【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年01月29日
音楽ソフトの通販ルート売上比率が上昇中です
事業を定義する際は、3つの要素で考えます。すなわち、「顧客」「商品」「販売システム」の3つです。どれか1つでも異なれば、違う事業単位となります。新規事業のアイデアを生むためには、どれか1つを変えてみればどうか、と考えてみます。
「顧客」と「商品」の組み合わせが同じであり、市場規模も縮小していないのに、売上が急減したとします。その場合、「販売システム」に原因があると考えることができます。
「販売システム」は、販売チャネルと考えてもよいでしょう。顧客視点で言えば、同じ商品でも、今までとは別の店で買うようになれば、「販売システム」が変わったことになります。
どのような「顧客」「商品」「販売システム」の組み合わせを狙うかが、まさに戦略です。上述のように、そのうちの「販売システム」の選択を間違えると、同じ「顧客」「商品」でも、成果を上げられないことになります。
1月29日付けの日経産業新聞に、「ユニバーサルミュージックは会員組織を新設し、音楽ソフトの通信販売事業を本格展開する」という記事が掲載されています。
CDやDVD、BD(ブルーレイ・ディスク)のような音楽ソフトは、かつては「レコード屋」で買うものでした。しかし今や、「販売システム」が変わってきています。
そのことについて、記事は、「小売店での音楽ソフト販売が減速傾向にある中で、通販など特定ルート向けに企画・販売する特販商品は、レコード会社の売上高に占める比重が高まりつつある」と指摘しています。
小売店で1枚ずつ売るのではなく、会員組織を立ち上げ、通信販売という売り方で売る。その新しい売り方(販売システム)での販売を伸ばそうというわけです。
事業単位が異なれば、事業のコンセプトも違ってくるので、組織は分けた方がよいです。記事によれば、「ビクターエンタテインメントと星光堂は特販商品に特化した共同出資会社を2月に設立する」とのことです。セオリー通りの取り組みです。
ユニバーサルミュージックが立ち上げる会員組織では、「クラシック音楽と、海外の音楽とゆかりの深い美しい風景をハイビジョン映像で収録した」という「音楽・夢紀行」なる商品を、「全24巻セットから1巻ずつ毎月届ける」のだそうです。いわゆる頒布会方式の売り方です。
ターゲット顧客は「普段は音楽ソフトの購入金額が少ない50~60代」の人たちとなります。事業の3要素のうち、「販売システム」を変えることで、「顧客」の潜在需要を顕在化させることができるわけです。
「商品」についても、従来の音楽ソフトとは異なり、セットものとなります。事業の3要素のうち、「販売システム」の変更に伴い、「商品」も変更になっています。
「顧客」「商品」「販売システム」は、それぞれ独立した別個の存在ではなく、相互に依存しています。考えてみれば当然のことでしょう。女性向けの商品を買うのは、主に女性であり、女性が好むお店も、ある程度は特定されるからです。
業績を拡大する戦略を策定するにあたっては、冒頭で述べたとおり、「顧客」「商品」「販売システム」のうち、まずはいずれかの要素を変えることを考えてみると、ヒントを得られます。
しかし実際に成果を上げるには、単純に1つを変えるだけでは不十分で、1つを変えることに伴い、残りの2つもアレンジしていくことが必要となります。結果として、3つの要素がそれぞれ、上手い具合に最適化されることになるわけです。
【今日の教訓】
「顧客」「商品」「販売システム」のうち、まずはどれか1つを変えることで、新たな事業を立ち上げられないか、考えてみよう。それを具体化するにあたっては、その1つだけではなく、他の2つの要素についても変更を加え、最適化しよう。
<参考:日経産業新聞 2009.01.29【4面】>
「顧客」と「商品」の組み合わせが同じであり、市場規模も縮小していないのに、売上が急減したとします。その場合、「販売システム」に原因があると考えることができます。
「販売システム」は、販売チャネルと考えてもよいでしょう。顧客視点で言えば、同じ商品でも、今までとは別の店で買うようになれば、「販売システム」が変わったことになります。
どのような「顧客」「商品」「販売システム」の組み合わせを狙うかが、まさに戦略です。上述のように、そのうちの「販売システム」の選択を間違えると、同じ「顧客」「商品」でも、成果を上げられないことになります。
1月29日付けの日経産業新聞に、「ユニバーサルミュージックは会員組織を新設し、音楽ソフトの通信販売事業を本格展開する」という記事が掲載されています。
CDやDVD、BD(ブルーレイ・ディスク)のような音楽ソフトは、かつては「レコード屋」で買うものでした。しかし今や、「販売システム」が変わってきています。
そのことについて、記事は、「小売店での音楽ソフト販売が減速傾向にある中で、通販など特定ルート向けに企画・販売する特販商品は、レコード会社の売上高に占める比重が高まりつつある」と指摘しています。
小売店で1枚ずつ売るのではなく、会員組織を立ち上げ、通信販売という売り方で売る。その新しい売り方(販売システム)での販売を伸ばそうというわけです。
事業単位が異なれば、事業のコンセプトも違ってくるので、組織は分けた方がよいです。記事によれば、「ビクターエンタテインメントと星光堂は特販商品に特化した共同出資会社を2月に設立する」とのことです。セオリー通りの取り組みです。
ユニバーサルミュージックが立ち上げる会員組織では、「クラシック音楽と、海外の音楽とゆかりの深い美しい風景をハイビジョン映像で収録した」という「音楽・夢紀行」なる商品を、「全24巻セットから1巻ずつ毎月届ける」のだそうです。いわゆる頒布会方式の売り方です。
ターゲット顧客は「普段は音楽ソフトの購入金額が少ない50~60代」の人たちとなります。事業の3要素のうち、「販売システム」を変えることで、「顧客」の潜在需要を顕在化させることができるわけです。
「商品」についても、従来の音楽ソフトとは異なり、セットものとなります。事業の3要素のうち、「販売システム」の変更に伴い、「商品」も変更になっています。
「顧客」「商品」「販売システム」は、それぞれ独立した別個の存在ではなく、相互に依存しています。考えてみれば当然のことでしょう。女性向けの商品を買うのは、主に女性であり、女性が好むお店も、ある程度は特定されるからです。
業績を拡大する戦略を策定するにあたっては、冒頭で述べたとおり、「顧客」「商品」「販売システム」のうち、まずはいずれかの要素を変えることを考えてみると、ヒントを得られます。
しかし実際に成果を上げるには、単純に1つを変えるだけでは不十分で、1つを変えることに伴い、残りの2つもアレンジしていくことが必要となります。結果として、3つの要素がそれぞれ、上手い具合に最適化されることになるわけです。
【今日の教訓】
「顧客」「商品」「販売システム」のうち、まずはどれか1つを変えることで、新たな事業を立ち上げられないか、考えてみよう。それを具体化するにあたっては、その1つだけではなく、他の2つの要素についても変更を加え、最適化しよう。
<参考:日経産業新聞 2009.01.29【4面】>