【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年04月27日
依頼下手、任せ下手を克服するために必要なこと
時間術の本などを読むと、いかに他人に仕事を依頼するか、あるいは頼まれ事を断るか、といったことが時間節約のカギだと書かれていたりします。
他人に依頼をしつつ、他人からの依頼を断るというのは、何とも図々しい話のようにも思えますが、うまくバランスをとることが大切なのでしょう。
戦略の要諦である「選択と集中」の観点からみれば、自分のなすべきことを取捨選択することは、理に適っています。それを実現するのに、依頼すること、依頼を断ることは、どうしてもついて回るものです。
他人に物事を依頼できないのは、断られるのを恐れたり、図々しいと思われたくなかったり、といった理由が考えられます。人間としての、ちょっとした心の弱さの表われと言えるでしょうか。
これは自分にしかできない、という自負心もあるでしょう。ですがそれは、単なる思い込みに過ぎないかも知れません。実際、どうしても自分でできない状況に追い込まれ、他人に依頼してみると、意外とうまくいったりすることは多いものです。
4月27日付けの日本経済新聞に、「タカラトミーは新入社員研修の手法を一新した」という記事が掲載されています。「講義の準備作業など従来は人事部が手掛けていた仕事を新入社員に一任する」とのことです。
狙いは「人事部頼みになりがちだった傾向を改め、自発的に研修に取り組むようにする」ことだそうです。すべて人事部がお膳立てする必要があるというのは「思い込み」に過ぎなかったわけです。具体的には、「研修の部屋のレイアウト決め、書類や用具の準備」のほか、研修内容を担当講師に確認したり、「研修後の宴席の企画や余興の準備」を新入社員に任せます。
上司・部下の関係であれば、「依頼する」は「任せる」に表現を変えることができますね。そうなれば、「図々しい」という感覚もなくなるでしょう。上司・部下の関係でなくても、適任者に「任せる」と考えれば、「依頼する」ことの抵抗感は、薄まるように思います。
タカラトミーが実際に新入社員に任せる業務は、新入社員でも十分にこなせるものです。記事は「社会人の付随業務を研修期間中に体験させる」と解説しています。座学だけでなく、有意義な体験をさせることも、研修の一環だと言えるでしょう。
研修での講義は講師にしかできないかも知れませんが、研修の準備は新入社員でもできるのです。同様に、「自分にしかできない」と思える業務も、細分化すれば、依頼したり任せたりできる部分も、かなりあるはずです。
「選択と集中」の考え方は、物事をまずは細分化して、はじめて成り立ちます。細分化するから、どれかを選び、集中することができます。「ドンブリ勘定」で「自分にしかできない」と決めつけてはいけませんね。細分化しないから、すべてを一人で抱えることになってしまうのです。
逆に、他人に任せて失敗するとしたら、それもまた、業務を細分化して考えていないからです。任せてよいこと、よくないことの区分が不明確で、「丸投げ」状態になってしまっているわけです。
もちろん、結果として、すべてを任せるケースも起こり得ます。しかしそれは、細分化されたパーツのすべてについて、任せても大丈夫だという判断があればこそでしょう。
任せるのが上手な人は、その勘どころをしっかりと押さえています。どのタイミングで報告すべきか、どの部分は判断を仰ぎ、どの部分は自分の裁量で進めてよいのか、明確に指示をすることができているわけです。
【今日の教訓】
あなたが自分の仕事だと思っていることのうち、どの部分なら、他人に任せることができるだろうか。「自分にしかできない」は思い込みに過ぎない。仕事を細分化した上で、本当に自分にしかできないのかどうか、考えてみよ。「選択と集中」の観点で仕事に取り組むのなら、欠かせない視点のはずだ。
<参考:日本経済新聞 2009.04.27【11面】>
他人に依頼をしつつ、他人からの依頼を断るというのは、何とも図々しい話のようにも思えますが、うまくバランスをとることが大切なのでしょう。
戦略の要諦である「選択と集中」の観点からみれば、自分のなすべきことを取捨選択することは、理に適っています。それを実現するのに、依頼すること、依頼を断ることは、どうしてもついて回るものです。
他人に物事を依頼できないのは、断られるのを恐れたり、図々しいと思われたくなかったり、といった理由が考えられます。人間としての、ちょっとした心の弱さの表われと言えるでしょうか。
これは自分にしかできない、という自負心もあるでしょう。ですがそれは、単なる思い込みに過ぎないかも知れません。実際、どうしても自分でできない状況に追い込まれ、他人に依頼してみると、意外とうまくいったりすることは多いものです。
4月27日付けの日本経済新聞に、「タカラトミーは新入社員研修の手法を一新した」という記事が掲載されています。「講義の準備作業など従来は人事部が手掛けていた仕事を新入社員に一任する」とのことです。
狙いは「人事部頼みになりがちだった傾向を改め、自発的に研修に取り組むようにする」ことだそうです。すべて人事部がお膳立てする必要があるというのは「思い込み」に過ぎなかったわけです。具体的には、「研修の部屋のレイアウト決め、書類や用具の準備」のほか、研修内容を担当講師に確認したり、「研修後の宴席の企画や余興の準備」を新入社員に任せます。
上司・部下の関係であれば、「依頼する」は「任せる」に表現を変えることができますね。そうなれば、「図々しい」という感覚もなくなるでしょう。上司・部下の関係でなくても、適任者に「任せる」と考えれば、「依頼する」ことの抵抗感は、薄まるように思います。
タカラトミーが実際に新入社員に任せる業務は、新入社員でも十分にこなせるものです。記事は「社会人の付随業務を研修期間中に体験させる」と解説しています。座学だけでなく、有意義な体験をさせることも、研修の一環だと言えるでしょう。
研修での講義は講師にしかできないかも知れませんが、研修の準備は新入社員でもできるのです。同様に、「自分にしかできない」と思える業務も、細分化すれば、依頼したり任せたりできる部分も、かなりあるはずです。
「選択と集中」の考え方は、物事をまずは細分化して、はじめて成り立ちます。細分化するから、どれかを選び、集中することができます。「ドンブリ勘定」で「自分にしかできない」と決めつけてはいけませんね。細分化しないから、すべてを一人で抱えることになってしまうのです。
逆に、他人に任せて失敗するとしたら、それもまた、業務を細分化して考えていないからです。任せてよいこと、よくないことの区分が不明確で、「丸投げ」状態になってしまっているわけです。
もちろん、結果として、すべてを任せるケースも起こり得ます。しかしそれは、細分化されたパーツのすべてについて、任せても大丈夫だという判断があればこそでしょう。
任せるのが上手な人は、その勘どころをしっかりと押さえています。どのタイミングで報告すべきか、どの部分は判断を仰ぎ、どの部分は自分の裁量で進めてよいのか、明確に指示をすることができているわけです。
【今日の教訓】
あなたが自分の仕事だと思っていることのうち、どの部分なら、他人に任せることができるだろうか。「自分にしかできない」は思い込みに過ぎない。仕事を細分化した上で、本当に自分にしかできないのかどうか、考えてみよ。「選択と集中」の観点で仕事に取り組むのなら、欠かせない視点のはずだ。
<参考:日本経済新聞 2009.04.27【11面】>