【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年08月27日
アルトが広告で新機軸-訴求の表現の仕方を変えてみる
小売や飲食のチェーンの場合、企業全体としての売上成長率を考えるほかに、既存店売上の状況についても着目する必要があります。新店を出店すれば売上が増えるのは当然で、既存店が伸びているかどうかの方が、よりチェーンの実態を示していると言えるからです。
チェーン企業でなくても、新製品を投入しなければ売上が稼げないとなると、問題です。成長のためには、定番として確立した柱商品を増やしていくことが不可欠だからです。
商品だけでなく、顧客との付き合い方についても同様でしょう。コストのかかる新規顧客開拓も大切ですが、既存顧客が得意客(リピーター)となり、客単価が上がっていくような仕組みができていないと、企業としての成長は難しくなります。
一方、新商品を投入しなくても、売り方を新しくすれば、ある程度、勢いを取り戻すことが可能です。ビジネスは商品・顧客・売り方の3要素の掛け算ですから、そのうちのどれかを新しくすれば、効果は現れます。
8月27日付けの日経産業新聞に、「スズキが主力軽乗用車『アルト』の広告で新機軸を打ち出している」という記事が掲載されています。最近はハイブリッド車への注目が集まっていますが、軽自動車もまた、「小回りが利いて低燃費」という点では、エコカーの仲間です。
記事によれば、アルトの「特別仕様車の価格は714,000円」と、手頃な水準です。1979年のデビュー当時、「47万円」という価格に驚かされた憶えがありますが、71万円でも、十分に安いと言えます。
燃費について言えば、「現行車で1リットルあたり最高24キロメートル」と、「ガソリン車では最高水準」だそうです。スズキの幹部によれば、「信号待ちが多い街乗り時なので測定する実用燃費なら、ハイブリッド車に劣らない」ほどです。
“新機軸”としての広告の打ち出し方は、具体的には「そんな賢い女性が選ぶクルマこそ、アルト」というものです。CMには女流棋聖を起用し、「流行やブランドに左右されず、毎日の生活に必要なものをきっちり選ぶ」というイメージを打ち出します。
従来から、安さや燃費の良さを訴求してきましたが、それでは「今や訴求効果がない」との判断です。しかも、「基本性能は2004年9月に打ち出した6代目の現行車と変わりはない」。
だから、「賢い選択」を打ち出すわけです。商品そのものに大きな変化がないのなら、訴求ポイントを新たにすることで、商品の魅力を蘇らせようというわけです。
訴求ポイントを新たにすると言っても、安さ・小ささ・燃費の良さといったもののほかに、何を訴求したらよいのか、普通なら困ってしまうところでしょう。安全性能や環境性能を高める努力をしてきたようだが、失礼ながら、所詮は軽自動車です。
「賢い選択」というコンセプトは、安さ・小ささ・燃費の良さといった、従来の訴求ポイントを、視点を変えて言い換えたものに過ぎません。つまり正確には、新たな訴求ポイントをみつけたのではなく、新たな訴求の“表現”を採用したということになります。
安さ・小ささ・燃費の良さを訴求すれば、正直なところ、倹約や節約といったイメージが浮かび、ともすれば、貧乏くさい印象すら生まれ得ます。しかしそれを「賢い選択」と言い換えると、記事の表現を使えば、「自尊心をくすぐる」効果が生まれます。
考えてみれば、商品の訴求ポイントは、開発の段階から組み込まれているもので、そう簡単に変更することはできにくいでしょう。ですが、訴求の表現の仕方を変えてみることならば、可能なのですね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の商品・サービスを、どのように訴求しているだろうか。新たな販促を考えるなら、訴求の仕方を変えてみることも一策だ。訴求ポイントを変えることができなければ、訴求の表現の仕方を、より魅力的なものに変えることを考えてみよう。
<参考:日経産業新聞 2009.08.27【7面】>
チェーン企業でなくても、新製品を投入しなければ売上が稼げないとなると、問題です。成長のためには、定番として確立した柱商品を増やしていくことが不可欠だからです。
商品だけでなく、顧客との付き合い方についても同様でしょう。コストのかかる新規顧客開拓も大切ですが、既存顧客が得意客(リピーター)となり、客単価が上がっていくような仕組みができていないと、企業としての成長は難しくなります。
一方、新商品を投入しなくても、売り方を新しくすれば、ある程度、勢いを取り戻すことが可能です。ビジネスは商品・顧客・売り方の3要素の掛け算ですから、そのうちのどれかを新しくすれば、効果は現れます。
8月27日付けの日経産業新聞に、「スズキが主力軽乗用車『アルト』の広告で新機軸を打ち出している」という記事が掲載されています。最近はハイブリッド車への注目が集まっていますが、軽自動車もまた、「小回りが利いて低燃費」という点では、エコカーの仲間です。
記事によれば、アルトの「特別仕様車の価格は714,000円」と、手頃な水準です。1979年のデビュー当時、「47万円」という価格に驚かされた憶えがありますが、71万円でも、十分に安いと言えます。
燃費について言えば、「現行車で1リットルあたり最高24キロメートル」と、「ガソリン車では最高水準」だそうです。スズキの幹部によれば、「信号待ちが多い街乗り時なので測定する実用燃費なら、ハイブリッド車に劣らない」ほどです。
“新機軸”としての広告の打ち出し方は、具体的には「そんな賢い女性が選ぶクルマこそ、アルト」というものです。CMには女流棋聖を起用し、「流行やブランドに左右されず、毎日の生活に必要なものをきっちり選ぶ」というイメージを打ち出します。
従来から、安さや燃費の良さを訴求してきましたが、それでは「今や訴求効果がない」との判断です。しかも、「基本性能は2004年9月に打ち出した6代目の現行車と変わりはない」。
だから、「賢い選択」を打ち出すわけです。商品そのものに大きな変化がないのなら、訴求ポイントを新たにすることで、商品の魅力を蘇らせようというわけです。
訴求ポイントを新たにすると言っても、安さ・小ささ・燃費の良さといったもののほかに、何を訴求したらよいのか、普通なら困ってしまうところでしょう。安全性能や環境性能を高める努力をしてきたようだが、失礼ながら、所詮は軽自動車です。
「賢い選択」というコンセプトは、安さ・小ささ・燃費の良さといった、従来の訴求ポイントを、視点を変えて言い換えたものに過ぎません。つまり正確には、新たな訴求ポイントをみつけたのではなく、新たな訴求の“表現”を採用したということになります。
安さ・小ささ・燃費の良さを訴求すれば、正直なところ、倹約や節約といったイメージが浮かび、ともすれば、貧乏くさい印象すら生まれ得ます。しかしそれを「賢い選択」と言い換えると、記事の表現を使えば、「自尊心をくすぐる」効果が生まれます。
考えてみれば、商品の訴求ポイントは、開発の段階から組み込まれているもので、そう簡単に変更することはできにくいでしょう。ですが、訴求の表現の仕方を変えてみることならば、可能なのですね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の商品・サービスを、どのように訴求しているだろうか。新たな販促を考えるなら、訴求の仕方を変えてみることも一策だ。訴求ポイントを変えることができなければ、訴求の表現の仕方を、より魅力的なものに変えることを考えてみよう。
<参考:日経産業新聞 2009.08.27【7面】>
2009年08月27日
新作DVD『脳が良くなる耳勉強法』上田渉先生
「ビジネス選書セミナー」新作DVDのリリース準備が整いましたので、ご案内いたします。
最新のセミナーDVDは、できるビジネスパーソンなら誰しも気になる「勉強法」の話です。
講師は、あの日本最大のオーディオブックサイト
『FeBe』の創設者・上田渉先生
に務めていただきました!
勉強法の本は多数出ていますが、今回は、その中でも特に注目度が高い“耳”を使った勉強法がメインテーマ。
実際に耳勉強法で東大に合格し、あの有名オーディオブックサイト『FeBe』を生み出した、まさに“その道の達人”の、熱いお話です。
効率的に勉強して、ステップアップしたいあなたには、絶対におすすめです!
※詳細はこちら(サンプル動画&直筆アンケートあり)
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090825.html
世の中勉強ブームですが・・・
「ただでさえ忙しいのに、勉強の時間なんてとれないよ」
必要性は実感していても、こうお思いの方は沢山いらっしゃいます。
でも、ご安心ください。
そんな多忙なビジネスパーソンにこそ最適な勉強法が、今回お話いただいた『耳勉強法』です。
満員電車の中や運転中など、これまでどうにも出来なかったスキマ時間を大いに活用できるとあって、ビジネスパーソンの間で注目を集めています。
最近の勉強法や仕事術に関する本では、必ずと言っていいほど取り上げられていますね。
今回のセミナーでは、日本最大のオーディオブックサイト『FeBe』創設者・上田渉先生を講師にご登壇いただき、この耳勉強法のコツを、じっくり教えていただきました。
セミナーにはワークも沢山盛り込んでいただき、実際にオーディオブックを使って耳勉強法を体験する一幕も。
先生ご自身も、受験に耳勉強法を取り入れたおかげで、なんと偏差値30の状態から東大に合格したという、すごい経歴の持ち主です。
先生ご自身の経験がベースにあるだけあって、とても説得力があり、非常に満足度の高いセミナーになりました。
参加した方からは、
・聴覚の大切さ、凄さがわかった
・大変面白く、分かりやすい内容でした
・参加した甲斐がありました
・さっそく取り組んでみたい
・社内の若い社員にも紹介したい
など、大満足のお声をいただいております。
※アンケート全文もこちらで読めます
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090825.html
今回も、≪期間限定≫特別感謝価格でリリースです。定価の4割引でご提供いたします。
「忙しくて時間がないけど、成長はしたい!」
そうお感じの方には、必見の教材です!
どうぞ、この機会を逃さないようにしてください。
詳細、お申込は、以下からお願いします。
※詳細はこちら(サンプル動画&直筆アンケートあり)
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090825.html
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先生ご自身も、受験に耳勉強法を取り入れたおかげで、なんと偏差値30の状態から東大に合格したという、すごい経歴の持ち主です。
先生ご自身の経験がベースにあるだけあって、とても説得力があり、非常に満足度の高いセミナーになりました。
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※詳細はこちら(サンプル動画&直筆アンケートあり)
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090825.html
2009年08月27日
子供のかわりに親を見守るサービス
社会構造が変化するにつれて、世の中に新たなニーズが生まれてきます。それに伴い、新たなビジネスや商品も誕生すします。特に、高齢化社会を迎えての動きが活発です。
8月25日付けの日本経済新聞には、老齢の親を持つ「子供のかわりに親を見守るサービス」が広がっているという記事が掲載されています。「最近は子供の世代の高齢化が進んでおり、見守りサービスの出番が増えそうだ」とのことです。
具体的には、たとえ家事代行のサービスが紹介されています。単純に掃除や家事をするだけでなく、「サービス当日の親の様子をメールで報告する『親孝行プラン』を首都圏で導入」したそうです。
親の自宅にセキュリティシステムを設置するサービスも紹介されています。「センサーの反応が一定時間なかったり緊急ボタンが押されたりすると異常と判断し、家族に知らせるとともに警備員が駆けつける」というものです。
家事代行もセキュリティも、既存のサービスですが、老齢の親を持つ子供の心情をとらえ、ちょっとした付加価値サービスを提供することで、市場を顕在化していると言えるでしょう。
他には、バリアフリーにする住宅リフォームや、バリアフリー仕様の高齢者専用賃貸住宅を紹介しています。これらも、子供の心情をとらえた価値提供です。
高齢化社会と言えば、高齢者本人のニーズのみを考えがちだが、彼らを見守る子供の視点に着眼している点が、興味深いと言えます。「親孝行プラン」といったネーミングに見られるように、「心情」をくすぐる点は、心にくいですね。
「心情」は、商品・サービスの購買に大きな影響を与えます。自分のことなら買うのを我慢できても、愛する者のためならば、いても立ってもいられなくなったりします。
そのような場面で、プレゼントや贈答品の市場が生まれます。上述したサービスも、子供が費用を負担するものと思われるので、その点では、ちょっとしたプレゼントなのです。
プレゼントの特徴は、普通の感覚ではぜいたく品であることが挙げられます。考えてみれば、家事代行も住宅のセキュリティも、高額所得者向けのサービスであり、一般的にはぜいたく品の部類に入るでしょう。
自分のために買うのはぜいたくでも、老親のためなら、支出する費用です。したがって、ぜいたく品をマーケティングしたいのなら、プレゼント用を狙うという手がありいます。
たとえば、1万円もするメロンを買うとしたら、まさか日常的に自分で食べたりはしないでしょう。誰かにプレゼントするためです。あるいは、「自分へのご褒美(プレゼント)」ということになるでしょうか。
「心情」は、時として、必ずしも合理的とは言えない購買行動を引き起こすことすらあります。たとえば、キャバ嬢に入れ上げて高級時計をプレゼントするといった購買行動などは、そうですね。
今回の記事のケースも、「心情」に基づく購買行動を引き起こしていますが、「親孝行」は人間として合理的な行動ですから、このようなサービスの利用を思いとどまらせる要因は少ないでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービスが「ぜいたく品」だとしたら、エンドユーザだけでなく、彼らに対して特別な思いを寄せている人たちに目を向けよう。素敵なプレゼントで、エンドユーザが喜ぶ姿を想像させれば、財布のヒモは緩みやすい。
<参考:日本経済新聞 2009.08.25【31面】>
8月25日付けの日本経済新聞には、老齢の親を持つ「子供のかわりに親を見守るサービス」が広がっているという記事が掲載されています。「最近は子供の世代の高齢化が進んでおり、見守りサービスの出番が増えそうだ」とのことです。
具体的には、たとえ家事代行のサービスが紹介されています。単純に掃除や家事をするだけでなく、「サービス当日の親の様子をメールで報告する『親孝行プラン』を首都圏で導入」したそうです。
親の自宅にセキュリティシステムを設置するサービスも紹介されています。「センサーの反応が一定時間なかったり緊急ボタンが押されたりすると異常と判断し、家族に知らせるとともに警備員が駆けつける」というものです。
家事代行もセキュリティも、既存のサービスですが、老齢の親を持つ子供の心情をとらえ、ちょっとした付加価値サービスを提供することで、市場を顕在化していると言えるでしょう。
他には、バリアフリーにする住宅リフォームや、バリアフリー仕様の高齢者専用賃貸住宅を紹介しています。これらも、子供の心情をとらえた価値提供です。
高齢化社会と言えば、高齢者本人のニーズのみを考えがちだが、彼らを見守る子供の視点に着眼している点が、興味深いと言えます。「親孝行プラン」といったネーミングに見られるように、「心情」をくすぐる点は、心にくいですね。
「心情」は、商品・サービスの購買に大きな影響を与えます。自分のことなら買うのを我慢できても、愛する者のためならば、いても立ってもいられなくなったりします。
そのような場面で、プレゼントや贈答品の市場が生まれます。上述したサービスも、子供が費用を負担するものと思われるので、その点では、ちょっとしたプレゼントなのです。
プレゼントの特徴は、普通の感覚ではぜいたく品であることが挙げられます。考えてみれば、家事代行も住宅のセキュリティも、高額所得者向けのサービスであり、一般的にはぜいたく品の部類に入るでしょう。
自分のために買うのはぜいたくでも、老親のためなら、支出する費用です。したがって、ぜいたく品をマーケティングしたいのなら、プレゼント用を狙うという手がありいます。
たとえば、1万円もするメロンを買うとしたら、まさか日常的に自分で食べたりはしないでしょう。誰かにプレゼントするためです。あるいは、「自分へのご褒美(プレゼント)」ということになるでしょうか。
「心情」は、時として、必ずしも合理的とは言えない購買行動を引き起こすことすらあります。たとえば、キャバ嬢に入れ上げて高級時計をプレゼントするといった購買行動などは、そうですね。
今回の記事のケースも、「心情」に基づく購買行動を引き起こしていますが、「親孝行」は人間として合理的な行動ですから、このようなサービスの利用を思いとどまらせる要因は少ないでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービスが「ぜいたく品」だとしたら、エンドユーザだけでなく、彼らに対して特別な思いを寄せている人たちに目を向けよう。素敵なプレゼントで、エンドユーザが喜ぶ姿を想像させれば、財布のヒモは緩みやすい。
<参考:日本経済新聞 2009.08.25【31面】>
2009年08月19日
「追加オプション」で上手に稼ぐ方法。
起業や新規事業立ち上げを考える際は、対象となるビジネスの特性をしっかりと踏まえる必要があります。
たとえば、BtoBとBtoCとでは、ビジネスに対する感覚が、かなり変わってきます。
BtoCでは、細かい売上の積み上げとなるので、BtoBの感覚に慣れ切っていると、その「細かい売上」をおろそかにしてしまいがちになります。逆に、BtoCの感覚でBtoBに取り組むと、効率の悪い活動の落とし穴にはまったりしますね。
「細かい売上」と言っても、それで成り立っている大企業もありますので、決して、おろそかにはできません。
その「細かい売上」を積み上げるために、各企業は、大変な努力をしていたりもするのです。
8月19日付けの日経MJ(流通新聞)に、「市場の冷え込みに苦しむ外食チェーンは今、サイドメニューの売り込みに知恵を絞っている」という記事が掲載されています。
意図としては、「客数が減少すれば、客単価を上げるしか、売り上げは維持できない」ことがあります。
このご時世、値下げや低価格メニューは不可欠ですがが、それだけでは客数が増えず、売上高のみが減少してしまうこともあり得ます。
実際、そのような「負のスパイラルに陥る企業が後を絶たない」とのことです。
外食産業全体では、客数も客単価も減少しているそうですから、ゆゆしき事態だと言えるでしょう。
「1品あたりの単価を上げることは難しい」となると、やはり「ついで注文を誘うサイドメニュー開発に力を注ぐ」しかありません。
記事は、サイドメニューを上手に売るためのキーワードとして、「Show(見栄えのよさ)」「IDea(アイデア)」「Economy(節約)」を挙げ、頭文字をとって「SIDE」と呼んでいます。
見栄えのよさについては、客の面前で調理して食欲をそそったり、見栄えのよい食材を採用するといったことがされています。
アイデアにつては、割り引きサービスや時間帯限定といったものが紹介されています。
節約については、食材の原価を抑えたり、サイズを変えるなどして、価格設定に工夫が凝らされています。
いずれにしろ、涙ぐましいほどの努力が感じられる取り組みです。
サイドメニューを注文することで、結局、食事単価が上昇します。消費者は、財布のヒモを堅くしているはずなのですが、何とも興味深い消費行動のようにも思えます。もっと言えば、非合理的ではないでしょうか?
もちろん、サイドメニューに“騙されない”消費者もいるでしょう。ですが、そこまで財布のヒモが固くはない消費者も、多いということなのでしょうね。ヒモが緩むかどうか、そこを上手に狙うことが、サイドメニューの“極意”のようです。
サイドメニューの特性は、通常の“一人前”よりは少量であることです。言ってみれば、通常メニューの「スキマ」を埋める存在です。その「スキマ」は、今まで見過ごされていた市場でもありますね。
外食産業でなくても、客単価をもう少し押し上げる仕掛けができれば、いいですよね。
考えてみれば、他業界では「追加オプション」がそれに相当します。
ならば、他業界の「追加オプション」を考える際も、「Show(見栄えのよさ)」「IDea(アイデア)」「Economy(節約)」の要素を踏まえるとよいのかも知れません。
その点、一般的な「追加オプション」では、通常の商品・サービスを単純に追加するだけで、「今まで見過ごされていた市場」をカバーするものでもなかったりします。
そう考えると、外食産業の“涙ぐましい”ほどの取り組みを踏まえれば、「追加オプション」のあり方についても、さらなる努力・工夫をする余地は大きいように思います。
【今日の教訓】
あなたの企業では、収益を押し上げるために、どのような「追加オプション」を顧客に提供することができるか、考えてみよう。外食産業のサイドメニューにおける努力や工夫を見習い、自社としてどのようにユニークな「追加オプション」を提供できるか、検討してみよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.08.19【3面】>
★おまけ★
日経記事からビジネス発想を得るコツの一つは、「共通点・類似点を探す」ことです。
今回のブログでは、外食業界の「サイドメニュー」と他業界の「追加オプション」に共通点を見い出すことで、発想のヒントを得ました。
このあたりのノウハウは、『新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー』で語っています。
現在、このセミナーを含むDVD2本セットを特価販売中です。
※『経営戦略考』教材セット(付録つき)
詳細はこちら≪サンプル&アンケートあり≫
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090817.html
たとえば、BtoBとBtoCとでは、ビジネスに対する感覚が、かなり変わってきます。
BtoCでは、細かい売上の積み上げとなるので、BtoBの感覚に慣れ切っていると、その「細かい売上」をおろそかにしてしまいがちになります。逆に、BtoCの感覚でBtoBに取り組むと、効率の悪い活動の落とし穴にはまったりしますね。
「細かい売上」と言っても、それで成り立っている大企業もありますので、決して、おろそかにはできません。
その「細かい売上」を積み上げるために、各企業は、大変な努力をしていたりもするのです。
8月19日付けの日経MJ(流通新聞)に、「市場の冷え込みに苦しむ外食チェーンは今、サイドメニューの売り込みに知恵を絞っている」という記事が掲載されています。
意図としては、「客数が減少すれば、客単価を上げるしか、売り上げは維持できない」ことがあります。
このご時世、値下げや低価格メニューは不可欠ですがが、それだけでは客数が増えず、売上高のみが減少してしまうこともあり得ます。
実際、そのような「負のスパイラルに陥る企業が後を絶たない」とのことです。
外食産業全体では、客数も客単価も減少しているそうですから、ゆゆしき事態だと言えるでしょう。
「1品あたりの単価を上げることは難しい」となると、やはり「ついで注文を誘うサイドメニュー開発に力を注ぐ」しかありません。
記事は、サイドメニューを上手に売るためのキーワードとして、「Show(見栄えのよさ)」「IDea(アイデア)」「Economy(節約)」を挙げ、頭文字をとって「SIDE」と呼んでいます。
見栄えのよさについては、客の面前で調理して食欲をそそったり、見栄えのよい食材を採用するといったことがされています。
アイデアにつては、割り引きサービスや時間帯限定といったものが紹介されています。
節約については、食材の原価を抑えたり、サイズを変えるなどして、価格設定に工夫が凝らされています。
いずれにしろ、涙ぐましいほどの努力が感じられる取り組みです。
サイドメニューを注文することで、結局、食事単価が上昇します。消費者は、財布のヒモを堅くしているはずなのですが、何とも興味深い消費行動のようにも思えます。もっと言えば、非合理的ではないでしょうか?
もちろん、サイドメニューに“騙されない”消費者もいるでしょう。ですが、そこまで財布のヒモが固くはない消費者も、多いということなのでしょうね。ヒモが緩むかどうか、そこを上手に狙うことが、サイドメニューの“極意”のようです。
サイドメニューの特性は、通常の“一人前”よりは少量であることです。言ってみれば、通常メニューの「スキマ」を埋める存在です。その「スキマ」は、今まで見過ごされていた市場でもありますね。
外食産業でなくても、客単価をもう少し押し上げる仕掛けができれば、いいですよね。
考えてみれば、他業界では「追加オプション」がそれに相当します。
ならば、他業界の「追加オプション」を考える際も、「Show(見栄えのよさ)」「IDea(アイデア)」「Economy(節約)」の要素を踏まえるとよいのかも知れません。
その点、一般的な「追加オプション」では、通常の商品・サービスを単純に追加するだけで、「今まで見過ごされていた市場」をカバーするものでもなかったりします。
そう考えると、外食産業の“涙ぐましい”ほどの取り組みを踏まえれば、「追加オプション」のあり方についても、さらなる努力・工夫をする余地は大きいように思います。
【今日の教訓】
あなたの企業では、収益を押し上げるために、どのような「追加オプション」を顧客に提供することができるか、考えてみよう。外食産業のサイドメニューにおける努力や工夫を見習い、自社としてどのようにユニークな「追加オプション」を提供できるか、検討してみよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.08.19【3面】>
★おまけ★
日経記事からビジネス発想を得るコツの一つは、「共通点・類似点を探す」ことです。
今回のブログでは、外食業界の「サイドメニュー」と他業界の「追加オプション」に共通点を見い出すことで、発想のヒントを得ました。
このあたりのノウハウは、『新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー』で語っています。
現在、このセミナーを含むDVD2本セットを特価販売中です。
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詳細はこちら≪サンプル&アンケートあり≫
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090817.html
2009年08月18日
「水と生きる」と言えば?
少し恥ずかしいくらいの話ですが、遅ればせながら、ようやくわが家のインターネットも光回線になりました。今までは、ADSLで特に不自由はなかったつもりですが、やはり光になると速いと感じます。
最近は、Webカメラ付きのスカイプでのコーチングセッションを要望するクライアントが多く、ADSLでは少しきついと感じることがあります。そこで思い切って、光にすることにしたわけです。
もう一つの楽しみは、GyaOの動画を、より快適に見られることです。
Yahoo!動画と統合するらしいのですが、無料の番組が減ってしまうとしたら、少し残念に思います。
GyaOではよく、サントリーのCMが配信されています。「水と生きる サントリー」。
シンプルですが、飲料水メーカーらしさが現われていて、いつも感心します。
ロゴの色、そのものも“水”色です。サントリーの水へのこだわりを企業として打ち出すことが、徹底されているようです。
それは決して、言葉だけのものではありません。
8月18日付けの日経産業新聞に、「サントリーは環境活動などを記した『CSRレポート2009』で、国内24工場で使う水の量と、製品1キロリットルあたりの水使用量を明示した」という記事が掲載されています。いわゆる「環境報告書」です。
記事は、「二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガス排出量については、多くの企業がリポートに記載しているが、水の利用実態を明らかにするのは珍しい」と解説しています。
ですが、サントリーが「水と生きる」を標榜していることを知っていれば、「珍しい」とは言え、「当然」と受け止めることができます。
コンセプトを本気で徹底するとは、そのようなことです。
記事によれば、サントリーグループでは、水の再利用の仕組みを工場に導入したり、水循環のノウハウの水平展開に熱心に取り組んでいます。
その結果、製品あたりの水使用量は、1990年と比較して半減しているのだそうです。
同社のウェブサイトをあたると、「水と生きる SUNTORY」は「コーポレートメッセージ」として掲げているものだとのことです。
企業理念は「人と自然と響きあう」であり、その象徴として“水”に焦点を当てています。
「水と生きる」ことの“実践”こそが社会的責任ととらえ、さまざまな環境活動にも取り組んでいます。
企業理念をコーポーレートメッセージに落とし込み、実践を徹底していくモデルとして、まさに教科書のような取り組みだと思います。
企業理念は、掲げるだけでなく、このように“活用”することができて、初めて意味があります。
しっかりと活用するためには、「水と生きる」というフレーズを起点に、イマジネーションを膨らませていく発想が必要でしょう。
サントリーの場合、“水”の解釈は、自然環境の一部としてのそれにとどまりません。
“水”を社会にとって欠かせない存在の象徴ととらえ、さらに、“水”の「自在でしなやか」な特性を、目指すべき企業文化として“拡大”解釈しています。
「水と生きる」というシンプルなフレーズでも、そこから生まれ得る発想は膨大であることがわかります。
理念を掲げたなら、それを徹底的に突き詰めて考えてみることですね。
そうすれば、さまざまなアイデアが、泉の如く生まれてくるものです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の理念をどのように活用し、経営活動に反映させているだろうか。シンプルな理念でも、突き詰めて考えれば、いくらでもアイデアが生まれるはずだ。
<参考:日経産業新聞 2009.08.18【2面】>
最近は、Webカメラ付きのスカイプでのコーチングセッションを要望するクライアントが多く、ADSLでは少しきついと感じることがあります。そこで思い切って、光にすることにしたわけです。
もう一つの楽しみは、GyaOの動画を、より快適に見られることです。
Yahoo!動画と統合するらしいのですが、無料の番組が減ってしまうとしたら、少し残念に思います。
GyaOではよく、サントリーのCMが配信されています。「水と生きる サントリー」。
シンプルですが、飲料水メーカーらしさが現われていて、いつも感心します。
ロゴの色、そのものも“水”色です。サントリーの水へのこだわりを企業として打ち出すことが、徹底されているようです。
それは決して、言葉だけのものではありません。
8月18日付けの日経産業新聞に、「サントリーは環境活動などを記した『CSRレポート2009』で、国内24工場で使う水の量と、製品1キロリットルあたりの水使用量を明示した」という記事が掲載されています。いわゆる「環境報告書」です。
記事は、「二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガス排出量については、多くの企業がリポートに記載しているが、水の利用実態を明らかにするのは珍しい」と解説しています。
ですが、サントリーが「水と生きる」を標榜していることを知っていれば、「珍しい」とは言え、「当然」と受け止めることができます。
コンセプトを本気で徹底するとは、そのようなことです。
記事によれば、サントリーグループでは、水の再利用の仕組みを工場に導入したり、水循環のノウハウの水平展開に熱心に取り組んでいます。
その結果、製品あたりの水使用量は、1990年と比較して半減しているのだそうです。
同社のウェブサイトをあたると、「水と生きる SUNTORY」は「コーポレートメッセージ」として掲げているものだとのことです。
企業理念は「人と自然と響きあう」であり、その象徴として“水”に焦点を当てています。
「水と生きる」ことの“実践”こそが社会的責任ととらえ、さまざまな環境活動にも取り組んでいます。
企業理念をコーポーレートメッセージに落とし込み、実践を徹底していくモデルとして、まさに教科書のような取り組みだと思います。
企業理念は、掲げるだけでなく、このように“活用”することができて、初めて意味があります。
しっかりと活用するためには、「水と生きる」というフレーズを起点に、イマジネーションを膨らませていく発想が必要でしょう。
サントリーの場合、“水”の解釈は、自然環境の一部としてのそれにとどまりません。
“水”を社会にとって欠かせない存在の象徴ととらえ、さらに、“水”の「自在でしなやか」な特性を、目指すべき企業文化として“拡大”解釈しています。
「水と生きる」というシンプルなフレーズでも、そこから生まれ得る発想は膨大であることがわかります。
理念を掲げたなら、それを徹底的に突き詰めて考えてみることですね。
そうすれば、さまざまなアイデアが、泉の如く生まれてくるものです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の理念をどのように活用し、経営活動に反映させているだろうか。シンプルな理念でも、突き詰めて考えれば、いくらでもアイデアが生まれるはずだ。
<参考:日経産業新聞 2009.08.18【2面】>
2009年08月18日
≪8月限定特価!≫『経営戦略考』教材セット(付録つき)
今回は、まとめて見ることで効果倍増の、お得なDVDパッケージをご用意しました!
ここに、いち早くご案内差し上げます。
当『経営戦略考ブログ』管理人の“戦略アタマ”を大公開したセミナー2本が、DVDセットになりました。
セミナーでは出来なかった2つ併せてこその【完全版】が、今回のDVDセット化により実現です!
※【8月限定特価!】『経営戦略考』教材セット(付録つき)
詳細はこちら≪サンプル&アンケートあり≫ ^^^^^^^^^^^^
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090817.html
「両方一緒に視ると、完璧なんだけどなぁ・・・。」
講師(森英樹)のこの何気ない一言から、当カップリングDVDパッケージが誕生しました。
過去2回開催した「経営戦略考 特別セミナー」の内容は、共にDVD化されていますが、最長2時間という時間の制約があるため、内容が絞られています。
具体的には、
「新聞記事から読みとる、経営の原理原則」では
戦略を考える“フレームワーク”が、
「新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー」では
新聞記事から“新たな発想を得る技術”が、
それぞれ中心となっています。
それぞれ好評を博したセミナーですので、別々に独立したものとしてご覧いたいても、十分にお役立ていただけるでしょう。
ですが、もし両方を併せてご覧いただければ、学習における相乗効果は、極めて高いものとなります。
というのは、「新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー」では、フレームワークを習得した上で新聞記事を読み解くことの大切さが説かれている一方、「新聞記事から読みとる、経営の原理原則」では、講師が新聞記事を読み解く上で最も多用しているフレームワークが解説されているからなのです。
「両方一緒に視ると、完璧・・」という言葉の真意は、まさにそこにあります。戦略フレームワークをしっかりと学んだ上で、すぐにそれを新聞記事に当てはめるスキルを学べば、まさに「鬼に金棒」と言えるわけです。
さらに今回の企画では、【特別付録】があります。
同じく森英樹が講師を務める「コンサルタントの八つのスキル」DVDも、セット同梱でお送りさせていただきます!
こちらのDVDでは、戦略フレームワークの知識や新聞記事から得た発想を存分に発揮するために必要なスキルが、わかりやすく説明されています。
コンサルタント(とその予備軍)に限らず、ビジネスシーンでの活躍を目指すすべての人に役立つ内容となっています。
下記URLより、それぞれのDVDの更に詳しい説明と、実際に参加された方のナマの声をご覧いただけます。
※『経営戦略考』教材セット(付録つき)
詳細はこちら≪サンプル&アンケートあり≫
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090817.html
戦略アタマを鍛え、現状からステップアップしたいビジネスパーソンは必見のパッケージです!
自信を持って、おすすめできます。
ちなみに、この限定パッケージ、『特別価格』でご提供しています。
この価格でのご提供は、8月いっぱいで終了予定ですので、どうぞお見逃しのないようにお願いします!
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具体的には、
「新聞記事から読みとる、経営の原理原則」では
戦略を考える“フレームワーク”が、
「新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー」では
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それぞれ中心となっています。
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「両方一緒に視ると、完璧・・」という言葉の真意は、まさにそこにあります。戦略フレームワークをしっかりと学んだ上で、すぐにそれを新聞記事に当てはめるスキルを学べば、まさに「鬼に金棒」と言えるわけです。
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2009年08月12日
百貨店がなりふり構わぬ集客
経営戦略の策定技術とは、つまるところ、比率や割合を決める技術だと思います。
たとえば「選択と集中」という言葉があります。「集中」とは、特定分野の比率や割合を高めることです。
企業戦略の策定とは、さまざまな事業単位の売上構成比率を決めることです。そもそも戦略策定の基本テーマは、経営資源の配分比率を決めることですね。
もう少しブレイクダウンしていくと、たとえば売上高をどのように作るかという考え方にも、それが当てはまります。
売上高とはすなわち、客単価と客数の組み合わせです。組み合わせもまた、比率・割合に通じます。
8月12日付けの日経MJ(流通新聞)に、各百貨店が「『単価より客数』を求め、多様なセールなどでなりふり構わぬ集客策を模索する動きが目を引く」という記事が掲載されています。
たとえば大丸東京店では、「アウトレットセール」として特売を行ない、全館規模で「ブランドの婦人服・雑貨などの在庫品を50~70%値下げ」しています。小田急百貨店新宿店や丸井グループでは下取りを、松屋銀座本店では399円の激安弁当の販売といった取り組みをしています。いずれ
も、何とかして集客するための工夫です。
記事によれば、このような「客数優先に方針転換短期的には成果を上げているようで、2008年度については、「客単価は落ちたが客数を増やし増収を達成」したり、客数を増やした店の落ち込みが少ないなど、「客数が売上高を下支えしたといえそうだ」と説明しています。
いずれにしろ、「客数×客単価=売上高」の方程式は、客数と客単価の組み合わせをどう設定するかがポイントとなります。経営は、その最適解を求めていく作業です。
客単価をさらに分解すれば、「商品単価×お買い上げ点数」となります。どちらをどのように設定するか、この組み合わせも考えていく必要があるでしょう。そこにもまた、最適解があるわけです。
とは言え、記事は、このような施策の「効き目はやがて薄れる」として、「恒常的な安売りは百貨店の体力を奪いかねない面もある」と解説しています。
さらに記事は、「消費者の求める品ぞろえと価格の新たな百貨店モデルを築」くことの必要性を述べています。要は、客数と客単価の組み合わせの安易な変更は、百貨店のアイデンティティの崩壊となる恐れがあるということでしょう。
冒頭で、比率や割合(あるいは組み合わせ)を決めることが戦略だと述べました。そのとおりだとすれば、その変更は、実は非常に由々しいことなのです。百貨店なら、業態転換すら意味します。
根本的な戦略問題なのですから、ドンブリ勘定で売上が稼げればよい、という話ではありません。売上をブレイクダウンし、それを構成する比率・割合にまで、方針を行き届かせる必要があります。
事業を経営すれば、結果として、いろいろな比率・割合を見出すことができます。大切なのは、そこに戦略的意図が反映されているかどうかです。自社内のいたるところにみられる比率・割合について、吟味することをしてみてもよいのではないでしょうか。
【今日の教訓】
あなたの企業の随所で見いだせる比率・割合には、どれだけ戦略的意図が反映されているだろうか。それらの変更は、極めて戦略的な意思決定となるのだから、それぞれしっかりと吟味することをしてみよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.08.12【1面】>
たとえば「選択と集中」という言葉があります。「集中」とは、特定分野の比率や割合を高めることです。
企業戦略の策定とは、さまざまな事業単位の売上構成比率を決めることです。そもそも戦略策定の基本テーマは、経営資源の配分比率を決めることですね。
もう少しブレイクダウンしていくと、たとえば売上高をどのように作るかという考え方にも、それが当てはまります。
売上高とはすなわち、客単価と客数の組み合わせです。組み合わせもまた、比率・割合に通じます。
8月12日付けの日経MJ(流通新聞)に、各百貨店が「『単価より客数』を求め、多様なセールなどでなりふり構わぬ集客策を模索する動きが目を引く」という記事が掲載されています。
たとえば大丸東京店では、「アウトレットセール」として特売を行ない、全館規模で「ブランドの婦人服・雑貨などの在庫品を50~70%値下げ」しています。小田急百貨店新宿店や丸井グループでは下取りを、松屋銀座本店では399円の激安弁当の販売といった取り組みをしています。いずれ
も、何とかして集客するための工夫です。
記事によれば、このような「客数優先に方針転換短期的には成果を上げているようで、2008年度については、「客単価は落ちたが客数を増やし増収を達成」したり、客数を増やした店の落ち込みが少ないなど、「客数が売上高を下支えしたといえそうだ」と説明しています。
いずれにしろ、「客数×客単価=売上高」の方程式は、客数と客単価の組み合わせをどう設定するかがポイントとなります。経営は、その最適解を求めていく作業です。
客単価をさらに分解すれば、「商品単価×お買い上げ点数」となります。どちらをどのように設定するか、この組み合わせも考えていく必要があるでしょう。そこにもまた、最適解があるわけです。
とは言え、記事は、このような施策の「効き目はやがて薄れる」として、「恒常的な安売りは百貨店の体力を奪いかねない面もある」と解説しています。
さらに記事は、「消費者の求める品ぞろえと価格の新たな百貨店モデルを築」くことの必要性を述べています。要は、客数と客単価の組み合わせの安易な変更は、百貨店のアイデンティティの崩壊となる恐れがあるということでしょう。
冒頭で、比率や割合(あるいは組み合わせ)を決めることが戦略だと述べました。そのとおりだとすれば、その変更は、実は非常に由々しいことなのです。百貨店なら、業態転換すら意味します。
根本的な戦略問題なのですから、ドンブリ勘定で売上が稼げればよい、という話ではありません。売上をブレイクダウンし、それを構成する比率・割合にまで、方針を行き届かせる必要があります。
事業を経営すれば、結果として、いろいろな比率・割合を見出すことができます。大切なのは、そこに戦略的意図が反映されているかどうかです。自社内のいたるところにみられる比率・割合について、吟味することをしてみてもよいのではないでしょうか。
【今日の教訓】
あなたの企業の随所で見いだせる比率・割合には、どれだけ戦略的意図が反映されているだろうか。それらの変更は、極めて戦略的な意思決定となるのだから、それぞれしっかりと吟味することをしてみよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.08.12【1面】>
2009年08月07日
理系アタマのつくり方。
新作のセミナーDVDの準備が整いましたので、ご案内を差し上げます。
今回の教材は、『理系アタマのつくり方』四ッ柳先生の講義を収録したDVDです!
テーマは、ずばり、「理系スキルの鍛え方」です。
・・・「理系」と聞くと、それだけで苦手意識を感じてしまう方もいるかもしれません。
でも、今回は、そんな「理系スキル初心者」な方にも自信をもっておすすめできます。
理系スキルの基礎から、どうやって仕事へ活かすのか・・・まで、「理系スキル入門編」としてたっぷり中身が詰まった教材です。
※詳細はこちら【期間限定・応援特価!】≪サンプル動画あり≫
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090806.html
“知識量”よりも、“知的生産力=自分の頭で考える力”が問われる時代になって久しいですね。
コンサルタント的な、切れ味鋭いビジネス書も売れています。
確かに、「フレームワーク」やら「ロジカルシンキング」を駆使して、問題をサクサクと解決・・・なんて、デキるビジネスパーソン!という感じです。
しかし、人によっては、
「その類のスキルは、確かにかっこいいけど、難しそう・・・」
と、なんとな~く苦手意識を感じる方もいるかもしれません。
でも、今回は、そんな「理系スキル初心者」のあなたにこそ、おすすめしたい教材です。
実は、成功している人の多くは、
「理系な考え方」と「文系な感覚」
の両方を持ち合わせています。
ちなみに、学校でどちらを専攻していたか、は関係ありません。
成功するには、両方の要素をバランスよく取り入れることが大事です。
そこで、ご著書『理系アタマのつくり方』で話題を呼んだ四ッ柳先生を講師にお招きして、「理系アタマ」の基本スキルを、たっぷり教えていただきました。
先生ご自身も、理系研究職という超理系な仕事を経て、今では、起業・経営コンサルタントとしてご活躍されています。
まさに「理系アタマ」と「文系アタマ」をバランスよく活用されているのです。
セミナーでは、ワークをふんだんにとりいれて「理系アタマの考え方」を実際に体験しました。
わかりやすい例で、初心者向けに明快に解説していただいたので、以下のような方に特におススメです!
・自分は明らかに文系だと思う
・「理系」と聞いただけで、なんとなく敬遠してしまう
・理系スキルの本を読んで、読破したためしがない
・でも、本当はそんなスキルを使いこなせるようになりたい・・・
今回も、もちろん≪期間限定≫特別感謝価格でのリリースです。どうぞ、お見逃しのないようにしてください!
※詳細はこちら【期間限定・応援特価!】≪サンプル動画あり≫
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090806.html
今回の教材は、『理系アタマのつくり方』四ッ柳先生の講義を収録したDVDです!
テーマは、ずばり、「理系スキルの鍛え方」です。
・・・「理系」と聞くと、それだけで苦手意識を感じてしまう方もいるかもしれません。
でも、今回は、そんな「理系スキル初心者」な方にも自信をもっておすすめできます。
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“知識量”よりも、“知的生産力=自分の頭で考える力”が問われる時代になって久しいですね。
コンサルタント的な、切れ味鋭いビジネス書も売れています。
確かに、「フレームワーク」やら「ロジカルシンキング」を駆使して、問題をサクサクと解決・・・なんて、デキるビジネスパーソン!という感じです。
しかし、人によっては、
「その類のスキルは、確かにかっこいいけど、難しそう・・・」
と、なんとな~く苦手意識を感じる方もいるかもしれません。
でも、今回は、そんな「理系スキル初心者」のあなたにこそ、おすすめしたい教材です。
実は、成功している人の多くは、
「理系な考え方」と「文系な感覚」
の両方を持ち合わせています。
ちなみに、学校でどちらを専攻していたか、は関係ありません。
成功するには、両方の要素をバランスよく取り入れることが大事です。
そこで、ご著書『理系アタマのつくり方』で話題を呼んだ四ッ柳先生を講師にお招きして、「理系アタマ」の基本スキルを、たっぷり教えていただきました。
先生ご自身も、理系研究職という超理系な仕事を経て、今では、起業・経営コンサルタントとしてご活躍されています。
まさに「理系アタマ」と「文系アタマ」をバランスよく活用されているのです。
セミナーでは、ワークをふんだんにとりいれて「理系アタマの考え方」を実際に体験しました。
わかりやすい例で、初心者向けに明快に解説していただいたので、以下のような方に特におススメです!
・自分は明らかに文系だと思う
・「理系」と聞いただけで、なんとなく敬遠してしまう
・理系スキルの本を読んで、読破したためしがない
・でも、本当はそんなスキルを使いこなせるようになりたい・・・
今回も、もちろん≪期間限定≫特別感謝価格でのリリースです。どうぞ、お見逃しのないようにしてください!
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2009年08月05日
「フレスコ」っていうスーパー、知ってますか?
中小企業の強みは、小回りがきくこと、すなわち機動力だと言われます。
組織が小さい分、意思決定が迅速にできますし、仕組みやルールがキチンと出来ていないことで、融通を利かせられる面もあります。時には、採算の合わないことでも平気でやります。
企業組織が大きくなってくると、なかなかそうも行かなくなりますね。
トップの「鶴の一声」でもあれば別でしょうが、採算割れは厳しく責任を問われますし、効率も追求されます。
以前、某中小製造メーカーのコンサルティングをさせていただいたことがありますが、大企業からヘッドハンティングされてきた工場長と社長との間の確執があったことを思い出します。
生産ラインで手が空いた従業員はどうすべきでしょうか。自主的に他のラインを手伝うべきだというのが社長の考えです。
ですが工場長は、それをさせず、黙って座ってろと指示しました。
工場長に言わせれば、勝手に他のラインを手伝うことをされると、生産ラインの負荷の偏りが見えにくくなってしまいますし、ライン毎の正確な損益も、わからなくなってしまいます。ですので、黙って座ってろ、という話になるのです。
どちらが正しいのか、という話をするつもりはありません。
どこに視点を置くかにより、判断が変わってくるということです。中小企業と大企業とでは、明らかに視点が違ってきます。
8月5日付けの日経MJ(流通新聞)に、「近畿地区で展開する食品スーパー『フレスコ』が堅調だ」という記事が掲載されています。その要因は、「買い物客から要望があった商品を積極的に取り入れる柔軟な品ぞろえ」にあるのだそうです。
フレスコのこのやり方について、記事は「本部主導の商品政策(MD)やチェーン運営と一線を画し、大手・中堅スーパーとの違いを打ち出している」と解説しています。
片岡孝一社長は、「若く完成していない会社だからこそ、チェーンストアの常識にとらわれない柔軟な店づくりをしていく」とコメントしています。冒頭で述べた、中小企業の機動力を発揮しているような格好になります。
作業効率は、決してよくありません。
記事によれば、「狭い店舗でお客さんの求める商品を並べるため、必要な数を陳列できない商品は1日に何度も品出しせざるを得」ないといったことが起きています。要望された商品が入荷したら、メールや電話で知らせるといったことまでしています。
効率は悪いように見えますが、「2009年2月期の売上高は前の期比7%増の376億円」と成果を上げています。「利用者の声を無駄にしない」ことで、「信用の地道な積み重ねを重視」した結果です。「効率」よりも「信用」。ここに他との視点の違いが見えてきます。
興味深いのは、「出店後に品ぞろえを地域ニーズに合わせて固定客をつかんでいく手法のため、チラシによる販促費をあまりかけない」ということです。
それは数字にも現われていて、「フレスコの店舗は初年度の売り上げは小さくても、2年目以降に2ケタ増など高い伸びを示すことが多い」とのことです。
言ってみれば、顧客により店がつくられていく形になります。顧客の声を聞き、ニーズに対応していくのは、どの企業もしていることのはずですが、現実には、「効率」を言い訳に、フレスコほどは徹底できないことが多いのでしょう。
チェーンストアの常識からすれば、ちょっとしたカルチャーショックだと言えると思います。ですが、特に不景気にあっては、固定客をしっかりと確保することが定石です。
何度も品出しをすることも不効率ですが、固定客を確保できず、安売りチラシを大量にばらまき、“浮気症”の顧客を集客すること、もっと不効率でしょう。
「効率」に対する視点についても、変えて考えてみることが必要ですね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、どのような観点で「効率」を追求しているだろうか。効率が良いと思われるやり方は、本当にそうなのだろうか? 逆は、どうだろうか? 時には視点を変え、そのことについて考えてみよう。もしかしたら、業界の常識を覆すようなやり方も、あり得るのかも知れない。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.08.05【5面】>
組織が小さい分、意思決定が迅速にできますし、仕組みやルールがキチンと出来ていないことで、融通を利かせられる面もあります。時には、採算の合わないことでも平気でやります。
企業組織が大きくなってくると、なかなかそうも行かなくなりますね。
トップの「鶴の一声」でもあれば別でしょうが、採算割れは厳しく責任を問われますし、効率も追求されます。
以前、某中小製造メーカーのコンサルティングをさせていただいたことがありますが、大企業からヘッドハンティングされてきた工場長と社長との間の確執があったことを思い出します。
生産ラインで手が空いた従業員はどうすべきでしょうか。自主的に他のラインを手伝うべきだというのが社長の考えです。
ですが工場長は、それをさせず、黙って座ってろと指示しました。
工場長に言わせれば、勝手に他のラインを手伝うことをされると、生産ラインの負荷の偏りが見えにくくなってしまいますし、ライン毎の正確な損益も、わからなくなってしまいます。ですので、黙って座ってろ、という話になるのです。
どちらが正しいのか、という話をするつもりはありません。
どこに視点を置くかにより、判断が変わってくるということです。中小企業と大企業とでは、明らかに視点が違ってきます。
8月5日付けの日経MJ(流通新聞)に、「近畿地区で展開する食品スーパー『フレスコ』が堅調だ」という記事が掲載されています。その要因は、「買い物客から要望があった商品を積極的に取り入れる柔軟な品ぞろえ」にあるのだそうです。
フレスコのこのやり方について、記事は「本部主導の商品政策(MD)やチェーン運営と一線を画し、大手・中堅スーパーとの違いを打ち出している」と解説しています。
片岡孝一社長は、「若く完成していない会社だからこそ、チェーンストアの常識にとらわれない柔軟な店づくりをしていく」とコメントしています。冒頭で述べた、中小企業の機動力を発揮しているような格好になります。
作業効率は、決してよくありません。
記事によれば、「狭い店舗でお客さんの求める商品を並べるため、必要な数を陳列できない商品は1日に何度も品出しせざるを得」ないといったことが起きています。要望された商品が入荷したら、メールや電話で知らせるといったことまでしています。
効率は悪いように見えますが、「2009年2月期の売上高は前の期比7%増の376億円」と成果を上げています。「利用者の声を無駄にしない」ことで、「信用の地道な積み重ねを重視」した結果です。「効率」よりも「信用」。ここに他との視点の違いが見えてきます。
興味深いのは、「出店後に品ぞろえを地域ニーズに合わせて固定客をつかんでいく手法のため、チラシによる販促費をあまりかけない」ということです。
それは数字にも現われていて、「フレスコの店舗は初年度の売り上げは小さくても、2年目以降に2ケタ増など高い伸びを示すことが多い」とのことです。
言ってみれば、顧客により店がつくられていく形になります。顧客の声を聞き、ニーズに対応していくのは、どの企業もしていることのはずですが、現実には、「効率」を言い訳に、フレスコほどは徹底できないことが多いのでしょう。
チェーンストアの常識からすれば、ちょっとしたカルチャーショックだと言えると思います。ですが、特に不景気にあっては、固定客をしっかりと確保することが定石です。
何度も品出しをすることも不効率ですが、固定客を確保できず、安売りチラシを大量にばらまき、“浮気症”の顧客を集客すること、もっと不効率でしょう。
「効率」に対する視点についても、変えて考えてみることが必要ですね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、どのような観点で「効率」を追求しているだろうか。効率が良いと思われるやり方は、本当にそうなのだろうか? 逆は、どうだろうか? 時には視点を変え、そのことについて考えてみよう。もしかしたら、業界の常識を覆すようなやり方も、あり得るのかも知れない。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.08.05【5面】>
2009年08月03日
近所がテレビに映ると、ついつい見てしまいますね。

東京にいる時は、中央区の隅田川沿いに住んでいます。
川沿いに「隅田川テラス」という遊歩道があり、テレビのドラマやCMでは、頻繁に画面に映し出されます。
月島を舞台としたNHKの朝の連ドラでも、私のジョギングコースのシーンが度々登場しました。最近では、不動産開発会社のCMで使われています。
普段は何気なく目にしている風景なのですが、プロが撮るとこんなにも美しいのか、と驚かされています。
よく知っている近所がテレビに映ると、どうしても見入ってしまいますね。
知り合いが近くにでもいれば、「ほらほら!見てごらん!これ、うちの近所だよ!」とか。ちょっとしたミーハー感覚です。
地元など、自分のよく知っている場所が紹介される番組は、その人にとって、付加価値が高いわけです。面白い心理だと思います。ならば、ビジネスではそれを逆手にとることを考えてもよいでしょう。
8月3日付けの日経MJ(流通新聞)に、「ワーナー・マイカルは関東地方にある11カ所の劇場で、各地元の商店や企業向けに無料のスクリーン広告枠を設ける」という記事が掲載されています。
記事によれば、「地元企業との結びつきを強めて集客増につなげたい考え」だとのことです。確かに、地元企業の告知協力を無料で行なえば、それだけでも結びつきが強まるでしょう。
また、実際に集客増につながるのかどうかはわかりませんが、上記のような「地元の価値」があるから、広告効果も高いことでしょう。地元企業の広告なら、観客の関心度は高いと考えられるからです。
インターネットを使えば、世界中に情報発信できます。ですが意外と、地元に関する情報が嬉しかったりするものです。地域密着ポータルサイトが人気を集める所以です。
たくさんの起業家の寄稿を集めた単行本が出版されたりもしています。自費出版なら費用を大勢で分担できるメリットがある一方、知り合いや親族などによる購入も見込めます。
「地元」がテレビで紹介される以上に、「知り合いや親族」のテレビ出演には価値があります。場合によっては、録画までする勢いです。直接本物を知っているにも関わらず、わざわざ録画放送を観たいという心理は、何とも不思議なものですね。
それがテレビの威力というものでしょう。テレビに出演することで、何かしらの“権威”が付与されます。映画館の広告は、テレビCMよりは格下ですが、それでもインパクトはあります。
ワーナー・マイカルの目論見が的中するとしたら、無料で広告をしてあげることで、実はそれが自社の集客広告に相当するという、これまた不思議な効果が現われることになります。
ですが、地元企業の広告が、地元でのみ通じる“付加価値”コンテンツだと考えれば、集客効果があっても不思議ではないかも知れません。“付加価値”のあるところに、人は集まります。
いずれにしろ、「地元」「知り合い」コンテンツは、マーケティングの一つの着眼点として、注目できるでしょう。極めてパーソナルなだけに、訴求力が高く、魅力的です。
【今日の教訓】
あなたの企業では、「地元」「知り合い」コンテンツを、マーケティングに活用しているだろうか。それらには、人の関心・興味を引き付ける大きな魅力がある。マーケティングの着眼点の一つとして、検討してみよう。
<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.08.03【9面】>
2009年07月30日
ポメラの開発ストーリー
つい数日前、キングジムの電子メモ帳「ポメラ DM10」を購入しました。コーチングのクライアントが既に購入していて、非常に便利に使っているという話を聞き、興味をそそられたのが、きっかけです。
さらに、弊社の女性社員も使い始めていました。
文章を書くことが非常に多いので、起動時間が短く、いつでもどこででも原稿作成できるというのは、魅力的ですね。
使い始めたばかりの製品が日経記事で取り上げられると、つい嬉しくなって読んでしまいます。
7月30日付けの日経産業新聞は、この「ポメラ DM10」がヒットしている、という記事が掲載されています。
昨年11月にリリースされた製品なのですが、「6月末までに当初の年間目標の2倍の6万個を売り、初年度の販売目標を10万個に上方修正した」そうです。
ヨドバシカメラ(秋葉原)の担当者は、「飛ぶように売れている」とさえコメントしています。
「30~50代の男性」が、「会議の議事録作成など仕事はもちろん、外出先での空き時間にブログ用の記事や俳句を書き留めるなど幅広い用途に使う人が多い」とのことです。
記事は、この製品の開発にまつわるストーリーを紹介しています。
開発担当者は「他社製品をまねず、ありそうでなかった商品を開発したことがヒットに結びついた」とコメントしています。
商品化を検討した段階では、「経営陣はヒットを予想できなかった」のだそうですが、開発担当者以外に、社外取締役の大学教授が「今すぐでも買いたい。ぜひ商品化すべき」と主張し、ゴーサインが出たとのことです。
キングジムの宮本彰社長の決断は、「少人数でも飛びついてもらえる商品ならヒットする」との考えからだったそうです。
記事は、「10万個売るにしても、日本人1000人に1人が買えば達成できる数字。皆に気に入られる必要はない」と解説しています。
なかなかの見識だと思います。
大勢の人に、そこそこ気に入られるのではなく、一部の人に、熱狂的に支持されるような製品。開発にあたってのコンセプトの着眼点として、有効だと思います。
このブログでも、以前、分野を特化した「趣味性が強い」クルマの新雑誌創刊が相次いでいるという記事を取り上げたことがあります。
根強いファンを大事にする点では、ポメラのケースと類似していますね。
興味深いのは、「ポメラを販売している家電量販店では現在、陳列場所が電子辞書売り場だったり、パソコン売り場だったりとまちまち」だという点です。
キングジムの宮本社長は「他社が思いつかないような商品を生み出す『規格外の発想が大事』ともコメントしています。どの売り場で売ったらよいのかがわからないというのは、まさに規格外発想であることを象徴しています。
この記事では、「プラスが2007年末に発売した『ケシポン』」という製品にも言及しています。「スタンプを押すだけではがきに記された名前や住所を隠せる」というヒット商品で、「『個人情報保護用文具』という新たな市場をつくり出した」と述べています。
「一部の人に熱狂的に支持される」「どの売り場に置いたらよいか、わからない」「新たな市場をつくりだす」といったフレーズは、開発企画の着眼点・評価基準として、有効なのでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が画期的な新製品を開発するとしたら、それはどのようなものとなるだろうか。もしそれが「一部の人に熱狂的に支持される」「どの売り場に置いたらよいか、わからない」「新たな市場をつくりだす」ものだとすれば、かなり画期的だ。これらの観点で、開発のアイデアをひねってみよう。
<参考:日経産業新聞 2009.07.30【7面】>
さらに、弊社の女性社員も使い始めていました。
文章を書くことが非常に多いので、起動時間が短く、いつでもどこででも原稿作成できるというのは、魅力的ですね。
使い始めたばかりの製品が日経記事で取り上げられると、つい嬉しくなって読んでしまいます。
7月30日付けの日経産業新聞は、この「ポメラ DM10」がヒットしている、という記事が掲載されています。
昨年11月にリリースされた製品なのですが、「6月末までに当初の年間目標の2倍の6万個を売り、初年度の販売目標を10万個に上方修正した」そうです。
ヨドバシカメラ(秋葉原)の担当者は、「飛ぶように売れている」とさえコメントしています。
「30~50代の男性」が、「会議の議事録作成など仕事はもちろん、外出先での空き時間にブログ用の記事や俳句を書き留めるなど幅広い用途に使う人が多い」とのことです。
記事は、この製品の開発にまつわるストーリーを紹介しています。
開発担当者は「他社製品をまねず、ありそうでなかった商品を開発したことがヒットに結びついた」とコメントしています。
商品化を検討した段階では、「経営陣はヒットを予想できなかった」のだそうですが、開発担当者以外に、社外取締役の大学教授が「今すぐでも買いたい。ぜひ商品化すべき」と主張し、ゴーサインが出たとのことです。
キングジムの宮本彰社長の決断は、「少人数でも飛びついてもらえる商品ならヒットする」との考えからだったそうです。
記事は、「10万個売るにしても、日本人1000人に1人が買えば達成できる数字。皆に気に入られる必要はない」と解説しています。
なかなかの見識だと思います。
大勢の人に、そこそこ気に入られるのではなく、一部の人に、熱狂的に支持されるような製品。開発にあたってのコンセプトの着眼点として、有効だと思います。
このブログでも、以前、分野を特化した「趣味性が強い」クルマの新雑誌創刊が相次いでいるという記事を取り上げたことがあります。
根強いファンを大事にする点では、ポメラのケースと類似していますね。
興味深いのは、「ポメラを販売している家電量販店では現在、陳列場所が電子辞書売り場だったり、パソコン売り場だったりとまちまち」だという点です。
キングジムの宮本社長は「他社が思いつかないような商品を生み出す『規格外の発想が大事』ともコメントしています。どの売り場で売ったらよいのかがわからないというのは、まさに規格外発想であることを象徴しています。
この記事では、「プラスが2007年末に発売した『ケシポン』」という製品にも言及しています。「スタンプを押すだけではがきに記された名前や住所を隠せる」というヒット商品で、「『個人情報保護用文具』という新たな市場をつくり出した」と述べています。
「一部の人に熱狂的に支持される」「どの売り場に置いたらよいか、わからない」「新たな市場をつくりだす」といったフレーズは、開発企画の着眼点・評価基準として、有効なのでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が画期的な新製品を開発するとしたら、それはどのようなものとなるだろうか。もしそれが「一部の人に熱狂的に支持される」「どの売り場に置いたらよいか、わからない」「新たな市場をつくりだす」ものだとすれば、かなり画期的だ。これらの観点で、開発のアイデアをひねってみよう。
<参考:日経産業新聞 2009.07.30【7面】>
2009年07月30日
ギスギスした職場はなぜ変わらないのか
新作DVDの準備が出来ましたので、ここにご案内いたします。
今度の教材は、“職場の活性化”がテーマです。
ベストセラー『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』の、手塚利男先生の講演をDVDに収めました。
働きにくい職場を、どうすれば快適に働ける環境に変えられるか?
自分ひとりからでも気軽に始められる改善方法を、丁寧に実例をたくさん交えてお話いただきました。
※詳細はこちら【期間限定・応援特価!】≪サンプル動画あり≫
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090726.html
最近、世間に“ギスギスした職場”が増えています。
ギスギスした職場とは、例えば、
近くにいるのに会話・用件はほぼメールで済ます・・・
他人の仕事に興味がない、困っていてもお互い知らん顔・・・
などなど、そんな、なんだか息苦しい、「働きにくいな~」という雰囲気の職場です。あなたも、身に覚えがありませんか?
もちろん、好き好んでそんな環境で働きたい人はいないでしょう。
本当は誰だって楽しく働きたいはずなのに、嫌な雰囲気が放っておかれるのはなぜでしょう?
それは、
「自分ひとりが動いたところでムダ・・・」
と、諦めている人がすごく多いからです。
しかし、たったひとりの社員が会社を変えるきっかけになることは十分可能なのです。
せっかく仕事をするなら、嫌な雰囲気の職場より、イキイキしたオフィスで働きたいですよね。
そこで、ベストセラー『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』の手塚利男さんをお招きして、「職場の活性化」についてお話いただきました。
手塚さんは、風土改革コンサルタントとして、主にメーカー系企業を主体に風土改革の支援を行っていらっしゃいます。
手塚さんが「1人からでも改革は始められる」というのには、訳があります。
実は、手塚さん自身が、独立前に勤めていた自動車会社で全社の風土改革を推進して、大きな成果をあげたのです。
そんなわけで、今回教えていただいたのは、何も権限のある方向けのご立派なノウハウではありません。
私たちひとりひとりが、すぐに実践出来ることを中心に、沢山のテクニックをお話いただきました。
今の職場にちょっとでも悩みや不満があるなら、自分が会社を変えるきっかけとなるチャンスです。
今回も、もちろん≪期間限定≫特別感謝価格でのリリースです。どうぞ、お見逃しのないようにしてください!
※詳細はこちら【期間限定・応援特価!】≪サンプル動画あり≫
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090726.html
今度の教材は、“職場の活性化”がテーマです。
ベストセラー『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』の、手塚利男先生の講演をDVDに収めました。
働きにくい職場を、どうすれば快適に働ける環境に変えられるか?
自分ひとりからでも気軽に始められる改善方法を、丁寧に実例をたくさん交えてお話いただきました。
※詳細はこちら【期間限定・応援特価!】≪サンプル動画あり≫
→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090726.html
最近、世間に“ギスギスした職場”が増えています。
ギスギスした職場とは、例えば、
近くにいるのに会話・用件はほぼメールで済ます・・・
他人の仕事に興味がない、困っていてもお互い知らん顔・・・
などなど、そんな、なんだか息苦しい、「働きにくいな~」という雰囲気の職場です。あなたも、身に覚えがありませんか?
もちろん、好き好んでそんな環境で働きたい人はいないでしょう。
本当は誰だって楽しく働きたいはずなのに、嫌な雰囲気が放っておかれるのはなぜでしょう?
それは、
「自分ひとりが動いたところでムダ・・・」
と、諦めている人がすごく多いからです。
しかし、たったひとりの社員が会社を変えるきっかけになることは十分可能なのです。
せっかく仕事をするなら、嫌な雰囲気の職場より、イキイキしたオフィスで働きたいですよね。
そこで、ベストセラー『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』の手塚利男さんをお招きして、「職場の活性化」についてお話いただきました。
手塚さんは、風土改革コンサルタントとして、主にメーカー系企業を主体に風土改革の支援を行っていらっしゃいます。
手塚さんが「1人からでも改革は始められる」というのには、訳があります。
実は、手塚さん自身が、独立前に勤めていた自動車会社で全社の風土改革を推進して、大きな成果をあげたのです。
そんなわけで、今回教えていただいたのは、何も権限のある方向けのご立派なノウハウではありません。
私たちひとりひとりが、すぐに実践出来ることを中心に、沢山のテクニックをお話いただきました。
今の職場にちょっとでも悩みや不満があるなら、自分が会社を変えるきっかけとなるチャンスです。
今回も、もちろん≪期間限定≫特別感謝価格でのリリースです。どうぞ、お見逃しのないようにしてください!
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→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090726.html
2009年07月29日
なぜhpがファッションブログのポータルサイトを開設するのか
「風が吹けば桶屋が儲かる」式に、何が要因で自社の商品・サービスが売れるのかを考えることは、マーケティングの仕組みを構築する上で不可欠です。
机の前でじっくり考え、頭の中での“空想”により、その仕組みを考えていくこともできるでしょう。その場合、ロジカルに考えていく力が求められます。とは言え、検証されているわけではないので、あくまでも仮説にとどまります。
一方、実際に売れた商品・サービスから逆算して、どのような仕組みで売れたのかを解明していく方法もあります。実際に売れているだけに、頭の中だけで考えるより、“精度”は高いでしょう。
時には、パッと見ただけでは、商品・サービスに結びつきにくい要因がマーケティングの仕組みを担う場合もあります。頭の中の“空想”なのか、それとも事実を解明した結果なのか。いずれにしろ、研究対象としては興味深いです。
7月29日付けの日経産業新聞に、「日本HP(ヒューレット・パッカード)は29日、ファッションブログのポータルサイトを開設する」という記事が掲載されています。
これは、「dress☆up!」というサイトなのですが、パソコンメーカーがファッション系サイトを運営するというのは、ちょっと意外な気がします。
記事によれば、「一般顧客からファッションをテーマにしたブログを募集、ブログ立ち上げの支援などを通じてパソコンの活用方法などを周知する」とのことです。
「個人向けノートパソコンの販売促進の一環で、ファッションに関心が高いとされる女性顧客の新規開拓につなげる狙い」ともあり、この説明で、ようやく、なるほどと思えてきます。
ジックとしては、「このサイトで自分のブログを立ち上げたい」→「PCが必要」→「HPのノートPCを購入する」という流れなのでしょうか。理解はできるが、何か唐突な気がしてしまいます。
そう思う人が多いと考えてのことと思いますが、件のサイトには「ヒューレット・パッカードとファッションの関わり」というリンクがあります。早速、そのページを確認してみました。このページにHP(hp)の主張が述べられています。
かいつまんで紹介すると、「hpは、PCが、ファッションのような個性を表現するための存在になってほしいと考えている」とし、非常にファッショナブルな製品として、「HP Mini 1000 VivienneTam Edition」が誕生したことが述べられています。
この製品は、「世界初のファッションブランドとの本格的コラボレーションの実現」であり、ターゲットは、ファッション業界者並びにファッション好きな女性だとのことです。この発想が、件のサイトの開設につながっているわけですね。
意図としては、スペックと価格の競争を回避し、差別化を図ることとなるでしょうか。上記のページは、「ファッションという『個性の表現』を、力強く応援し続けていきます」と結ばれていて、ターゲットを絞った訴求をしています。
売れる仕組みを構築するには、「ロジックの積み上げ」と「事実の検証」の両方があると先述しましたが、このケースのように、「差別化する主張の投げかけ」といった考え方もあるわけです。前二者と比較すると、かなり主体性の強い取り組みとなります。
自社製品とは、一見、関係がないようなサイトを開設することで、従来とは異なる、新たなイメージの構築を加速していく。ちょっとした冒険ですが、この意気込みは、応援したい気がしてきます。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の主張をどのように世の中に訴えかけているだろうか。その主張を具現化するサイトを立ち上げるなどすれば、より訴求力が高まるはずだ。ロジックや検証も大切だが、主張を投げかけるマーケティングについても、考えてみよう。
<参考:日経産業新聞 2009.07.29【5面】>
机の前でじっくり考え、頭の中での“空想”により、その仕組みを考えていくこともできるでしょう。その場合、ロジカルに考えていく力が求められます。とは言え、検証されているわけではないので、あくまでも仮説にとどまります。
一方、実際に売れた商品・サービスから逆算して、どのような仕組みで売れたのかを解明していく方法もあります。実際に売れているだけに、頭の中だけで考えるより、“精度”は高いでしょう。
時には、パッと見ただけでは、商品・サービスに結びつきにくい要因がマーケティングの仕組みを担う場合もあります。頭の中の“空想”なのか、それとも事実を解明した結果なのか。いずれにしろ、研究対象としては興味深いです。
7月29日付けの日経産業新聞に、「日本HP(ヒューレット・パッカード)は29日、ファッションブログのポータルサイトを開設する」という記事が掲載されています。
これは、「dress☆up!」というサイトなのですが、パソコンメーカーがファッション系サイトを運営するというのは、ちょっと意外な気がします。
記事によれば、「一般顧客からファッションをテーマにしたブログを募集、ブログ立ち上げの支援などを通じてパソコンの活用方法などを周知する」とのことです。
「個人向けノートパソコンの販売促進の一環で、ファッションに関心が高いとされる女性顧客の新規開拓につなげる狙い」ともあり、この説明で、ようやく、なるほどと思えてきます。
ジックとしては、「このサイトで自分のブログを立ち上げたい」→「PCが必要」→「HPのノートPCを購入する」という流れなのでしょうか。理解はできるが、何か唐突な気がしてしまいます。
そう思う人が多いと考えてのことと思いますが、件のサイトには「ヒューレット・パッカードとファッションの関わり」というリンクがあります。早速、そのページを確認してみました。このページにHP(hp)の主張が述べられています。
かいつまんで紹介すると、「hpは、PCが、ファッションのような個性を表現するための存在になってほしいと考えている」とし、非常にファッショナブルな製品として、「HP Mini 1000 VivienneTam Edition」が誕生したことが述べられています。
この製品は、「世界初のファッションブランドとの本格的コラボレーションの実現」であり、ターゲットは、ファッション業界者並びにファッション好きな女性だとのことです。この発想が、件のサイトの開設につながっているわけですね。
意図としては、スペックと価格の競争を回避し、差別化を図ることとなるでしょうか。上記のページは、「ファッションという『個性の表現』を、力強く応援し続けていきます」と結ばれていて、ターゲットを絞った訴求をしています。
売れる仕組みを構築するには、「ロジックの積み上げ」と「事実の検証」の両方があると先述しましたが、このケースのように、「差別化する主張の投げかけ」といった考え方もあるわけです。前二者と比較すると、かなり主体性の強い取り組みとなります。
自社製品とは、一見、関係がないようなサイトを開設することで、従来とは異なる、新たなイメージの構築を加速していく。ちょっとした冒険ですが、この意気込みは、応援したい気がしてきます。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の主張をどのように世の中に訴えかけているだろうか。その主張を具現化するサイトを立ち上げるなどすれば、より訴求力が高まるはずだ。ロジックや検証も大切だが、主張を投げかけるマーケティングについても、考えてみよう。
<参考:日経産業新聞 2009.07.29【5面】>
2009年07月28日
“抽象化”によりビジネスアイデアを生み出す。
起業あるいは新規事業ネタをチェックするポイントが、いくつかあります。その一つが、事業の発展性です。チェックにあたっては、既存市場・新規市場、既存商品・新規商品を軸にとった成長マトリクスを描いてみたりします。
当該ネタを既存市場・既存商品の象限に書きます。その上で、それが新規市場や新規商品に発展させることができるかどうかを考えてみます。非常にわかりやすいフレームワークです。
それとは別に、購買行動のリピート性についても、考えてみます。顧客はその商品を、反復・継続して購買されるだろうでしょうか。もしそうであれば、安定的に収益を見込むことができます。
では、リピート購買されない商品の場合はどうしたらよいのでしょうか。すぐにあきらめてしまうのではなく、リピート購買されるようなビネスモデルを描くことを考えてみます。
リピート購買されない商品の典型としては、たとえば「結婚披露宴」があります。原則として、一生に一度しか購買されず、「また次も、お願いします」とはなりませんね。
7月28日付けの日経産業新聞に、「帝国ホテルが2010年11月3日に開業120周年を迎える」という記事が掲載されています。現在、「宿泊の主役だった外国人ビジネス客の落ち込みが続く中、会員組織を中心に日本人の優良顧客の囲い込みを目指す」とのことです。
「囲い込み」は、顧客がリピート購買してくれるような仕組みをつくることを意味します。帝国ホテルの場合、120周年へ向けた改修にあたり、「客室を減らしてまで婚礼専用フロアの拡充に踏み切る」のだそうです。
単価の高い点は魅力的ですが、婚礼宴会そのものはリピート購買されません。ですが記事は「婚礼宴会の安定受注は将来の優良顧客の確保にもつながる」としています。
記事によれば、「2006年から『帝国ホテルで挙式をした』カップルを対象とする会員組織『インペリアルクラブグレース』を新設」し、「結婚記念日や出産など人生の節目ごとにホテルの利用を促」すとのことです。
「インペリアルクラブグレース」という会の名前には、ステータス意識をくすぐる魅力がありますね。既に「2万人超の会員を集めている」とのことで、興味深いことに、「15年前までさかのぼって会員を募集し」たそうです。
これは、購買をリピート化する仕組みとして、ヒントになるでしょう。「挙式」の概念を“抽象化”し、「人生の節目」と読み替えることで、リピート購買の機会を見出せるからです。
このような“抽象化”は、購買のリピート化も含め、ビジネスアイデアを生み出すには不可欠です。たとえば「住宅販売」ではなく「快適な住空間の提供」と“抽象化”した表現に読み替えれば、新たなアイデアが生まれます。
“抽象化”による発想法については、私が講師を務めた『新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー』でも、詳しく述べています。
顧客が欲しいのは「商品」そのものではなく、それによりもたらされる「便益」あるいは「価値」だと、よく言われます。“抽象化”する際の切り口として、「便益」「価値」を考えてみるとよいでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が取り組んでいるビジネスは、その概念をどのように“抽象化”することができるだろうか。“抽象化”すれば、発想の枠が大きく広がる。ビジネスモデルを刷新することも可能だ。
<参考:日経産業新聞 2009.07.28【18面】>
当該ネタを既存市場・既存商品の象限に書きます。その上で、それが新規市場や新規商品に発展させることができるかどうかを考えてみます。非常にわかりやすいフレームワークです。
それとは別に、購買行動のリピート性についても、考えてみます。顧客はその商品を、反復・継続して購買されるだろうでしょうか。もしそうであれば、安定的に収益を見込むことができます。
では、リピート購買されない商品の場合はどうしたらよいのでしょうか。すぐにあきらめてしまうのではなく、リピート購買されるようなビネスモデルを描くことを考えてみます。
リピート購買されない商品の典型としては、たとえば「結婚披露宴」があります。原則として、一生に一度しか購買されず、「また次も、お願いします」とはなりませんね。
7月28日付けの日経産業新聞に、「帝国ホテルが2010年11月3日に開業120周年を迎える」という記事が掲載されています。現在、「宿泊の主役だった外国人ビジネス客の落ち込みが続く中、会員組織を中心に日本人の優良顧客の囲い込みを目指す」とのことです。
「囲い込み」は、顧客がリピート購買してくれるような仕組みをつくることを意味します。帝国ホテルの場合、120周年へ向けた改修にあたり、「客室を減らしてまで婚礼専用フロアの拡充に踏み切る」のだそうです。
単価の高い点は魅力的ですが、婚礼宴会そのものはリピート購買されません。ですが記事は「婚礼宴会の安定受注は将来の優良顧客の確保にもつながる」としています。
記事によれば、「2006年から『帝国ホテルで挙式をした』カップルを対象とする会員組織『インペリアルクラブグレース』を新設」し、「結婚記念日や出産など人生の節目ごとにホテルの利用を促」すとのことです。
「インペリアルクラブグレース」という会の名前には、ステータス意識をくすぐる魅力がありますね。既に「2万人超の会員を集めている」とのことで、興味深いことに、「15年前までさかのぼって会員を募集し」たそうです。
これは、購買をリピート化する仕組みとして、ヒントになるでしょう。「挙式」の概念を“抽象化”し、「人生の節目」と読み替えることで、リピート購買の機会を見出せるからです。
このような“抽象化”は、購買のリピート化も含め、ビジネスアイデアを生み出すには不可欠です。たとえば「住宅販売」ではなく「快適な住空間の提供」と“抽象化”した表現に読み替えれば、新たなアイデアが生まれます。
“抽象化”による発想法については、私が講師を務めた『新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー』でも、詳しく述べています。
顧客が欲しいのは「商品」そのものではなく、それによりもたらされる「便益」あるいは「価値」だと、よく言われます。“抽象化”する際の切り口として、「便益」「価値」を考えてみるとよいでしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が取り組んでいるビジネスは、その概念をどのように“抽象化”することができるだろうか。“抽象化”すれば、発想の枠が大きく広がる。ビジネスモデルを刷新することも可能だ。
<参考:日経産業新聞 2009.07.28【18面】>
2009年07月28日
伝える側の責任を全うすべし。
コミュニケーションの問題は、さまざまな形で現れます。話が通じないことで、イライラした経験のある人も多いでしょう。あるいは、誤って伝わってしまうこともあります。
基本的には、「伝える側の責任」と受け止めることが鉄則です。特に、「これくらい、言わなくてもわかるだろう」は禁物ですね。仲間内ですらそうなのですから、一般的な商品説明や広告文なら、なおのこと注意を要します。
わからないことがあり、質問をすると、「そこに書いてありますよ」と回答されることがあります。見落とした側が悪いような物の言い方ですが、「伝える側の責任」も大きいはずなのです。
7月27日付けの日経MJ(流通新聞)に、「味の素は顧客から寄せられた問い合わせやクレームの内容を社内で効率的に共有できるシステムを導入した」という記事が掲載されています。
「内容をグラフ化し、誰でも気軽に閲覧・分析できるようにしたのた特徴だ」そうです。興味深いのは、「従来から顧客とのやりとりの内容は社内ネットで公開していた」という点です。
従来のやり方では、「単に内容を羅列するだけのもので見づらく、社員の閲覧率は低かった」とのことです。情報は、伝達(公開)すればよい、というものではないのです。
そこに「伝える側の責任」があるわけです。また、情報を「加工」することの意義があり、それが情報に「付加価値」を与えるということになります。コミュニケーションの問題は、情報を適切に加工し、付加価値を与える作業を怠ることにより起こります。
味の素のこのシステムは「お客様の声ポータル」と呼ばれるもので、記事によれば「野村総合研究所と協力して開発した」のだそうです。商品に関するクレーム等の情報が種類別に整理され、「男女比や年代別など属性を絞って分析することも可能だ」。
「各担当者が自ら顧客の声を分析できるようになった」という点も、興味深いです。情報を加工し、付加価値を与えるべきことを先述しましたが、お仕着せではなく、ユーザー自ら、その作業をできるようにすることが、さらなる付加価値を生むのです。
また、「問い合わせが多かった単語をランキング形式で紹介する」ことまでしています。記事によれば、「少しでも社員にサイトに接続してもらうための多様な工夫を盛り込んだ」とのことです。
「伝える側の責任」を徹底的に追求すると、あらゆる努力を払うものです。社内システムでありながら、外部の顧客に対するような念の入れ方だと言えます。
逆に言えば、対顧客のコミュニケーションの工夫は丁寧に行なうものの、社内向けは、結構、ぞんざいであったりすることが多いように思います。そこには、社内だからという「甘え」があります。
製造業では「次工程はお客様」という言葉があります。自分の工程で果たすべき責任を果たし、次工程へは、お客様に対するように、ベストの品質のものを流す、の意です。
社内におけるコミュニケーションも、そのようでありたいですね。「伝える側」は、すなわち前工程であり、次工程へのコミュニケーションは、完璧なものを期す。甘えを排し、責任を全うするとは、そのようなことなのです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、社内コミュニケーションを充実させることについて、どのように取り組んでいるだろうか。対顧客と同様の意識でコミュニケーションが行なわれているだろうか。「伝える側の責任」の意識を高め、その責任を全うすることが大切だ。
<参考:日経MJ(流通)新聞 2009.07.27【9面】>
基本的には、「伝える側の責任」と受け止めることが鉄則です。特に、「これくらい、言わなくてもわかるだろう」は禁物ですね。仲間内ですらそうなのですから、一般的な商品説明や広告文なら、なおのこと注意を要します。
わからないことがあり、質問をすると、「そこに書いてありますよ」と回答されることがあります。見落とした側が悪いような物の言い方ですが、「伝える側の責任」も大きいはずなのです。
7月27日付けの日経MJ(流通新聞)に、「味の素は顧客から寄せられた問い合わせやクレームの内容を社内で効率的に共有できるシステムを導入した」という記事が掲載されています。
「内容をグラフ化し、誰でも気軽に閲覧・分析できるようにしたのた特徴だ」そうです。興味深いのは、「従来から顧客とのやりとりの内容は社内ネットで公開していた」という点です。
従来のやり方では、「単に内容を羅列するだけのもので見づらく、社員の閲覧率は低かった」とのことです。情報は、伝達(公開)すればよい、というものではないのです。
そこに「伝える側の責任」があるわけです。また、情報を「加工」することの意義があり、それが情報に「付加価値」を与えるということになります。コミュニケーションの問題は、情報を適切に加工し、付加価値を与える作業を怠ることにより起こります。
味の素のこのシステムは「お客様の声ポータル」と呼ばれるもので、記事によれば「野村総合研究所と協力して開発した」のだそうです。商品に関するクレーム等の情報が種類別に整理され、「男女比や年代別など属性を絞って分析することも可能だ」。
「各担当者が自ら顧客の声を分析できるようになった」という点も、興味深いです。情報を加工し、付加価値を与えるべきことを先述しましたが、お仕着せではなく、ユーザー自ら、その作業をできるようにすることが、さらなる付加価値を生むのです。
また、「問い合わせが多かった単語をランキング形式で紹介する」ことまでしています。記事によれば、「少しでも社員にサイトに接続してもらうための多様な工夫を盛り込んだ」とのことです。
「伝える側の責任」を徹底的に追求すると、あらゆる努力を払うものです。社内システムでありながら、外部の顧客に対するような念の入れ方だと言えます。
逆に言えば、対顧客のコミュニケーションの工夫は丁寧に行なうものの、社内向けは、結構、ぞんざいであったりすることが多いように思います。そこには、社内だからという「甘え」があります。
製造業では「次工程はお客様」という言葉があります。自分の工程で果たすべき責任を果たし、次工程へは、お客様に対するように、ベストの品質のものを流す、の意です。
社内におけるコミュニケーションも、そのようでありたいですね。「伝える側」は、すなわち前工程であり、次工程へのコミュニケーションは、完璧なものを期す。甘えを排し、責任を全うするとは、そのようなことなのです。
【今日の教訓】
あなたの企業では、社内コミュニケーションを充実させることについて、どのように取り組んでいるだろうか。対顧客と同様の意識でコミュニケーションが行なわれているだろうか。「伝える側の責任」の意識を高め、その責任を全うすることが大切だ。
<参考:日経MJ(流通)新聞 2009.07.27【9面】>
2009年07月23日
制約を外して飛躍する
ビジネスの拡大・発展を目指す場合、現状ではどのような制約条件があるか、明確に認識しておく必要があります。たとえば弊社のように、セミナー開催をビジネスにしている場合は、席数と受講料単価の掛け算が、売上高の上限となります。
席数を考えないとしても、日時と場所が指定(制約)されていることで、受講の都合がつかない人に対しては、機会損失を起こしていることが考えられたりします。
席数・日時・場所といった制約条件は、工夫をすれば、外すことができます。たとえば、セミナーをDVD化したり、ネットを使って配信するといったやり方は、その制約条件にとらわれません。
7月23日付けの日本経済新聞地方経済面(中国A)に、「井筒屋グループの山口井筒屋は山口店の外商強化に乗り出す」という記事が掲載されています。
店舗への来店客を待たねばならないということも、制約条件となります。積極的に顧客に出向くことで、その制約を外すことができます。外商という機動的な営業スタイルは、そこにメリットがあるわけです。
記事によれば、「山口市内だけでなく、周辺顧客を掘り起こす。日本海側に商圏を広げるため、2011年にも萩市に外商担当者が常駐する拠点を設ける方針」とのことです。
萩市の拠点については、「外商担当者を3~4人常駐させる方針」で、「小規模なサテライト店とすることも検討している」とのこと。現在の業態の制約をも、外す考えのようです。
もっとも、外商を強化したいという願望があっても、足がかりがなければ、掛け声倒れとなってしまいます。簡単にできるなら、とっくの昔に取り組んでいたでしょう。それもまた、制約条件と言えます。
記事によれば、「メーンバンクの山口銀行と連携」するとのことです。「山口銀行は取引先を山口井筒屋に紹介するなどして、山口店の外商拡大につなげる」のだそうです。
井筒屋の会員カードである「ウィズカード」の株式は、山口銀行を傘下に持つ山口フィナンシャルグループが保有していて、カード会員を増やすことが、双方にとってのメリットとなるわけです。
このような他社との連携も、顧客数拡大への制約を取り外すことになります。結局のところ、ビジネスの発展は、いかに制約条件を外していくかの繰り返しなのだと思います。
山口井筒屋の外商比率は、約21%。「同じく山口井筒屋が運営している宇部店の外商比率29%に比べても低い」と記事は伝えています。他店をベンチマークすることで、改善余地を見出したわけです。
制約条件を外すという発想の前提は、冒頭で述べたように、制約条件の存在への認識が大前提です。他店をベンチマークすることも、その気づきにつながるでしょう。外商比率をもっと高めることができるはずという意識は、思考の制約を外してくれます。
ビジネスも人生も、制約だらけだと感じればそのとおりですが、知恵や工夫で、その制約を外すこともできます。飛躍するためには、その妨げとなる制約を外せばよいのです。何が制約条件なのかを見極めれば、活路を見出しやすくなるでしょう。
【今日の教訓】
あなたのビジネスに限界があるとすれば、何が制約条件となっているだろうか。その制約条件を見極めたら、それを外す手立てを考えてみよう。いきなり飛躍を目指すのではなく、制約を外すことを考えるのだ。
<参考:日本経済新聞(中国A) 2009.07.23【11面】>
席数を考えないとしても、日時と場所が指定(制約)されていることで、受講の都合がつかない人に対しては、機会損失を起こしていることが考えられたりします。
席数・日時・場所といった制約条件は、工夫をすれば、外すことができます。たとえば、セミナーをDVD化したり、ネットを使って配信するといったやり方は、その制約条件にとらわれません。
7月23日付けの日本経済新聞地方経済面(中国A)に、「井筒屋グループの山口井筒屋は山口店の外商強化に乗り出す」という記事が掲載されています。
店舗への来店客を待たねばならないということも、制約条件となります。積極的に顧客に出向くことで、その制約を外すことができます。外商という機動的な営業スタイルは、そこにメリットがあるわけです。
記事によれば、「山口市内だけでなく、周辺顧客を掘り起こす。日本海側に商圏を広げるため、2011年にも萩市に外商担当者が常駐する拠点を設ける方針」とのことです。
萩市の拠点については、「外商担当者を3~4人常駐させる方針」で、「小規模なサテライト店とすることも検討している」とのこと。現在の業態の制約をも、外す考えのようです。
もっとも、外商を強化したいという願望があっても、足がかりがなければ、掛け声倒れとなってしまいます。簡単にできるなら、とっくの昔に取り組んでいたでしょう。それもまた、制約条件と言えます。
記事によれば、「メーンバンクの山口銀行と連携」するとのことです。「山口銀行は取引先を山口井筒屋に紹介するなどして、山口店の外商拡大につなげる」のだそうです。
井筒屋の会員カードである「ウィズカード」の株式は、山口銀行を傘下に持つ山口フィナンシャルグループが保有していて、カード会員を増やすことが、双方にとってのメリットとなるわけです。
このような他社との連携も、顧客数拡大への制約を取り外すことになります。結局のところ、ビジネスの発展は、いかに制約条件を外していくかの繰り返しなのだと思います。
山口井筒屋の外商比率は、約21%。「同じく山口井筒屋が運営している宇部店の外商比率29%に比べても低い」と記事は伝えています。他店をベンチマークすることで、改善余地を見出したわけです。
制約条件を外すという発想の前提は、冒頭で述べたように、制約条件の存在への認識が大前提です。他店をベンチマークすることも、その気づきにつながるでしょう。外商比率をもっと高めることができるはずという意識は、思考の制約を外してくれます。
ビジネスも人生も、制約だらけだと感じればそのとおりですが、知恵や工夫で、その制約を外すこともできます。飛躍するためには、その妨げとなる制約を外せばよいのです。何が制約条件なのかを見極めれば、活路を見出しやすくなるでしょう。
【今日の教訓】
あなたのビジネスに限界があるとすれば、何が制約条件となっているだろうか。その制約条件を見極めたら、それを外す手立てを考えてみよう。いきなり飛躍を目指すのではなく、制約を外すことを考えるのだ。
<参考:日本経済新聞(中国A) 2009.07.23【11面】>
2009年07月22日
自分でできるようにするコンサルティング
「コンサルタント養成講座」を通じて、コンサルタントの育成を行なっています。一言でコンサルタントと言っても、専門分野はさまざまで、コンサルティングスタイルも多岐にわたります。
コンサルティングの本質は何か。そんなことも考えたりするのですが、私の理想とするところは「技術移転」です。コンサルタントの持つノウハウをクライアントに提供し、クライアントが自力で課題解決できるようにしてあげるわけです。
その観点で言うと、コンサルティングは「人材育成」の一環でもあります。ですので、クライアントの業務の代行は、コンサルティングではありません。代行は、コンサルティングとは別のビジネスです。
もっとも、コンサルタントは全く代行をしないのかと言えば、そうとも限りません。技術移転や人材育成のプロセスで、「手本を示す」意味合いで代行をすることはあります。
7月22日付けの日経産業新聞に、「iTiDコンサルティングは製造業向けの割安な業務改革コンサルティングサービスを始める」という記事が掲載されています。
なぜ割安かと言えば、「業務改革を推進する人材を顧客企業内で育成する手法を採用した」からです。業務改革の場合、「専任のコンサルタントが顧客企業の開発者らへのインタビューを通して業務の現状を分析するケースが多い」です。
しかしこの記事のサービスでは、コンサルタントは「課題分析の手法や考え方を指南。実際の調査は社内の人員が主体となって実施し、業務上の課題を自ら抽出できるようにする」のだそうです。
ビジネスの損得で考えると、コンサルタントは、クライアントとの関係を出来る限り長く続けたいものです。「技術移転」により“一人立ち”されると、契約が終わってしまうジレンマがあります。
そのため、コンサルタントがどうしても必要になるように、ブラックボックスを仕掛ける輩もいるらしいです。そうなると、ブラックボックス部分は、コンサルティングではなく、代行と呼んだ方がよいでしょう。
コンサルタントの立場は、当然、従業員とは異なります。必要な知見を必要な時期に、必要だけ欲しいから、コンサルタントが雇われるのです。つまり、期間限定でなければおかしいわけです。契約が終わってしまうのは、このビジネスの特性だと、割り切る必要があります。
この記事のサービスを利用すると、「業務を改善するためのノウハウを社内に蓄積しやすいほか、社員の意識改革にも役立つ」とされています。費用も安いのであれば、それに越したことはありません。
割安のサービスではありますが、コンサルティング会社としての損得勘定は、しっかりと押さえられています。というのは、このサービスの提供を通じて、「課題解決に役立つ業務ソフトウエアなどの受注を拡大する」ことを狙っているからです。
コンサルティングは、いわばフロントエンド商品なのです。ですので、割安で提供してでも受注し、バックエンドの業務ソフトの販売に結びつけようということなのかと思います。
また、調査業務のための人員を確保するとなると、固定費の増加を招きます。クライアントに業務を負担させ、それが双方にメリットをもたらすのなら、賢明な選択だといえるでしょう。
これと対比すると、従来は、重厚なサービスを付加し、価格を吊り上げ、業務負担と固定費リスクを増大させてきたのは、いったい何だったのかという気にさせられます。
より身軽なビジネスモデルへの転換で、売り手と買い手の双方にメリットをもたらすことがあり得るわけです。足し算ではなく、引き算の経営とでも言えるでしょうか。固定観念を捨て、見直してみることを考えてもよいと思います。
【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービス、そしてビジネスモデルについて、もっと身軽なものに転換できないか、考えてみよう。もしそうしたら、自社と顧客にどのようなメリットがもたらされるだろうか。もしかしたら、今までの悩みを解決する特効薬となるかも知れない。
<参考:日経産業新聞 2009.07.22【7面】>
コンサルティングの本質は何か。そんなことも考えたりするのですが、私の理想とするところは「技術移転」です。コンサルタントの持つノウハウをクライアントに提供し、クライアントが自力で課題解決できるようにしてあげるわけです。
その観点で言うと、コンサルティングは「人材育成」の一環でもあります。ですので、クライアントの業務の代行は、コンサルティングではありません。代行は、コンサルティングとは別のビジネスです。
もっとも、コンサルタントは全く代行をしないのかと言えば、そうとも限りません。技術移転や人材育成のプロセスで、「手本を示す」意味合いで代行をすることはあります。
7月22日付けの日経産業新聞に、「iTiDコンサルティングは製造業向けの割安な業務改革コンサルティングサービスを始める」という記事が掲載されています。
なぜ割安かと言えば、「業務改革を推進する人材を顧客企業内で育成する手法を採用した」からです。業務改革の場合、「専任のコンサルタントが顧客企業の開発者らへのインタビューを通して業務の現状を分析するケースが多い」です。
しかしこの記事のサービスでは、コンサルタントは「課題分析の手法や考え方を指南。実際の調査は社内の人員が主体となって実施し、業務上の課題を自ら抽出できるようにする」のだそうです。
ビジネスの損得で考えると、コンサルタントは、クライアントとの関係を出来る限り長く続けたいものです。「技術移転」により“一人立ち”されると、契約が終わってしまうジレンマがあります。
そのため、コンサルタントがどうしても必要になるように、ブラックボックスを仕掛ける輩もいるらしいです。そうなると、ブラックボックス部分は、コンサルティングではなく、代行と呼んだ方がよいでしょう。
コンサルタントの立場は、当然、従業員とは異なります。必要な知見を必要な時期に、必要だけ欲しいから、コンサルタントが雇われるのです。つまり、期間限定でなければおかしいわけです。契約が終わってしまうのは、このビジネスの特性だと、割り切る必要があります。
この記事のサービスを利用すると、「業務を改善するためのノウハウを社内に蓄積しやすいほか、社員の意識改革にも役立つ」とされています。費用も安いのであれば、それに越したことはありません。
割安のサービスではありますが、コンサルティング会社としての損得勘定は、しっかりと押さえられています。というのは、このサービスの提供を通じて、「課題解決に役立つ業務ソフトウエアなどの受注を拡大する」ことを狙っているからです。
コンサルティングは、いわばフロントエンド商品なのです。ですので、割安で提供してでも受注し、バックエンドの業務ソフトの販売に結びつけようということなのかと思います。
また、調査業務のための人員を確保するとなると、固定費の増加を招きます。クライアントに業務を負担させ、それが双方にメリットをもたらすのなら、賢明な選択だといえるでしょう。
これと対比すると、従来は、重厚なサービスを付加し、価格を吊り上げ、業務負担と固定費リスクを増大させてきたのは、いったい何だったのかという気にさせられます。
より身軽なビジネスモデルへの転換で、売り手と買い手の双方にメリットをもたらすことがあり得るわけです。足し算ではなく、引き算の経営とでも言えるでしょうか。固定観念を捨て、見直してみることを考えてもよいと思います。
【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービス、そしてビジネスモデルについて、もっと身軽なものに転換できないか、考えてみよう。もしそうしたら、自社と顧客にどのようなメリットがもたらされるだろうか。もしかしたら、今までの悩みを解決する特効薬となるかも知れない。
<参考:日経産業新聞 2009.07.22【7面】>
2009年07月14日
○○を○○として売るだけでは成長はない
この不況をどう乗り切るべきか。先日、中小企業向けに、コンサルタントとしてのコメントが欲しいということで、某雑誌の取材を受ける機会がありました。
編集の方は、発想の転換の必要性を落としどころとしたいと考えていたようです。とは言え、妙案など、簡単に頭に浮かぶものでもありませんし、発想を切り替えろと言われ、それができるようなら、誰も苦労しません、ハイ。
また、発想を「どのように」転換するのかが問題ですし、その切り口がみつからなくて困っているケースが多いです。ならば、外部からその「切り口」をもらうようにしましょう。具体的には、他社や他業界の動きを知り、そこからヒントを得ることです。
たとえば7月14日付けの日経産業新聞には、「クリーニングやDPE(写真の現像・焼き付け・引き伸ばし)、学習塾といった構造不況業種のサービス各社が収益源の多様化を急ぎ始めた」という記事が掲載されています。
日々、日経各紙の記事に目を通していれば、そのような「収益源の多様化」は、最近のトレンドであることに気づきます。この切り口を、自社の経営に当てはめて考えてみることをオススメします。
記事を詳しく読めば、さらに掘り下げ、具体的な考え方に触れることができます。「手段・方法」はさておき、まずは「考え方」を把握することが大切です。「考え方」レベルであれば、他業界の取り組みであっても、自社への適用が可能となるからです。
日経産業新聞の記事には、「クリーニングをクリーニングとして売るだけでは成長はない」という、クリーニングチェーンの社長のコメントが紹介されています。このコメントを、「○○を○○として売るだけでは成長はない」と、考え方レベルで読み換えてみれば、他業界企業にとっても、参考になります。
このチェーンでは、「オフシーズンの衣料品のクリーニングと保管・修繕を組み合わせたサービスを展開」しています。クリーニングに保管・修繕の付加価値を乗せたことで、前年同期比25%増加の受注件数を達成しています。
DPE業界では、「子供向け写真館」を拡大展開したり、「写真付きの学生証や社員証の製作に使うIDカードプリンターの販売」に参入していたりします。
フィルムカメラの減少で市場規模が縮小していることを受け、「写真」関連の他分野へ進出しているわけですね。先ほどの表現を使えば、デジカメデータのプリントという新市場はあるとしても、「写真をプリントとして売るだけ」ではダメということなのでしょう。
学習塾については、「家族や子育てに関するセミナーを開催」する動きが伝えられています。学習塾も、「子供に勉強を教えるだけ」では済ませられないということです。コンセプトを広く「子育て」ととらえる発想が見てとれます。
これらの事例を踏まえると、発想の転換の一つの方向性としては、顧客ニーズをより広くとらえてみることがあるでしょう。クリーニングの真のニーズ・価値は、服の“洗浄”というより、服の“手入れ”なのです。となれば当然、そこには修繕や保管も含まれます。
同様に、写真プリントの真の価値は、家族の思い出づくりであったり、身分証明であったりしますし、学習塾の価値は、よりよい子育ての一環であったりもします。
このような発想の転換は、従来よりも視野を広く持つことから生まれます。目先の課題で視野狭窄に陥るなということです。今まで見えなかったものが見えるようになることが、新たな発想を生む引き金となるのですから。
【今日の教訓】
あなたの企業を成長発展させるために、あなたはどのような視点でその策を考えているだろうか。全体を俯瞰し、より広い視野で眺めることをしてみよう。今まで見えなかったものが見えるようになれば、そこに成長発展のヒントを見出すことができるはずだ。
<参考:日経産業新聞 2009.07.14【16面】>
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「経営戦略考」的読み方をマスターすれば、新聞記事は「宝の山」に大変身!
詳細→ http://www.bbook.jp/seminardvd/20090708.html
◆お知らせ2◆
視点を変えるのなら、コーチングを学ぶことが有効ですね。
自分一人では、どうしても気づかないことがあります。
コーチのサポートが必要とされる理由ですね。
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体験講座→ http://www.ginza-coach.com/learn/experience.html
編集の方は、発想の転換の必要性を落としどころとしたいと考えていたようです。とは言え、妙案など、簡単に頭に浮かぶものでもありませんし、発想を切り替えろと言われ、それができるようなら、誰も苦労しません、ハイ。
また、発想を「どのように」転換するのかが問題ですし、その切り口がみつからなくて困っているケースが多いです。ならば、外部からその「切り口」をもらうようにしましょう。具体的には、他社や他業界の動きを知り、そこからヒントを得ることです。
たとえば7月14日付けの日経産業新聞には、「クリーニングやDPE(写真の現像・焼き付け・引き伸ばし)、学習塾といった構造不況業種のサービス各社が収益源の多様化を急ぎ始めた」という記事が掲載されています。
日々、日経各紙の記事に目を通していれば、そのような「収益源の多様化」は、最近のトレンドであることに気づきます。この切り口を、自社の経営に当てはめて考えてみることをオススメします。
記事を詳しく読めば、さらに掘り下げ、具体的な考え方に触れることができます。「手段・方法」はさておき、まずは「考え方」を把握することが大切です。「考え方」レベルであれば、他業界の取り組みであっても、自社への適用が可能となるからです。
日経産業新聞の記事には、「クリーニングをクリーニングとして売るだけでは成長はない」という、クリーニングチェーンの社長のコメントが紹介されています。このコメントを、「○○を○○として売るだけでは成長はない」と、考え方レベルで読み換えてみれば、他業界企業にとっても、参考になります。
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これらの事例を踏まえると、発想の転換の一つの方向性としては、顧客ニーズをより広くとらえてみることがあるでしょう。クリーニングの真のニーズ・価値は、服の“洗浄”というより、服の“手入れ”なのです。となれば当然、そこには修繕や保管も含まれます。
同様に、写真プリントの真の価値は、家族の思い出づくりであったり、身分証明であったりしますし、学習塾の価値は、よりよい子育ての一環であったりもします。
このような発想の転換は、従来よりも視野を広く持つことから生まれます。目先の課題で視野狭窄に陥るなということです。今まで見えなかったものが見えるようになることが、新たな発想を生む引き金となるのですから。
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<参考:日経産業新聞 2009.07.14【16面】>
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2009年07月14日
厳選ビジネス書の要約を耳で聴く!
日経新聞はもとより、ビジネス書を読むことは、ビジネスパースンにとっては必須ですね。
とは言え、
「忙しくてビジネス書が読めない!」
「本が多すぎて、何を読めばいいかわからない!」
・・・という悩みは尽きません。
ビジネス書の要約版メルマガもありますが、
「分量が、ちょっと足りないな~」
というご声も、よく聞きます。確かに、少々物足りないですよね。
とは言え、読者の大半が多忙な現役ビジネスパースンです。文字が増えたら、読む時間の捻出がままならないのではないでしょうか?
実は、そんな方の、かゆいところに手が届くサービスがあるのをご存知でしたか?
『ビジネス選書&サマリー』(音声版)です。
特徴は、
・5000文字相当の分量があります。
・プロの女子アナに読んでもらいました。
・音声ファイル(MP3またはCD)でお届けします。
これを、ご希望者にお届けしています。
ビジネス書を朗読した音声ファイルも出回っていますが、そうなると、数時間はかかってしまいます。
ビジネス書をコンパクトに要約し、それを音源にしてお届けするというのは、極めて画期的なサービスです。
おかげ様で、たいへん多くの方にご利用いただいています。
特に最近は、iPodなどの携帯プレーヤーが普及しています。音声ファイルを直接パソコンにダウンロードいただけるサービスに、
・わざわざPCに読み込ませる手間がいらない
・入手まで待たずに済む
・海外に住んでいても入手できる
と、ご満足いただいています。
・・・といっても、どんなものかイメージしにくいですね。
そこで、以下から試聴ができますので、ぜひご覧ください。
※「ビジネス選書&サマリー」音声版
→ http://www.bbook.jp/audio/index.html
・・・いかがですか?
お申し込みいただけば、これと同じボリュームのものを毎月4冊分
お楽しみいただくことができます。これなら、メルマガを
・ 自転車、徒歩などで移動する時間に、
・ 混雑した通勤電車内で、
・ 車での移動時間に、
・ マラソン、ウォーキングしながら、
・仕事や勉強し“ながら”、
といった具合に、場所や時間を問わずお楽しみいただけます。
最近は、
「目から(活字)よりも、耳から(音で)情報収集するほうが得意」という方も増えているようですが、そんな方々にはピッタリです。
また、音声ですから、繰り返し聴くことが可能です。そのため、中身を、脳裏にくっきり焼き付けることが可能です。
まずは、以下からその出来映えをお聴きになってみてください。
※「ビジネス選書&サマリー」音声版
→ http://www.bbook.jp/audio/index.html
とは言え、
「忙しくてビジネス書が読めない!」
「本が多すぎて、何を読めばいいかわからない!」
・・・という悩みは尽きません。
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「分量が、ちょっと足りないな~」
というご声も、よく聞きます。確かに、少々物足りないですよね。
とは言え、読者の大半が多忙な現役ビジネスパースンです。文字が増えたら、読む時間の捻出がままならないのではないでしょうか?
実は、そんな方の、かゆいところに手が届くサービスがあるのをご存知でしたか?
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・プロの女子アナに読んでもらいました。
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ビジネス書を朗読した音声ファイルも出回っていますが、そうなると、数時間はかかってしまいます。
ビジネス書をコンパクトに要約し、それを音源にしてお届けするというのは、極めて画期的なサービスです。
おかげ様で、たいへん多くの方にご利用いただいています。
特に最近は、iPodなどの携帯プレーヤーが普及しています。音声ファイルを直接パソコンにダウンロードいただけるサービスに、
・わざわざPCに読み込ませる手間がいらない
・入手まで待たずに済む
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と、ご満足いただいています。
・・・といっても、どんなものかイメージしにくいですね。
そこで、以下から試聴ができますので、ぜひご覧ください。
※「ビジネス選書&サマリー」音声版
→ http://www.bbook.jp/audio/index.html
・・・いかがですか?
お申し込みいただけば、これと同じボリュームのものを毎月4冊分
お楽しみいただくことができます。これなら、メルマガを
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・ 混雑した通勤電車内で、
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といった具合に、場所や時間を問わずお楽しみいただけます。
最近は、
「目から(活字)よりも、耳から(音で)情報収集するほうが得意」という方も増えているようですが、そんな方々にはピッタリです。
また、音声ですから、繰り返し聴くことが可能です。そのため、中身を、脳裏にくっきり焼き付けることが可能です。
まずは、以下からその出来映えをお聴きになってみてください。
※「ビジネス選書&サマリー」音声版
→ http://www.bbook.jp/audio/index.html
2009年07月14日
標準化の効果、恐るべし。
夏といえば生ビール。この季節、夕方以降は、なるべく水分を控えるようにしています。そうすると、生ビールの最初の一杯で、至福の気分を味わうことができます。
ただ、いつも気になることが一つあります。それは、生ビール(中)のサイズが、店によって異なるということです。400cc~600ccくらいの範囲でばらつきがあるらしいです。
同じ「中」を謳いながら、分量にばらつきがあるのは、いかがなものでしょうか。ですが、表立ってクレームをつける客は、ほとんどいないようです。
というのは、サイズだけでなく、価格にもばらつきがあるからでしょう。均一価格でサイズが違っていたら問題視されるでしょうが、飲食物の価格は店によってばらつくのが普通であり、そのようなものとして受け入れられています。
サイズと価格、そして店の「格」とが絡み合っていることが、単純比較を許さない状況を生んでいるわけです。また、居酒屋には生ビール以外のメニューがほとんどであり、価値は総合的に判断されるので、生ビールのサイズ問題だけを、わざわざクローズアップすることはしないのでしょう。
とは言え、一般的には、割安なのか割高なのか、ズバリと比較できた方が、ありがたいと言えるでしょう。そのような比較は、仕様が統一されることで、はじめて可能になります。
7月13日付けの日経MJ(流通新聞)に、服の“お直し”サービスを標準化する動きを伝える記事が掲載されています。「日本リ・ファッション推進委員会」という業界団体が発足し、「ばらつきのあるサービスや料金内容の整合性を取り、消費者の満足度を高める」ことを目指しています。
「リ・ファッション」という聞き慣れない言葉は、リペア(補修)、リフォーム(補正)、リメーク(作り直し)を総称したものだそうです。昨今の環境問題への関心の高まりを受け、資源の有効活用は、服の分野でも当てはまります。
記事によれば、「業界には中小企業が多く、サービスや料金がまちまち」であり、一言で“お直し”といっても、「すそ上げなど簡単な補修だけの店から、消費者の体形を考慮して似合う補正や作り直しを提案する店まで幅広い」のだそうです。
消費者としては、自分の好みに合うように直してもらおうと思っても、このようにサービス内容や料金にばらつきがあると、どこへ持ち込んだらよいのか、途方に暮れてしまいますね。
しかも、「顧客からのクレーム対応についてもばらつきがみられる」とか。これでは、消費者が二の足を踏んでしまうでしょう。標準化は、そのような問題を解決する基本的な仕組みとして、不可欠と考えられます。
もちろん、これは、服の“お直し”に限ったことではありません。他の業界では、標準化や規格の統一といった取り組みにより、安心して購入してもらえるような土台を作ってきています。
標準化は、最低限の品質が保証されていることを意味すると共に、詳しく仕様を指定する手間を省きます。そして、商品相互の比較をも容易にしてくれます。比較は競争を生み、品質向上を加速します。これらがあいまって、顧客を拡大する効果をもたらすわけです。
標準化の効果、恐るべし、といったところでしょうか。既に標準化や規格化が進んでいる業界もありますが、まだ整備されていない業界もあります。生ビール(中)のサイズまで統一しろとは言いませんが、標準化へ一念発起すべき業界は、たくさんありますね。
【今日の教訓】
あなたの企業の属する業界では、商品・サービス仕様の標準化が進んでいるだろうか。標準化は、商品・サービスの品質を向上し、市場規模の拡大に資する。業界を挙げて取り組むことを考えよう。
<参考:日経MJ(流通新聞)2009.07.13【11面】>
ただ、いつも気になることが一つあります。それは、生ビール(中)のサイズが、店によって異なるということです。400cc~600ccくらいの範囲でばらつきがあるらしいです。
同じ「中」を謳いながら、分量にばらつきがあるのは、いかがなものでしょうか。ですが、表立ってクレームをつける客は、ほとんどいないようです。
というのは、サイズだけでなく、価格にもばらつきがあるからでしょう。均一価格でサイズが違っていたら問題視されるでしょうが、飲食物の価格は店によってばらつくのが普通であり、そのようなものとして受け入れられています。
サイズと価格、そして店の「格」とが絡み合っていることが、単純比較を許さない状況を生んでいるわけです。また、居酒屋には生ビール以外のメニューがほとんどであり、価値は総合的に判断されるので、生ビールのサイズ問題だけを、わざわざクローズアップすることはしないのでしょう。
とは言え、一般的には、割安なのか割高なのか、ズバリと比較できた方が、ありがたいと言えるでしょう。そのような比較は、仕様が統一されることで、はじめて可能になります。
7月13日付けの日経MJ(流通新聞)に、服の“お直し”サービスを標準化する動きを伝える記事が掲載されています。「日本リ・ファッション推進委員会」という業界団体が発足し、「ばらつきのあるサービスや料金内容の整合性を取り、消費者の満足度を高める」ことを目指しています。
「リ・ファッション」という聞き慣れない言葉は、リペア(補修)、リフォーム(補正)、リメーク(作り直し)を総称したものだそうです。昨今の環境問題への関心の高まりを受け、資源の有効活用は、服の分野でも当てはまります。
記事によれば、「業界には中小企業が多く、サービスや料金がまちまち」であり、一言で“お直し”といっても、「すそ上げなど簡単な補修だけの店から、消費者の体形を考慮して似合う補正や作り直しを提案する店まで幅広い」のだそうです。
消費者としては、自分の好みに合うように直してもらおうと思っても、このようにサービス内容や料金にばらつきがあると、どこへ持ち込んだらよいのか、途方に暮れてしまいますね。
しかも、「顧客からのクレーム対応についてもばらつきがみられる」とか。これでは、消費者が二の足を踏んでしまうでしょう。標準化は、そのような問題を解決する基本的な仕組みとして、不可欠と考えられます。
もちろん、これは、服の“お直し”に限ったことではありません。他の業界では、標準化や規格の統一といった取り組みにより、安心して購入してもらえるような土台を作ってきています。
標準化は、最低限の品質が保証されていることを意味すると共に、詳しく仕様を指定する手間を省きます。そして、商品相互の比較をも容易にしてくれます。比較は競争を生み、品質向上を加速します。これらがあいまって、顧客を拡大する効果をもたらすわけです。
標準化の効果、恐るべし、といったところでしょうか。既に標準化や規格化が進んでいる業界もありますが、まだ整備されていない業界もあります。生ビール(中)のサイズまで統一しろとは言いませんが、標準化へ一念発起すべき業界は、たくさんありますね。
【今日の教訓】
あなたの企業の属する業界では、商品・サービス仕様の標準化が進んでいるだろうか。標準化は、商品・サービスの品質を向上し、市場規模の拡大に資する。業界を挙げて取り組むことを考えよう。
<参考:日経MJ(流通新聞)2009.07.13【11面】>