【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年03月10日
12,000円のソウル行きパッケージ旅行!
物品の整理整頓のコツは、それぞれの定位置を決めておくことだそうです。使い終わったらも、元の場所にきちんと戻す。簡単なようで、意外と出来ていなかったりします。
定位置に納めておかないものは、漂流を続け、挙句の果ては紛失したり。もったいないことですね。また、探す手間が仕事の生産性を下げるとも、よく言われます。
これをビジネスに結びつけて考えると、消費の「定位置」をいかに確保することが大事だということに気づきます。つまり、顧客の財布の中身の一定部分を、確実かつ継続的に取り込めるような商品・サービスを提供することです。
「定位置」を確保できていないと、物品と同様、「漂流を続け、挙句の果ては紛失したり」といったことになります。つまり、せっかくの消費を自社の収益にすることができなくなるわけです。やはり、もったいないことですね。
3月10日付けの日本経済新聞に、「エイチ・アイ・エス(HIS)は9日、料金を12,000円(燃油サーチャージ込み)に抑えた韓国・ソウル行きパッケージ旅行を14日に発売すると発表した」という記事が掲載されています。
12,000円とは、かなりの激安価格です。この金額は、例の「定額給付金」に由来します。さすがにこの価格では厳しいようで、「先着200人の限定商品」となるようではありますが。
言ってみれば「便乗」なのですが、ともすれば「漂流」してしまいそうな給付金を取り込むために、明確な「定位置」を提案するのは、一定の効果がありそうです。
この旅行商品の名称は、ズバリ「定額給付金で行く!ソウル3日間」。「きっと誰かがやるだろう」と思っていたので、さほど驚くことはありません。(当社も何かできないかと考えていたくらいです)
試しに「定額給付金 旅行」で検索すると、日本航空やJTB、近畿日本ツーリスト、さらには各観光地でも、給付金を当て込んだ企画や商品が次々と登場しています。
旅行業界だけではありません。百貨店などでも、給付金を意識したセールが企画されています。貯蓄に回り、景気刺激効果は薄いのではないかと懸念されていた給付金だが、そうでもなさそうです。民間の活力と言うべきでしょうか。
何か一つのことが起きれば、さらに別の何かが誘発されます。戦略を考えるのなら、自社の打ち手がどのように環境に影響するかを考えなければなりません。常に事態は変化するのですから。
定額給付金についても、それだけをとらえれば、将来への不安を抱えている現在、貯蓄に回るだけだという判断になります。しかし、そう単純ではありません。今回の記事では、見事に企業が反応しています。
漠然と貯蓄に回そうと考えていた人も、購買意欲をそそるような「定額給付金キャンペーン」の類を目にすれば、消費の誘惑に負ける確率は高いでしょう。こんなセールや特売があると聞けば、定額給付金に対する印象も変わります。
将棋で最も大切なルールは、交互に打つことだそうです。ヘボな指し手は、相手の反撃があることを忘れて打ち、負けます。要は、一つの物事が引き起こす影響を、つい見逃してしまうということです。
経営において、環境変化を予測することは欠かせません。それを予測し、手を打ったつもりでも、自社の打ち手がもたらす市場やライバルの反応までは考えていなかったりします。愚かなことだが、よくあることでもあります。
【今日の教訓】
あなたは、自社の戦略の推進にあたり、市場やライバル等がどのように反応するか、しっかり予測しているだろうか。プレイヤーは、あなたの企業だけではないのだ。
<参考:日本経済新聞 2009.03.10【9面】>
定位置に納めておかないものは、漂流を続け、挙句の果ては紛失したり。もったいないことですね。また、探す手間が仕事の生産性を下げるとも、よく言われます。
これをビジネスに結びつけて考えると、消費の「定位置」をいかに確保することが大事だということに気づきます。つまり、顧客の財布の中身の一定部分を、確実かつ継続的に取り込めるような商品・サービスを提供することです。
「定位置」を確保できていないと、物品と同様、「漂流を続け、挙句の果ては紛失したり」といったことになります。つまり、せっかくの消費を自社の収益にすることができなくなるわけです。やはり、もったいないことですね。
3月10日付けの日本経済新聞に、「エイチ・アイ・エス(HIS)は9日、料金を12,000円(燃油サーチャージ込み)に抑えた韓国・ソウル行きパッケージ旅行を14日に発売すると発表した」という記事が掲載されています。
12,000円とは、かなりの激安価格です。この金額は、例の「定額給付金」に由来します。さすがにこの価格では厳しいようで、「先着200人の限定商品」となるようではありますが。
言ってみれば「便乗」なのですが、ともすれば「漂流」してしまいそうな給付金を取り込むために、明確な「定位置」を提案するのは、一定の効果がありそうです。
この旅行商品の名称は、ズバリ「定額給付金で行く!ソウル3日間」。「きっと誰かがやるだろう」と思っていたので、さほど驚くことはありません。(当社も何かできないかと考えていたくらいです)
試しに「定額給付金 旅行」で検索すると、日本航空やJTB、近畿日本ツーリスト、さらには各観光地でも、給付金を当て込んだ企画や商品が次々と登場しています。
旅行業界だけではありません。百貨店などでも、給付金を意識したセールが企画されています。貯蓄に回り、景気刺激効果は薄いのではないかと懸念されていた給付金だが、そうでもなさそうです。民間の活力と言うべきでしょうか。
何か一つのことが起きれば、さらに別の何かが誘発されます。戦略を考えるのなら、自社の打ち手がどのように環境に影響するかを考えなければなりません。常に事態は変化するのですから。
定額給付金についても、それだけをとらえれば、将来への不安を抱えている現在、貯蓄に回るだけだという判断になります。しかし、そう単純ではありません。今回の記事では、見事に企業が反応しています。
漠然と貯蓄に回そうと考えていた人も、購買意欲をそそるような「定額給付金キャンペーン」の類を目にすれば、消費の誘惑に負ける確率は高いでしょう。こんなセールや特売があると聞けば、定額給付金に対する印象も変わります。
将棋で最も大切なルールは、交互に打つことだそうです。ヘボな指し手は、相手の反撃があることを忘れて打ち、負けます。要は、一つの物事が引き起こす影響を、つい見逃してしまうということです。
経営において、環境変化を予測することは欠かせません。それを予測し、手を打ったつもりでも、自社の打ち手がもたらす市場やライバルの反応までは考えていなかったりします。愚かなことだが、よくあることでもあります。
【今日の教訓】
あなたは、自社の戦略の推進にあたり、市場やライバル等がどのように反応するか、しっかり予測しているだろうか。プレイヤーは、あなたの企業だけではないのだ。
<参考:日本経済新聞 2009.03.10【9面】>
タグ :定額給付金