【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年02月12日
仕事では、一人で何役やってますか?
中小企業では、一人の社員が何役もの仕事をこなさなくてはならないことがよくあります。業務の絶対量が少ないので、それぞれの仕事に専任担当者を割り当てるわけにはいかないからです。
多様な仕事に取り組めることは、中小企業で働く利点だとも言えるでしょう。あれもこれもと仕事をやらされることで、不満を漏らす社員もいるようですが、そのような人は、中小企業には向かないと思います。
2月12日付けの日経産業新聞に、「神奈川県箱根町で8つの温泉旅館・ホテルを運営する一の湯」に関する記事が掲載されています。1630年創業の老舗企業ですが、「低価格の温泉旅館・リゾートホテル」を目指してチェーン展開に積極的です。
この「一の湯」は、「製造業に比べて生産性が劣っているとされるサービス業でありながら、この20年で労働生産性(従業員一人あたりの粗利益)を4倍弱に引き上げた」そうです。
その要因は、「業界の慣習にとらわれずに、サービスの提供の仕方や働き方に独自の工夫」をしていることにあります。たとえば「一人最低でも三役をこなす」のだそうです。
具体的には、受付係が「食事の時間帯には調理や配膳を担当する」といったことまで行ないます。業界の慣習に反するやり方で、「反発してやめる人は少なくなかった」そうだが、残業代を一分単位ですべて支払うなどの施策で、理解を得ることに成功しました。
製造業なら、一人で複数の工程をこなせるようにする「多能工化」への取り組みは一般的です。一人の受け持ち範囲を拡大するのは、「セル生産方式」にも通じるやり方です。
フロントと調理室を同じフロアにしたり、裏口から行き来できるように隣り合わせに配置するなど、「旅館内部のレイアウトにもこだわる」。これも、製造業の工場レイアウトの工夫に通じます。
「箱根に集中展開していることも生産性向上に貢献している」そうです。互いに従業員を行き来させられるからです。これは、小売業のドミナント戦略に相当しますね。
お茶やビールはセルフサービスです。「客室の冷蔵庫を空にして廊下に自動販売機を設置する方式」にもしており、これはビジネスホテルでみられるやり方です。
これらの施策は、意識して「人時生産性」を向上させようとして編み出されたものなのだそうです。あるセミナーで、他社と比較した自社の生産性の低さに、小川晴也社長がショックを受けたことから、取り組みが始まりました。
上述した施策からわかりますが、いずれも他の業界のやり方を自社に上手に採り入れています。他業界から学ぶのですから、業界の慣習にとらわれることもありません。
「製造業に比べて生産性が劣っているとされる」状況にあり、それを「当たり前」と考えず、ならば製造業のやり方をマネしてやろうと言わんばかりの取り組みをしているわけです。
生産性を劇的に向上させるなど、今さら新たなアイデアなど、出しにくいと思うかも知れません。しかしヒントは、他業界からみつけることができます。業界が違うからと、見向きもしないようではいけませんね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の生産性を劇的に向上させるために、どのような施策を打つことを考えているだろうか。アイデアは出尽くしたと思うなら、他業界に目を向けてみることだ。業界の慣習にとらわれなければ、実行できるアイデアがいくつもみつかるはずだ。
<参考:日経産業新聞 2009.02.12【18面】>
多様な仕事に取り組めることは、中小企業で働く利点だとも言えるでしょう。あれもこれもと仕事をやらされることで、不満を漏らす社員もいるようですが、そのような人は、中小企業には向かないと思います。
2月12日付けの日経産業新聞に、「神奈川県箱根町で8つの温泉旅館・ホテルを運営する一の湯」に関する記事が掲載されています。1630年創業の老舗企業ですが、「低価格の温泉旅館・リゾートホテル」を目指してチェーン展開に積極的です。
この「一の湯」は、「製造業に比べて生産性が劣っているとされるサービス業でありながら、この20年で労働生産性(従業員一人あたりの粗利益)を4倍弱に引き上げた」そうです。
その要因は、「業界の慣習にとらわれずに、サービスの提供の仕方や働き方に独自の工夫」をしていることにあります。たとえば「一人最低でも三役をこなす」のだそうです。
具体的には、受付係が「食事の時間帯には調理や配膳を担当する」といったことまで行ないます。業界の慣習に反するやり方で、「反発してやめる人は少なくなかった」そうだが、残業代を一分単位ですべて支払うなどの施策で、理解を得ることに成功しました。
製造業なら、一人で複数の工程をこなせるようにする「多能工化」への取り組みは一般的です。一人の受け持ち範囲を拡大するのは、「セル生産方式」にも通じるやり方です。
フロントと調理室を同じフロアにしたり、裏口から行き来できるように隣り合わせに配置するなど、「旅館内部のレイアウトにもこだわる」。これも、製造業の工場レイアウトの工夫に通じます。
「箱根に集中展開していることも生産性向上に貢献している」そうです。互いに従業員を行き来させられるからです。これは、小売業のドミナント戦略に相当しますね。
お茶やビールはセルフサービスです。「客室の冷蔵庫を空にして廊下に自動販売機を設置する方式」にもしており、これはビジネスホテルでみられるやり方です。
これらの施策は、意識して「人時生産性」を向上させようとして編み出されたものなのだそうです。あるセミナーで、他社と比較した自社の生産性の低さに、小川晴也社長がショックを受けたことから、取り組みが始まりました。
上述した施策からわかりますが、いずれも他の業界のやり方を自社に上手に採り入れています。他業界から学ぶのですから、業界の慣習にとらわれることもありません。
「製造業に比べて生産性が劣っているとされる」状況にあり、それを「当たり前」と考えず、ならば製造業のやり方をマネしてやろうと言わんばかりの取り組みをしているわけです。
生産性を劇的に向上させるなど、今さら新たなアイデアなど、出しにくいと思うかも知れません。しかしヒントは、他業界からみつけることができます。業界が違うからと、見向きもしないようではいけませんね。
【今日の教訓】
あなたの企業では、自社の生産性を劇的に向上させるために、どのような施策を打つことを考えているだろうか。アイデアは出尽くしたと思うなら、他業界に目を向けてみることだ。業界の慣習にとらわれなければ、実行できるアイデアがいくつもみつかるはずだ。
<参考:日経産業新聞 2009.02.12【18面】>
Posted by HANK@森 at 20:37│Comments(0)
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