【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年02月23日
ニトリ快進撃の秘密とは?
不況の直撃を受けた企業が何とか生き残りを図るには、どうすることが必要でしょうか。多くの企業では、固定費を削減し、損益分岐点を引き下げることを考えます。
そのようなことは、今まで何度も行なわれてきました。具体的には、人員削減や工場の閉鎖といった取り組みです。やむを得ないことではありますが、それによるダメージもまた、取り沙汰されます。
固定費は、決して「必要悪」なのではありません。収益を稼ぐエンジンのようなものです。エンジンを小さくしてしまえば、当然、収益力などの「出力」が衰えます。それがダメージとなります。
とは言え、エンジンの「燃費」が悪ければ、やはりこのエンジンではマズいということになります。その判断が難しいところですが、それが経営というものでしょう。
2月23日付けの日経MJ(流通新聞)に、ニトリの記事が掲載されています。記事によれば、「2009年2月期に22期連続の増収増益を見込む」という優良企業です。
この会社の経営の特徴について、記事は「商品数の7割を独自で企画し、景気に応じて値段を自在にコントロールできる経営は不況期ほど力を発揮する」と解説しています。
また、ニトリ自身は自社を「SPA(製造小売り)でなく製造物流小売業」と定義しています。これは、「商品の企画、製造、販売はもちろん、物流や検査まですべての業務を自前で賄う超SPAを意味している」のだそうです。
「値段を自在にコントロールできる」のは、すべての業務を自社で行なうことで、自助努力によるコスト管理ができるからです。また、どこで利益を稼ぐか(稼がないのか)、柔軟に決めることもできるでしょう。
ならば、どの企業もこの仕組みをにすればよいはずですが、そういう訳にもいきません。このやり方では、固定費が膨れ上がり、とても耐えられないからです。
多くのアウトソーシングビジネスが成り立つのは、自社でやるよりも、外注した方が安上がりで品質も確保できると、考える企業が多いからです。
そのため、業務の特定部分に「選択と集中」をし、「持たざる経営」で成功している企業が注目されることもあります。二トリと比較すれば、全くの両極端となりますが、どちらも成功できるというのが興味深いです。
記事によると、二トリの「憲法」は、(1)安さ (2)安さ (3)安さ であり、(4)が「適正な品質」となります。固定費を使いながらも、コスト削減の努力は半端でなく、「燃費」の向上への追求には、すさまじいものがあります。
経営者の重要な仕事は、資源の配分を決めることですが、配分さえすれば、自然と結果が出てくるというわけではありません。エンジンを大きくしたら、運転時には、燃費をコントロールした上で、最大限の出力を生むようなマネジメントが必要です。
その方向性が「憲法」で示され、ニトリの社長は、そのための徹底的な議論を尽くします。そうでなくては、この仕組みは成り立ちにくいでしょう。その分、他社はなかなかマネができません。
記事は「国内では今のところ死角はない。不況は長引きそうで、逆風は二トリの成長をさらに押し上げそうだ」としています。マネできないのも当然で、固定費をカットするという、通常の不況対策とは逆を行っているからなのです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、不況対策として固定費の削減を考えているのではないだろうか。しかしその前に、固定費の「燃費」を改善し、最大限の出力を得るための最大限の努力をしただろうか。固定費というエンジンを、いかにうまく運転するかが、経営の技術だ。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.02.23【1面】>
そのようなことは、今まで何度も行なわれてきました。具体的には、人員削減や工場の閉鎖といった取り組みです。やむを得ないことではありますが、それによるダメージもまた、取り沙汰されます。
固定費は、決して「必要悪」なのではありません。収益を稼ぐエンジンのようなものです。エンジンを小さくしてしまえば、当然、収益力などの「出力」が衰えます。それがダメージとなります。
とは言え、エンジンの「燃費」が悪ければ、やはりこのエンジンではマズいということになります。その判断が難しいところですが、それが経営というものでしょう。
2月23日付けの日経MJ(流通新聞)に、ニトリの記事が掲載されています。記事によれば、「2009年2月期に22期連続の増収増益を見込む」という優良企業です。
この会社の経営の特徴について、記事は「商品数の7割を独自で企画し、景気に応じて値段を自在にコントロールできる経営は不況期ほど力を発揮する」と解説しています。
また、ニトリ自身は自社を「SPA(製造小売り)でなく製造物流小売業」と定義しています。これは、「商品の企画、製造、販売はもちろん、物流や検査まですべての業務を自前で賄う超SPAを意味している」のだそうです。
「値段を自在にコントロールできる」のは、すべての業務を自社で行なうことで、自助努力によるコスト管理ができるからです。また、どこで利益を稼ぐか(稼がないのか)、柔軟に決めることもできるでしょう。
ならば、どの企業もこの仕組みをにすればよいはずですが、そういう訳にもいきません。このやり方では、固定費が膨れ上がり、とても耐えられないからです。
多くのアウトソーシングビジネスが成り立つのは、自社でやるよりも、外注した方が安上がりで品質も確保できると、考える企業が多いからです。
そのため、業務の特定部分に「選択と集中」をし、「持たざる経営」で成功している企業が注目されることもあります。二トリと比較すれば、全くの両極端となりますが、どちらも成功できるというのが興味深いです。
記事によると、二トリの「憲法」は、(1)安さ (2)安さ (3)安さ であり、(4)が「適正な品質」となります。固定費を使いながらも、コスト削減の努力は半端でなく、「燃費」の向上への追求には、すさまじいものがあります。
経営者の重要な仕事は、資源の配分を決めることですが、配分さえすれば、自然と結果が出てくるというわけではありません。エンジンを大きくしたら、運転時には、燃費をコントロールした上で、最大限の出力を生むようなマネジメントが必要です。
その方向性が「憲法」で示され、ニトリの社長は、そのための徹底的な議論を尽くします。そうでなくては、この仕組みは成り立ちにくいでしょう。その分、他社はなかなかマネができません。
記事は「国内では今のところ死角はない。不況は長引きそうで、逆風は二トリの成長をさらに押し上げそうだ」としています。マネできないのも当然で、固定費をカットするという、通常の不況対策とは逆を行っているからなのです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、不況対策として固定費の削減を考えているのではないだろうか。しかしその前に、固定費の「燃費」を改善し、最大限の出力を得るための最大限の努力をしただろうか。固定費というエンジンを、いかにうまく運転するかが、経営の技術だ。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.02.23【1面】>
Posted by HANK@森 at 22:13│Comments(0)
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