留り”向上実現で、市場創出効果が生まれると言えるでしょう。
要するに、ハードルを下げることは、“参入”にも“継続”にも効果があるわけです。となると、考えるべきは、何がハードルなのかを見極めることでしょう。
ゲームの場合は、途中で遭遇する“難局”がハードルです。週末起業においては、会社を辞めることによる収入リスクです。同じ7月6日付けの日経産業新聞には、語学学習に関するハードルについて触れた記事があります。
7月6日付け日経産業新聞1面に、「語学は1人で学ぶ」というタイトルの記事が掲載されています。「英語などの語学学習にeラーニングを利用する人が増えている」とし、「他人と一緒では気恥ずかしく、1人で学びたいとの潜在需要は高い」と記されています。
自分自身の英会話学習体験を振り返ると、間違えたら恥ずかしいというメンタルブロックを乗り越えたことが、実力アップのブレイクスルーになったと感じています。
ですので、気恥ずかしいなど、何を甘えたことを言っているのか、と思ってしまいます。ですが、それがハードルなのです。ゲームマニアなら、“難局”であきらめてしまうようでは、ゲームの楽しさを理解していないと思うのかも知れません。
私の好きなスキューバダイビングでも、講習を受けてライセンスを取得するまでは至っても、その後が続かない人が多いようです。インストラクターに手とり足とり指導してもらえないことは、初心者にとって大きなハードルです。業界にとって、大きな損失になっていると思います。
顧客視点が重要だと言われますが、「それが当たり前」と思っていると、ハードルだと指摘されて初めて気づくこともあります。リピーターにならなかった人に、なぜ途中でやめてしまったのか、アンケート調査などをすることは、有益でしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業から顧客が離れてしまったのは、なぜだろうか。継続するには、どのようなハードルをクリアしなければならなかったのだろうか。ハードルの存在を「当たり前」とせず、解消すべき障害ととらえ、対策を打つことを考えてみよう。
<参考:日本経済新聞 2009.07.06【9面】>