【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年05月20日
使いやすさにこだわったノートに人気
起業支援の活動を始めて、もう満8年くらいになります。中小企業をターゲットとしたコンサルタントとして、新規事業開発の支援に携わった経験が生きています。ですが、それ以前の経験も、確実に現在の活動のバックグラウンドになっています。
私は、サラリーマンと専業主婦という、ごくありふれた家庭で生まれ、育ちました。ところが高校生の頃、自分の店を持ちたいと言いだして、母親が居酒屋を開業しました。
それからしばらくして、居酒屋が軌道に乗ったことから、今度は父親が会社を辞めて自分の店を持ちたいと言い始めました。当時の言葉で言えば、「脱サラ」です。そして文房具店を開店したのです。
実家が商家である人は多いでしょうが、両親がそれぞれ、別のビジネスで創業したという経験を持つ人は、あまり多くないと思います。ちょっと珍しいとも言えるこの生い立ちが、起業支援に熱を入れることができる基盤となっているのでしょう。
もし家業を継ぐとしたら、居酒屋と文房具屋のどちらを選ぶかと言えば、迷うことなく文房具屋だと思っていました。残念なことに、数年後、父は店へ通う途中で交通事故に遭い、命を落としてしまったため、文房具屋を継ぐことにはならなかったのですが。
いずれにしろ、子供の頃から文房具に対する愛着は強いです。恐らく父親譲りなのでしょう。百貨店・量販店・コンビニを問わず、今でも文具売り場に足を踏み入れると、胸がときめく思いがします。
5月20日付けの日本経済新聞に、「使いやすさにこだわったノートが人気だ」という記事をみつけました。「書き込む内容をきれいに整理できるよう、字をそろえるための点を打ったり、ページを分割したりしているのが特徴」なのだそうです。
いろいろな新商品やアイデア商品が次々とリリースされるのが、文房具の魅力です。とは言え、開発担当者には叱られてしまうかも知れませんが、「ノート」というありふれた商品に、まだ開発工夫の余地があったとは、素直に驚いてしまいました。
たとえばコクヨのキャンパスノートでは、「ページ内の横線にドット(点)を入れ」、「書きだしの位置をそろえたり、図や表を書いたりしやすい」工夫がなされています。
学研ステイフルの「コーネルメソッドノート」は、ページを3分割して、キーワードを書きだしたり、要点をまとめたりするのに便利なレイアウトになっています。
マルマンの「二ーモシネ」というノートもよく売れています。「ページの上辺にミシン目を入れて切り取れるようにし、会議の配布資料などとメモをまとめて管理」できるのだそうです。
進歩に限界はないということでしょうか。それとも、今まで進歩させるのを怠ってきた結果なのでしょうか。今さら紙のノートではないと考え、電子ツールに注目し過ぎていたということなのでしょうか。
仮にそうだとすると、いわゆる「先進的」なツールの登場により、印象が薄くなっている存在に、もっと目を向ける必要があるのではないか、という気がしてきます。
ノートの場合、印象が薄くなっているとしても、存在そのものは確固たる地位を保っています。意外な盲点だったかも知れません。自社の商品ラインナップの中に、そのような商品をみつけ出し、改善を加えることを考えてもよいのではないでしょうか。
【今日の教訓】
あなたの企業では、先進的な商品にばかり気をとられ、ありふれていながらも収益の柱となっている商品の改善・改良を怠ってはいないだろうか。開発工夫の余地を見出せば、さらなる収益拡大の可能性は大きいかも知れない。
<参考:日本経済新聞 2009.05.20【27面】>
私は、サラリーマンと専業主婦という、ごくありふれた家庭で生まれ、育ちました。ところが高校生の頃、自分の店を持ちたいと言いだして、母親が居酒屋を開業しました。
それからしばらくして、居酒屋が軌道に乗ったことから、今度は父親が会社を辞めて自分の店を持ちたいと言い始めました。当時の言葉で言えば、「脱サラ」です。そして文房具店を開店したのです。
実家が商家である人は多いでしょうが、両親がそれぞれ、別のビジネスで創業したという経験を持つ人は、あまり多くないと思います。ちょっと珍しいとも言えるこの生い立ちが、起業支援に熱を入れることができる基盤となっているのでしょう。
もし家業を継ぐとしたら、居酒屋と文房具屋のどちらを選ぶかと言えば、迷うことなく文房具屋だと思っていました。残念なことに、数年後、父は店へ通う途中で交通事故に遭い、命を落としてしまったため、文房具屋を継ぐことにはならなかったのですが。
いずれにしろ、子供の頃から文房具に対する愛着は強いです。恐らく父親譲りなのでしょう。百貨店・量販店・コンビニを問わず、今でも文具売り場に足を踏み入れると、胸がときめく思いがします。
5月20日付けの日本経済新聞に、「使いやすさにこだわったノートが人気だ」という記事をみつけました。「書き込む内容をきれいに整理できるよう、字をそろえるための点を打ったり、ページを分割したりしているのが特徴」なのだそうです。
いろいろな新商品やアイデア商品が次々とリリースされるのが、文房具の魅力です。とは言え、開発担当者には叱られてしまうかも知れませんが、「ノート」というありふれた商品に、まだ開発工夫の余地があったとは、素直に驚いてしまいました。
たとえばコクヨのキャンパスノートでは、「ページ内の横線にドット(点)を入れ」、「書きだしの位置をそろえたり、図や表を書いたりしやすい」工夫がなされています。
学研ステイフルの「コーネルメソッドノート」は、ページを3分割して、キーワードを書きだしたり、要点をまとめたりするのに便利なレイアウトになっています。
マルマンの「二ーモシネ」というノートもよく売れています。「ページの上辺にミシン目を入れて切り取れるようにし、会議の配布資料などとメモをまとめて管理」できるのだそうです。
進歩に限界はないということでしょうか。それとも、今まで進歩させるのを怠ってきた結果なのでしょうか。今さら紙のノートではないと考え、電子ツールに注目し過ぎていたということなのでしょうか。
仮にそうだとすると、いわゆる「先進的」なツールの登場により、印象が薄くなっている存在に、もっと目を向ける必要があるのではないか、という気がしてきます。
ノートの場合、印象が薄くなっているとしても、存在そのものは確固たる地位を保っています。意外な盲点だったかも知れません。自社の商品ラインナップの中に、そのような商品をみつけ出し、改善を加えることを考えてもよいのではないでしょうか。
【今日の教訓】
あなたの企業では、先進的な商品にばかり気をとられ、ありふれていながらも収益の柱となっている商品の改善・改良を怠ってはいないだろうか。開発工夫の余地を見出せば、さらなる収益拡大の可能性は大きいかも知れない。
<参考:日本経済新聞 2009.05.20【27面】>