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HANK@森
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銀座コーチングスクール代表、株式会社アンテレクト・取締役副社長、週末起業フォーラム・チーフコンサルタントです。2005年12月から大阪事務所を構え、月のうち1週間程度を大阪で過ごしています。 中小企業の戦略経営コンサルティングを80社以上。週末起業フォーラム・チーフコンサルタントとして、年間200件程度の相談に対応&コーチング。銀座コーチングスクールのカリキュラム体系の構築、個人の体験を掘り下げ、自己基盤を確立しながらセッション力を高める独自メソッド「CASPARモデル」を開発。メルマガ「経営戦略考」を発行し、読者数約5万。
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Posted by オオサカジン運営事務局 at

2009年02月23日

ニトリ快進撃の秘密とは?

不況の直撃を受けた企業が何とか生き残りを図るには、どうすることが必要でしょうか。多くの企業では、固定費を削減し、損益分岐点を引き下げることを考えます。

そのようなことは、今まで何度も行なわれてきました。具体的には、人員削減や工場の閉鎖といった取り組みです。やむを得ないことではありますが、それによるダメージもまた、取り沙汰されます。

固定費は、決して「必要悪」なのではありません。収益を稼ぐエンジンのようなものです。エンジンを小さくしてしまえば、当然、収益力などの「出力」が衰えます。それがダメージとなります。

とは言え、エンジンの「燃費」が悪ければ、やはりこのエンジンではマズいということになります。その判断が難しいところですが、それが経営というものでしょう。

2月23日付けの日経MJ(流通新聞)に、ニトリの記事が掲載されています。記事によれば、「2009年2月期に22期連続の増収増益を見込む」という優良企業です。

この会社の経営の特徴について、記事は「商品数の7割を独自で企画し、景気に応じて値段を自在にコントロールできる経営は不況期ほど力を発揮する」と解説しています。

また、ニトリ自身は自社を「SPA(製造小売り)でなく製造物流小売業」と定義しています。これは、「商品の企画、製造、販売はもちろん、物流や検査まですべての業務を自前で賄う超SPAを意味している」のだそうです。


「値段を自在にコントロールできる」のは、すべての業務を自社で行なうことで、自助努力によるコスト管理ができるからです。また、どこで利益を稼ぐか(稼がないのか)、柔軟に決めることもできるでしょう。

ならば、どの企業もこの仕組みをにすればよいはずですが、そういう訳にもいきません。このやり方では、固定費が膨れ上がり、とても耐えられないからです。

多くのアウトソーシングビジネスが成り立つのは、自社でやるよりも、外注した方が安上がりで品質も確保できると、考える企業が多いからです。

そのため、業務の特定部分に「選択と集中」をし、「持たざる経営」で成功している企業が注目されることもあります。二トリと比較すれば、全くの両極端となりますが、どちらも成功できるというのが興味深いです。

記事によると、二トリの「憲法」は、(1)安さ (2)安さ (3)安さ であり、(4)が「適正な品質」となります。固定費を使いながらも、コスト削減の努力は半端でなく、「燃費」の向上への追求には、すさまじいものがあります。

経営者の重要な仕事は、資源の配分を決めることですが、配分さえすれば、自然と結果が出てくるというわけではありません。エンジンを大きくしたら、運転時には、燃費をコントロールした上で、最大限の出力を生むようなマネジメントが必要です。

その方向性が「憲法」で示され、ニトリの社長は、そのための徹底的な議論を尽くします。そうでなくては、この仕組みは成り立ちにくいでしょう。その分、他社はなかなかマネができません。

記事は「国内では今のところ死角はない。不況は長引きそうで、逆風は二トリの成長をさらに押し上げそうだ」としています。マネできないのも当然で、固定費をカットするという、通常の不況対策とは逆を行っているからなのです。

【今日の教訓】
あなたの企業では、不況対策として固定費の削減を考えているのではないだろうか。しかしその前に、固定費の「燃費」を改善し、最大限の出力を得るための最大限の努力をしただろうか。固定費というエンジンを、いかにうまく運転するかが、経営の技術だ。

<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.02.23【1面】>

  
タグ :ニトリ


Posted by HANK@森 at 22:13Comments(0)ビジネス