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HANK@森
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銀座コーチングスクール代表、株式会社アンテレクト・取締役副社長、週末起業フォーラム・チーフコンサルタントです。2005年12月から大阪事務所を構え、月のうち1週間程度を大阪で過ごしています。 中小企業の戦略経営コンサルティングを80社以上。週末起業フォーラム・チーフコンサルタントとして、年間200件程度の相談に対応&コーチング。銀座コーチングスクールのカリキュラム体系の構築、個人の体験を掘り下げ、自己基盤を確立しながらセッション力を高める独自メソッド「CASPARモデル」を開発。メルマガ「経営戦略考」を発行し、読者数約5万。
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Posted by オオサカジン運営事務局 at

2009年03月24日

料理人向けの情報サイト「ぐるなびシェフ」

コンサルティングのスタート時は、クライアントのビジネスモデルを徹底的に研究します。どのような仕組みで商品が売れるのか、まずはそれを解明します。

その際は、商品が販売される現場から、さかのぼっていくことがあります。「風が吹けば桶屋が儲かる」を、逆からたどるわけです。それは、顧客の行動や心理を分析することにもつながります。

すると、特定の商品の売れ行きをよくするための「条件」が見えてきたりもします。「将を射んと欲すればまず馬を射よ」という言葉のように、「将」だけでなく「馬」も視野に入れる必要があることに気づいたりします。

3月24日付けの日経産業新聞に、「飲食店検索大手のぐるなびは24日、料理人向けの情報を掲載するサイト『ぐるなびシェフ』を立ち上げる」という記事が掲載されています。

「主に若手や、これから開業を控える料理人を対象に、地方の珍しい食材情報や調理の基礎技術が学べる動画コンテンツなどを掲載」するそうです。

狙いは「シェフに役立つ情報の提供を通じて、飲食店と地方の生産者、ぐるなびの連携を強化する」ことです。ぐるなびのサイトのエンドユーザは、基本的には消費者ですが、今回の取り組みは、シェフをエンドユーザとし、生産者の注目も集めるものです。

ぐるなびの真の顧客は、加盟料等を支払う飲食店であり、シェフが意思決定者となる場合も多いでしょう。とは言え、消費者向けのサイトのエンドユーザではない分、現実的な関係としては、比較的疎遠なように思います。


ですが、ぐるなびシェフが立ち上がることで、シェフとぐるなびの関係は、一挙に近づきますね。加盟店集めのプロモーション策としても、有効に機能するでしょう。記事の「若手や、これから開業を控える料理人を対象に」という記述から、それは明らかです。

「将」と「馬」の関係で言えば、実際に加盟料を払うシェフが「将」で、ぐるなび経由で予約を入れる消費者が「馬」となります。消費者がたくさん利用すればするほど、加盟する魅力が高まるからです。

ぐるなびの場合、加盟店開拓は訪問営業により行なってきたようです。もちろん、ぐるなびのサイトでも、加盟店を募集していますが、基本的には消費者向けサイトなので、訴求は弱いです。だからこそ、訪問営業が必要となるわけですね。

今回の取り組みは、「将」であるシェフに、直接かつ広くアプローチする仕組みとなります。「将を射んと欲すればまず馬を射よ」とは言いますが、直接「将」にアプローチする仕組みが弱いとすれば、それはそれで問題だと言えるでしょう。ぐるなびシェフは、その問題を解決する存在です。いずれにしろ、両面を押さえれば、強いわけです。

また、ぐるなびは、各加盟店をサポートする仕組みが整っていることでも知られています。今回の取り組みは、その一環でもあるでしょう。顧客にとって、なくてはならない存在になる手を、着々と打っているわけですね。

訪問営業で加盟店顧客を集め、手厚いサポートを提供します。さらには、サービス提供の対象を未加盟店にまで広げ、加盟店拡大へと結び付けていく。エンドユーザたる消費者の利用も活発です。

「将を射んと欲すればまず馬を射よ」というのは、言ってみれば「線」を押さえる取り組みです。ぐるなびの今回の取り組みは、「将」も「馬」も、一網打尽に取り込んでしまうような、「面」の施策だと言えるでしょう。

【今日の教訓】
あなたの企業は、自社の商品を拡販するための仕組みを、どのように構築しているだろうか。ロジカルにつながる「線」の仕組みを押さえたら、「面」の施策の構築に取り掛かろう。そうすることで、「顧客にとって、なくてはならない存在」になることができる。

<参考:日経産業新聞 2009.03.24【4面】>
  


Posted by HANK@森 at 20:14Comments(0)ビジネス