【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年05月26日
コーヒーはスタバよりマック?
東京と大阪の間を毎月往復していると、東京と大阪の違いが見えてきます。たとえばエスカレーターの右側に人が連なっているのを見ると、いかにも大阪的な風景だと感じます。
ランチの値段についても、東京と比べると大阪は2割くらい安いように思います。東京が850円なら、大阪は700円、といった具合でしょうか。東京なら、食後にコーヒーでも飲めば、ランチ代は1000円を超えることになります。
みみっちい話で恐縮ですが、ランチで1000円超となると、ちょっとぜいたくな感じがしますね。そう考えると、コーヒーは我慢しようか、という発想が浮かぶ気持ちは理解できます。
5月26日付けの日本経済新聞に、「スターバックス、ドトールといったコーヒー店の利用を控える動きが広がっている」とする記事が掲載されています。
ランチ予算が1000円を超えないように、という発想に基づくのかどうかはわかりませんが、やはり不況の影響がこんなところにも現われているわけです。
記事によれば、スタバやドトールの利用回数が減った代わりに、「マクドナルドなどのファストフード店」の利用が増えているそうです。コーヒーは120円だから、ランチ予算1000円以内に収まるということでしょうか。
決して「安かろう悪かろう」ではありません。記事によれば、「価格の安さに加え、味についてもコーヒー店より良い、または同じと評価する人が半分を超えた」のだそうです。
マック(大阪ならマクド)のコーヒーの方がスタバより美味しいという話は、しばらく前から聞きますが、ちょっとしたショッキングな事実と受け止められたのではないでしょうか。
要するに、安くておいしいものを提供すれば人気を集めるという、ごく当然な話なのですが、その「事実」に気づくまでに、多少なりとも時間がかかります。それがブランドイメージというものでしょう。
ハリウッド映画では、役者の話す「Starbucks」という単語が、字幕で「高級店」と訳されているのを見て、なるほどと思ったことがあります。ですが今や、高級専門店のコーヒーが、ファストフード店のコーヒーと競合し、負けるご時世なんですね。
記事には、「マックは食事をする店と思っていた」という主婦が、「スタバの半額以下でコーヒーを飲めると知って見直した」とのコメントが紹介されています。「事実」に気づき、目覚めてしまったようです。
このような「事実」への気づきは、「思い込み」から解放されることにより生まれます。これは、買い手だけでなく、売り手にも言えることでしょう。
ハンバーガー屋のコーヒーなんて、たいしたことない、と買い手は思い込んでいるかも知れません。一方、売り手も、うちはハンバーガー屋なのだから、コーヒーの味はどうでもよい、と思っていたりします。そうであれば、スタバの地位は安泰だったでしょう。
ですがマクドナルドが「本気」を出してコーヒーの味を改善すれば、今回のような逆転現象も起こるわけです。このような状況を受け、スタバは、従業員の再教育を行なったという報道は、記憶に新しいところです。
競争の対象にもならないとさえ見ていた相手が、いつのまにか実力をつけ、地位を脅かしてくるという現象は、コーヒーの世界だけの話ではありませんね。自社の商品・サービスを振り返り、同じことが起きつつあるのではないか、常に点検することが必要でしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービスは、常に競合にさらされていることを自覚しよう。はるかに格下で、競争の対象にならない相手だと思っていても、あなたの企業の地位を脅かすべく、虎視眈眈と狙っているかも知れない。油断は禁物だ。
<参考:日本経済新聞 2009.05.26【31面】>
ランチの値段についても、東京と比べると大阪は2割くらい安いように思います。東京が850円なら、大阪は700円、といった具合でしょうか。東京なら、食後にコーヒーでも飲めば、ランチ代は1000円を超えることになります。
みみっちい話で恐縮ですが、ランチで1000円超となると、ちょっとぜいたくな感じがしますね。そう考えると、コーヒーは我慢しようか、という発想が浮かぶ気持ちは理解できます。
5月26日付けの日本経済新聞に、「スターバックス、ドトールといったコーヒー店の利用を控える動きが広がっている」とする記事が掲載されています。
ランチ予算が1000円を超えないように、という発想に基づくのかどうかはわかりませんが、やはり不況の影響がこんなところにも現われているわけです。
記事によれば、スタバやドトールの利用回数が減った代わりに、「マクドナルドなどのファストフード店」の利用が増えているそうです。コーヒーは120円だから、ランチ予算1000円以内に収まるということでしょうか。
決して「安かろう悪かろう」ではありません。記事によれば、「価格の安さに加え、味についてもコーヒー店より良い、または同じと評価する人が半分を超えた」のだそうです。
マック(大阪ならマクド)のコーヒーの方がスタバより美味しいという話は、しばらく前から聞きますが、ちょっとしたショッキングな事実と受け止められたのではないでしょうか。
要するに、安くておいしいものを提供すれば人気を集めるという、ごく当然な話なのですが、その「事実」に気づくまでに、多少なりとも時間がかかります。それがブランドイメージというものでしょう。
ハリウッド映画では、役者の話す「Starbucks」という単語が、字幕で「高級店」と訳されているのを見て、なるほどと思ったことがあります。ですが今や、高級専門店のコーヒーが、ファストフード店のコーヒーと競合し、負けるご時世なんですね。
記事には、「マックは食事をする店と思っていた」という主婦が、「スタバの半額以下でコーヒーを飲めると知って見直した」とのコメントが紹介されています。「事実」に気づき、目覚めてしまったようです。
このような「事実」への気づきは、「思い込み」から解放されることにより生まれます。これは、買い手だけでなく、売り手にも言えることでしょう。
ハンバーガー屋のコーヒーなんて、たいしたことない、と買い手は思い込んでいるかも知れません。一方、売り手も、うちはハンバーガー屋なのだから、コーヒーの味はどうでもよい、と思っていたりします。そうであれば、スタバの地位は安泰だったでしょう。
ですがマクドナルドが「本気」を出してコーヒーの味を改善すれば、今回のような逆転現象も起こるわけです。このような状況を受け、スタバは、従業員の再教育を行なったという報道は、記憶に新しいところです。
競争の対象にもならないとさえ見ていた相手が、いつのまにか実力をつけ、地位を脅かしてくるという現象は、コーヒーの世界だけの話ではありませんね。自社の商品・サービスを振り返り、同じことが起きつつあるのではないか、常に点検することが必要でしょう。
【今日の教訓】
あなたの企業が提供する商品・サービスは、常に競合にさらされていることを自覚しよう。はるかに格下で、競争の対象にならない相手だと思っていても、あなたの企業の地位を脅かすべく、虎視眈眈と狙っているかも知れない。油断は禁物だ。
<参考:日本経済新聞 2009.05.26【31面】>
Posted by HANK@森 at 19:55│Comments(0)
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