【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年02月09日
値下げは値札の書き換えではない。
ビジネスプランを考える際は、このビジネスでの競争に勝つためのカギとなるポイントは何か、押さえる必要があります。そのことをKFS(Key Factor for Success)と呼んだりもします。
頭の中で想像することも可能といえば可能ですが、できれば、データにより検証したいところです。その際に役立つのが、同業の複数社を比較してみることです。
業種によって不況・好況が明確に分かれるケースも多いですが、同じ業界の中でも、業績の良い企業と悪い企業がはっきりと区別されることもあり、極端な場合は、業績が「二極化」します。
対極にあるそれぞれの企業(群)について、ビジネスモデルや戦略・戦術の特徴がわかれば、それが成否のカギだということがわかります。競争の「ルール」が判明するわけです。
2月9日付けの日経MJ(流通新聞)に、「食品スーパーでの収益力の二極化が鮮明になってきた」という記事が掲載されています。記事の見出しに「二極化」という言葉があれば、その違いは何なのかを必ずチェックし、「ルール」を確認してみるとよいでしょう。
食品スーパーの場合、記事によれば、「セールや値下げを強化した」企業が「好調を維持している」そうです。その反対に、「対応が遅れ」、大手の「値下げ攻勢で苦戦を強いられる」ケースが起きているといいます。
結局のところ価格競争か、という話では面白くないのですが、現実は現実として、受け入れる必要があるでしょう。安易なことでは困りますが、適切かつ機敏な値下げ対応は、業績を確保する武器であることは間違いありません。
記事で「好調」として取り上げられているのが、まずマルエツ。「既存店売上高は昨年12月まで26カ月連続で前年同月を上回り、1月も増収を維持しもようだ」とのこと。「好調持続の最大のカギは徹底した低価格戦略」だと記事は解説しています。
また、「オオゼキは直接仕入れなどを拡大し、青果の値引き販売を実施」したことで、「集客に大きな効果がでている」そうです。「ヤオコーの2008年4~12月期連結決算は営業利益が12%伸びた」といいます。特売セールの頻繁な実施と「商品の量を減らしてでも単価を下げる手
法を併用している」そうです。
「一方、売り上げが伸び悩むスーパーも増えている」として、まずエコスが取り上げられています。「品ぞろえを大手総合スーパー並みに広げた結果、加工食品などの仕入れ効率が悪化し、十分に値下げができなかった」とのこと。
そのほか、好調事例として、「均一セールが奏功」したとしてライフコーポレーションが、不振事例として「価格志向への対応が弱かった」とするいなげやが取り上げられています。
いずれにしろ、現象としては「セールと値下げ」が出来たか出来なかったの違いですが、戦略的見地では、「選択と集中」の徹底・不徹底が勝敗を分けています。
特にエコスの場合はわかりやすいです。品ぞろえの拡散が、価格競争力の低下を招いてしまったわけです。「値下げ」とは、値札を書き換える作業のことではないのです。それが出来る仕組みの裏付けがあって、初めて実現し得る技術だと認識する必要がありますす。
「結局のところ価格競争か、という話では面白くない」と先述しましたが、実のところ、その裏側を読み解くことが大切です。日頃の戦略的な取り組みが、いざという時にものを言うのです。
【今日の教訓】
あなたは、自社が属する業界で成功を収めるためのカギは何か、明確に意識しているだろうか。そのカギを押さえるために、どのような仕掛けが必要かを意識した上で、戦略を立てているだろうか。それが出来ていないと、環境変化の波に翻弄されることとなる。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.02.08【7面】>
頭の中で想像することも可能といえば可能ですが、できれば、データにより検証したいところです。その際に役立つのが、同業の複数社を比較してみることです。
業種によって不況・好況が明確に分かれるケースも多いですが、同じ業界の中でも、業績の良い企業と悪い企業がはっきりと区別されることもあり、極端な場合は、業績が「二極化」します。
対極にあるそれぞれの企業(群)について、ビジネスモデルや戦略・戦術の特徴がわかれば、それが成否のカギだということがわかります。競争の「ルール」が判明するわけです。
2月9日付けの日経MJ(流通新聞)に、「食品スーパーでの収益力の二極化が鮮明になってきた」という記事が掲載されています。記事の見出しに「二極化」という言葉があれば、その違いは何なのかを必ずチェックし、「ルール」を確認してみるとよいでしょう。
食品スーパーの場合、記事によれば、「セールや値下げを強化した」企業が「好調を維持している」そうです。その反対に、「対応が遅れ」、大手の「値下げ攻勢で苦戦を強いられる」ケースが起きているといいます。
結局のところ価格競争か、という話では面白くないのですが、現実は現実として、受け入れる必要があるでしょう。安易なことでは困りますが、適切かつ機敏な値下げ対応は、業績を確保する武器であることは間違いありません。
記事で「好調」として取り上げられているのが、まずマルエツ。「既存店売上高は昨年12月まで26カ月連続で前年同月を上回り、1月も増収を維持しもようだ」とのこと。「好調持続の最大のカギは徹底した低価格戦略」だと記事は解説しています。
また、「オオゼキは直接仕入れなどを拡大し、青果の値引き販売を実施」したことで、「集客に大きな効果がでている」そうです。「ヤオコーの2008年4~12月期連結決算は営業利益が12%伸びた」といいます。特売セールの頻繁な実施と「商品の量を減らしてでも単価を下げる手
法を併用している」そうです。
「一方、売り上げが伸び悩むスーパーも増えている」として、まずエコスが取り上げられています。「品ぞろえを大手総合スーパー並みに広げた結果、加工食品などの仕入れ効率が悪化し、十分に値下げができなかった」とのこと。
そのほか、好調事例として、「均一セールが奏功」したとしてライフコーポレーションが、不振事例として「価格志向への対応が弱かった」とするいなげやが取り上げられています。
いずれにしろ、現象としては「セールと値下げ」が出来たか出来なかったの違いですが、戦略的見地では、「選択と集中」の徹底・不徹底が勝敗を分けています。
特にエコスの場合はわかりやすいです。品ぞろえの拡散が、価格競争力の低下を招いてしまったわけです。「値下げ」とは、値札を書き換える作業のことではないのです。それが出来る仕組みの裏付けがあって、初めて実現し得る技術だと認識する必要がありますす。
「結局のところ価格競争か、という話では面白くない」と先述しましたが、実のところ、その裏側を読み解くことが大切です。日頃の戦略的な取り組みが、いざという時にものを言うのです。
【今日の教訓】
あなたは、自社が属する業界で成功を収めるためのカギは何か、明確に意識しているだろうか。そのカギを押さえるために、どのような仕掛けが必要かを意識した上で、戦略を立てているだろうか。それが出来ていないと、環境変化の波に翻弄されることとなる。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.02.08【7面】>