【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年07月22日
自分でできるようにするコンサルティング
「コンサルタント養成講座」を通じて、コンサルタントの育成を行なっています。一言でコンサルタントと言っても、専門分野はさまざまで、コンサルティングスタイルも多岐にわたります。
コンサルティングの本質は何か。そんなことも考えたりするのですが、私の理想とするところは「技術移転」です。コンサルタントの持つノウハウをクライアントに提供し、クライアントが自力で課題解決できるようにしてあげるわけです。
その観点で言うと、コンサルティングは「人材育成」の一環でもあります。ですので、クライアントの業務の代行は、コンサルティングではありません。代行は、コンサルティングとは別のビジネスです。
もっとも、コンサルタントは全く代行をしないのかと言えば、そうとも限りません。技術移転や人材育成のプロセスで、「手本を示す」意味合いで代行をすることはあります。
7月22日付けの日経産業新聞に、「iTiDコンサルティングは製造業向けの割安な業務改革コンサルティングサービスを始める」という記事が掲載されています。
なぜ割安かと言えば、「業務改革を推進する人材を顧客企業内で育成する手法を採用した」からです。業務改革の場合、「専任のコンサルタントが顧客企業の開発者らへのインタビューを通して業務の現状を分析するケースが多い」です。
しかしこの記事のサービスでは、コンサルタントは「課題分析の手法や考え方を指南。実際の調査は社内の人員が主体となって実施し、業務上の課題を自ら抽出できるようにする」のだそうです。
ビジネスの損得で考えると、コンサルタントは、クライアントとの関係を出来る限り長く続けたいものです。「技術移転」により“一人立ち”されると、契約が終わってしまうジレンマがあります。
そのため、コンサルタントがどうしても必要になるように、ブラックボックスを仕掛ける輩もいるらしいです。そうなると、ブラックボックス部分は、コンサルティングではなく、代行と呼んだ方がよいでしょう。
コンサルタントの立場は、当然、従業員とは異なります。必要な知見を必要な時期に、必要だけ欲しいから、コンサルタントが雇われるのです。つまり、期間限定でなければおかしいわけです。契約が終わってしまうのは、このビジネスの特性だと、割り切る必要があります。
この記事のサービスを利用すると、「業務を改善するためのノウハウを社内に蓄積しやすいほか、社員の意識改革にも役立つ」とされています。費用も安いのであれば、それに越したことはありません。
割安のサービスではありますが、コンサルティング会社としての損得勘定は、しっかりと押さえられています。というのは、このサービスの提供を通じて、「課題解決に役立つ業務ソフトウエアなどの受注を拡大する」ことを狙っているからです。
コンサルティングは、いわばフロントエンド商品なのです。ですので、割安で提供してでも受注し、バックエンドの業務ソフトの販売に結びつけようということなのかと思います。
また、調査業務のための人員を確保するとなると、固定費の増加を招きます。クライアントに業務を負担させ、それが双方にメリットをもたらすのなら、賢明な選択だといえるでしょう。
これと対比すると、従来は、重厚なサービスを付加し、価格を吊り上げ、業務負担と固定費リスクを増大させてきたのは、いったい何だったのかという気にさせられます。
より身軽なビジネスモデルへの転換で、売り手と買い手の双方にメリットをもたらすことがあり得るわけです。足し算ではなく、引き算の経営とでも言えるでしょうか。固定観念を捨て、見直してみることを考えてもよいと思います。
【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービス、そしてビジネスモデルについて、もっと身軽なものに転換できないか、考えてみよう。もしそうしたら、自社と顧客にどのようなメリットがもたらされるだろうか。もしかしたら、今までの悩みを解決する特効薬となるかも知れない。
<参考:日経産業新聞 2009.07.22【7面】>
コンサルティングの本質は何か。そんなことも考えたりするのですが、私の理想とするところは「技術移転」です。コンサルタントの持つノウハウをクライアントに提供し、クライアントが自力で課題解決できるようにしてあげるわけです。
その観点で言うと、コンサルティングは「人材育成」の一環でもあります。ですので、クライアントの業務の代行は、コンサルティングではありません。代行は、コンサルティングとは別のビジネスです。
もっとも、コンサルタントは全く代行をしないのかと言えば、そうとも限りません。技術移転や人材育成のプロセスで、「手本を示す」意味合いで代行をすることはあります。
7月22日付けの日経産業新聞に、「iTiDコンサルティングは製造業向けの割安な業務改革コンサルティングサービスを始める」という記事が掲載されています。
なぜ割安かと言えば、「業務改革を推進する人材を顧客企業内で育成する手法を採用した」からです。業務改革の場合、「専任のコンサルタントが顧客企業の開発者らへのインタビューを通して業務の現状を分析するケースが多い」です。
しかしこの記事のサービスでは、コンサルタントは「課題分析の手法や考え方を指南。実際の調査は社内の人員が主体となって実施し、業務上の課題を自ら抽出できるようにする」のだそうです。
ビジネスの損得で考えると、コンサルタントは、クライアントとの関係を出来る限り長く続けたいものです。「技術移転」により“一人立ち”されると、契約が終わってしまうジレンマがあります。
そのため、コンサルタントがどうしても必要になるように、ブラックボックスを仕掛ける輩もいるらしいです。そうなると、ブラックボックス部分は、コンサルティングではなく、代行と呼んだ方がよいでしょう。
コンサルタントの立場は、当然、従業員とは異なります。必要な知見を必要な時期に、必要だけ欲しいから、コンサルタントが雇われるのです。つまり、期間限定でなければおかしいわけです。契約が終わってしまうのは、このビジネスの特性だと、割り切る必要があります。
この記事のサービスを利用すると、「業務を改善するためのノウハウを社内に蓄積しやすいほか、社員の意識改革にも役立つ」とされています。費用も安いのであれば、それに越したことはありません。
割安のサービスではありますが、コンサルティング会社としての損得勘定は、しっかりと押さえられています。というのは、このサービスの提供を通じて、「課題解決に役立つ業務ソフトウエアなどの受注を拡大する」ことを狙っているからです。
コンサルティングは、いわばフロントエンド商品なのです。ですので、割安で提供してでも受注し、バックエンドの業務ソフトの販売に結びつけようということなのかと思います。
また、調査業務のための人員を確保するとなると、固定費の増加を招きます。クライアントに業務を負担させ、それが双方にメリットをもたらすのなら、賢明な選択だといえるでしょう。
これと対比すると、従来は、重厚なサービスを付加し、価格を吊り上げ、業務負担と固定費リスクを増大させてきたのは、いったい何だったのかという気にさせられます。
より身軽なビジネスモデルへの転換で、売り手と買い手の双方にメリットをもたらすことがあり得るわけです。足し算ではなく、引き算の経営とでも言えるでしょうか。固定観念を捨て、見直してみることを考えてもよいと思います。
【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービス、そしてビジネスモデルについて、もっと身軽なものに転換できないか、考えてみよう。もしそうしたら、自社と顧客にどのようなメリットがもたらされるだろうか。もしかしたら、今までの悩みを解決する特効薬となるかも知れない。
<参考:日経産業新聞 2009.07.22【7面】>