【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年05月22日
日経記事は、こうやって仕事の役に立てる!
6月に全国5ヶ所で開催するセミナーの告知を開始したところ、おかげさまで、かなりの勢いで参加お申し込みをいただいています。新聞記事でビジネス発想力を鍛えるというコンセプトが支持されたものと理解し、非常にありがたく思っています。
日経記事を読んでいると、さまざまな企業のナマの経営活動が伝えられるので、「そうか、こういう手もあったか」と、新たな発想のヒントを得るのに事欠きません。
たとえば、何らかの事情で資金に余裕ができたら、どのように活用すればよいでしょうか。5月21日付けの日経産業新聞に、「ライオンは2009年12月期の広告宣伝費を前の期に比べて15%増やし、230億円程度にする」という記事が掲載されています。
この原資は、「原材料の調達価格の下落」によりもたらされた余裕資金です。ライオンの場合、これを「積極的な広告宣伝でブランドイメージを高めて、売上拡大につなげる」ことを考えています。
なるほど。余裕資金は、広告宣伝・販売促進に使うという手があるか、と思いださせてくれます。もちろん、そんなことは記事を読まなくてもすぐに思いつくという人もいるでしょう。ですが、たまたま失念していた場合は、この記事がリマインダの役目を果たしてくれます。
では、余裕資金は、必ず広告宣伝費に使うべきなのでしょうか。記事に書いてあるからといって、それが正解だとは限りません。たまたまライオンがそうする、と書いてあるだけです。まだ成果が検証されているわけではありません。
そこで記事を読み進めていくと、ライオンの置かれている状況がわかります。「同社の2008年12月期の広告宣伝費は前の期比9.6%減の198億円だった」そうです。原材料高が理由で、「広告手法を見直した」とのことです。
「広告費を削減した」ではなく、「広告手法を見直した」と書かれていることに、注目する必要があるでしょう。この記事では、どのように見直したかについて、明確には触れられていません。
ですが記事を最後まで読むと、プライベートブランド(PB)が台頭していることが指摘されています。「メーカーが販売促進費を投じて利益を削って値下げしても、価格ではPBには勝てない。ライオンではPBと価格競争するよりも広告宣伝でブランドイメージを高めた方が得策とみている」とのことです。
価格で勝てない場合の広告宣伝は、ブランドイメージを高めるような手法を用いるということですね。なるほど。これもまた、自社に応用が利く貴重なヒントです。ライオンの広告手法の見直しは、そのことを指していたのだろうと推測できます。
記事は、積み増した広告宣伝費を「ブランドの強化に充てる」と述べています。ライオンに限らず、ブランドの強化は、多くの企業にとって、重要な経営課題のはずです。自社のブランド強化のために、何かヒントは得られないだろうか。そんな思いで記事を読んでいきましょう。
記事によれば、「ライオンは売上高が100億円以上のメガブランドを11個にする方針を打ち出している」とのことです。なるほど。「ブランド強化」をお題目に挙げることにとどめず、明確な目標を設定しているわけです。
ライオンの場合、この基準を満たすメガブランドは、現在8個にとどまっているのだそうです。あと3個、増やしたい。そのために、広告宣伝費を積み増す。明確な意図・目標をもって広告宣伝費を使うとは、このようなことですね。自社はどうなのか、見直しした方が、よいかも知れません。
あまり長くない記事ですが、3つの「なるほど」がありました。ここには書きませんでしたが、実はこの記事から、他にもいろいろな発想が浮かんでいます。この一つの記事を端緒に、ちょっとした論文を書くことも可能だと思います。
こんな風に日経記事を読めば、ビジネスにはもちろんのこと、自身の能力開発にも、かなり役立つのではないでしょうか。少なくとも私は、かなりの恩恵を被っていると思います。セミナーでは、そのノウハウを分かち合うことができれば嬉しいです。
※効果絶大!新聞記事で鍛える【超】ビジネス発想力強化セミナー
→ http://www.entrelect.co.jp/seminar_keieisenryakuko0906.html
【今日の教訓】
あなたが新聞に目を通す際、どれだけ「なるほど」を発見しているだろうか。その「なるほど」を受け、どれだけ自社の経営や仕事に置き換えて考えているだろうか。日経記事を活用するなら、ぜひ持っておきたい視点だ。
<参考:日経産業新聞 2009.05.21【16面】>
日経記事を読んでいると、さまざまな企業のナマの経営活動が伝えられるので、「そうか、こういう手もあったか」と、新たな発想のヒントを得るのに事欠きません。
たとえば、何らかの事情で資金に余裕ができたら、どのように活用すればよいでしょうか。5月21日付けの日経産業新聞に、「ライオンは2009年12月期の広告宣伝費を前の期に比べて15%増やし、230億円程度にする」という記事が掲載されています。
この原資は、「原材料の調達価格の下落」によりもたらされた余裕資金です。ライオンの場合、これを「積極的な広告宣伝でブランドイメージを高めて、売上拡大につなげる」ことを考えています。
なるほど。余裕資金は、広告宣伝・販売促進に使うという手があるか、と思いださせてくれます。もちろん、そんなことは記事を読まなくてもすぐに思いつくという人もいるでしょう。ですが、たまたま失念していた場合は、この記事がリマインダの役目を果たしてくれます。
では、余裕資金は、必ず広告宣伝費に使うべきなのでしょうか。記事に書いてあるからといって、それが正解だとは限りません。たまたまライオンがそうする、と書いてあるだけです。まだ成果が検証されているわけではありません。
そこで記事を読み進めていくと、ライオンの置かれている状況がわかります。「同社の2008年12月期の広告宣伝費は前の期比9.6%減の198億円だった」そうです。原材料高が理由で、「広告手法を見直した」とのことです。
「広告費を削減した」ではなく、「広告手法を見直した」と書かれていることに、注目する必要があるでしょう。この記事では、どのように見直したかについて、明確には触れられていません。
ですが記事を最後まで読むと、プライベートブランド(PB)が台頭していることが指摘されています。「メーカーが販売促進費を投じて利益を削って値下げしても、価格ではPBには勝てない。ライオンではPBと価格競争するよりも広告宣伝でブランドイメージを高めた方が得策とみている」とのことです。
価格で勝てない場合の広告宣伝は、ブランドイメージを高めるような手法を用いるということですね。なるほど。これもまた、自社に応用が利く貴重なヒントです。ライオンの広告手法の見直しは、そのことを指していたのだろうと推測できます。
記事は、積み増した広告宣伝費を「ブランドの強化に充てる」と述べています。ライオンに限らず、ブランドの強化は、多くの企業にとって、重要な経営課題のはずです。自社のブランド強化のために、何かヒントは得られないだろうか。そんな思いで記事を読んでいきましょう。
記事によれば、「ライオンは売上高が100億円以上のメガブランドを11個にする方針を打ち出している」とのことです。なるほど。「ブランド強化」をお題目に挙げることにとどめず、明確な目標を設定しているわけです。
ライオンの場合、この基準を満たすメガブランドは、現在8個にとどまっているのだそうです。あと3個、増やしたい。そのために、広告宣伝費を積み増す。明確な意図・目標をもって広告宣伝費を使うとは、このようなことですね。自社はどうなのか、見直しした方が、よいかも知れません。
あまり長くない記事ですが、3つの「なるほど」がありました。ここには書きませんでしたが、実はこの記事から、他にもいろいろな発想が浮かんでいます。この一つの記事を端緒に、ちょっとした論文を書くことも可能だと思います。
こんな風に日経記事を読めば、ビジネスにはもちろんのこと、自身の能力開発にも、かなり役立つのではないでしょうか。少なくとも私は、かなりの恩恵を被っていると思います。セミナーでは、そのノウハウを分かち合うことができれば嬉しいです。
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【今日の教訓】
あなたが新聞に目を通す際、どれだけ「なるほど」を発見しているだろうか。その「なるほど」を受け、どれだけ自社の経営や仕事に置き換えて考えているだろうか。日経記事を活用するなら、ぜひ持っておきたい視点だ。
<参考:日経産業新聞 2009.05.21【16面】>
Posted by HANK@森 at 08:00│Comments(0)
│ビジネス
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