【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2008年12月18日
マンションの査定を依頼するなら匿名がいい。
経営資源と言えば、ヒト・モノ・カネを意味しますが、4つ目として「情報」を付け加えることも多いですね。売れ筋商品は何か、これから何が流行するか、誰がどの商品を買いたがっているか等の情報は、非常に価値が高いです。
そのような情報を得るために、さまざまなマーケティング上の工夫が凝らされます。たとえば「誰がどの商品を買いたがっているか」を把握するためには、さまざまなオファーを提供します。
最も単純なものは「資料請求」でしょう。資料請求者は、明らかに対象商品に興味を抱いていて、資料と引き換えに個人情報を供出することになります。
個人情報を供出する側は、よほど無邪気でない限り、それが知られることで、売り込みをかけられることを心配します。そこで、資料請求のインセンティブとなる特典をプレゼントしたりします。
結局、「情報」を巡る「駆け引き」が行なわれるわけです。ですが、「駆け引き」により情報が流通しないとなると、売り手としてはデメリットです。情報流通の妨げは、ビジネス活性化の妨げにもなります。
12月18日付けの日経産業新聞に、「マンションを売却したい人がサイト経由で匿名で不動産会社に査定を依頼できる仕組み」についての記事が紹介されています。
「ネクストが運営する不動産サイト『ホームズ不動産売買』」で行なう「売却予定のマンションの査定仲介サービス」についてのことです。「匿名」なら、個人情報をむやみに供出しなくて済みます。
記事は、その点について、「売却する人は必要以上に個人情報を開示する必要がなく、不動産会社からの過剰な営業を避けられるメリットがある」と解説しています。
この仕組みでは、複数の不動産会社から、「買い取り査定額が提示される」ことになります。その中から最適と思われるものを選んだ段階で、はじめて「名前や連絡先などの個人情報を知らせ、売却の交渉をすることができる」わけです。
最終的には、個人情報を供出することとなりますが、本当に必要な状況になってからの話です。本来、それで十分なのだと思います。ムダに個人情報を集めても、管理にコストがかかるだけです。「過剰な営業」が迷惑だとすれば、売り手・買い手ともにメリットがあると言えるでしょう。
情報に価値があるからと言え、むやみやたらに個人情報を得ようとすることの弊害を感じさせられます。情報にも「質」の良し悪しがあります。良質な情報を得るために、フィルターを通過するのをじっくりと待つことも必要なのでしょう。
その「フィルターを通過」させるのに、最初の段階は「匿名」で自由にさせるのは、得策でしょう。情報供出が嫌われ、動きが活性化しなければ、何にもなりません。
記事によれば、この手のサイトで「最初に匿名で査定を依頼できるサービスは珍しい」そうです。冷やかしを避けるといった効果はあるでしょうが、「角を矯めて牛を殺す」ようではいけません。
そもそも、個人情報を巡る「駆け引き」があるというのは、互いの信頼関係の不足を示していると考えられます。その状態で、個人情報だけを入手しても、ビジネスとはなりにくいでしょう。
「まずは情報ありき」ではなく、まずは顧客に、その望むまま、自由に行動してもらうことが大切なのだと思います。ビジネスになるかどうかは、そこから先の話です。匿名でないがゆえに、実質的に門前払いしているとすれば、実にもったいないことですね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、見込み客の個人情報を、どの段階で入手しているだろうか。あまりに早いうちに入手しようとして、彼らの足を遠のけているかも知れない。まずは彼らが自由に行動できる環境を整えよう。
<参考:日経産業新聞 2008.12.18【18面】>
そのような情報を得るために、さまざまなマーケティング上の工夫が凝らされます。たとえば「誰がどの商品を買いたがっているか」を把握するためには、さまざまなオファーを提供します。
最も単純なものは「資料請求」でしょう。資料請求者は、明らかに対象商品に興味を抱いていて、資料と引き換えに個人情報を供出することになります。
個人情報を供出する側は、よほど無邪気でない限り、それが知られることで、売り込みをかけられることを心配します。そこで、資料請求のインセンティブとなる特典をプレゼントしたりします。
結局、「情報」を巡る「駆け引き」が行なわれるわけです。ですが、「駆け引き」により情報が流通しないとなると、売り手としてはデメリットです。情報流通の妨げは、ビジネス活性化の妨げにもなります。
12月18日付けの日経産業新聞に、「マンションを売却したい人がサイト経由で匿名で不動産会社に査定を依頼できる仕組み」についての記事が紹介されています。
「ネクストが運営する不動産サイト『ホームズ不動産売買』」で行なう「売却予定のマンションの査定仲介サービス」についてのことです。「匿名」なら、個人情報をむやみに供出しなくて済みます。
記事は、その点について、「売却する人は必要以上に個人情報を開示する必要がなく、不動産会社からの過剰な営業を避けられるメリットがある」と解説しています。
この仕組みでは、複数の不動産会社から、「買い取り査定額が提示される」ことになります。その中から最適と思われるものを選んだ段階で、はじめて「名前や連絡先などの個人情報を知らせ、売却の交渉をすることができる」わけです。
最終的には、個人情報を供出することとなりますが、本当に必要な状況になってからの話です。本来、それで十分なのだと思います。ムダに個人情報を集めても、管理にコストがかかるだけです。「過剰な営業」が迷惑だとすれば、売り手・買い手ともにメリットがあると言えるでしょう。
情報に価値があるからと言え、むやみやたらに個人情報を得ようとすることの弊害を感じさせられます。情報にも「質」の良し悪しがあります。良質な情報を得るために、フィルターを通過するのをじっくりと待つことも必要なのでしょう。
その「フィルターを通過」させるのに、最初の段階は「匿名」で自由にさせるのは、得策でしょう。情報供出が嫌われ、動きが活性化しなければ、何にもなりません。
記事によれば、この手のサイトで「最初に匿名で査定を依頼できるサービスは珍しい」そうです。冷やかしを避けるといった効果はあるでしょうが、「角を矯めて牛を殺す」ようではいけません。
そもそも、個人情報を巡る「駆け引き」があるというのは、互いの信頼関係の不足を示していると考えられます。その状態で、個人情報だけを入手しても、ビジネスとはなりにくいでしょう。
「まずは情報ありき」ではなく、まずは顧客に、その望むまま、自由に行動してもらうことが大切なのだと思います。ビジネスになるかどうかは、そこから先の話です。匿名でないがゆえに、実質的に門前払いしているとすれば、実にもったいないことですね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、見込み客の個人情報を、どの段階で入手しているだろうか。あまりに早いうちに入手しようとして、彼らの足を遠のけているかも知れない。まずは彼らが自由に行動できる環境を整えよう。
<参考:日経産業新聞 2008.12.18【18面】>
Posted by HANK@森 at 16:15│Comments(0)
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