【残念なお知らせ】諸般の事情により、クォーター大阪暮らしは2009年11月末をもって終了することとなりました。これまでのご愛顧に心より感謝申し上げます。今後はこちらのブログで記事を提供してまいります。よろしくお願いします。
2009年01月27日
「ライフスタイルノート」、やってますか?
映画「レッドクリフ」の公開、大ヒットで「三国志」への注目が高まっているようですね。「三国志」のファンになれば、中国全般の歴史への興味もわいてきます。
そこで私も、司馬遷の「史記」を読み始めてみました。「三国志」よりも前の時代の中国の歴史で、「項羽と劉邦」で知られます。紀元前200年頃の歴史ですから、よくぞ記録してくれていたものだと思います。
「史記」の解説によれば、「1750年までに中国語で出版された図書の数は、世界中の他の言語で書かれた図書全部よりも多かった」のだそうです。(アメリカの中国学者ジョン・フェアバンクによる)
もちろん、それらの多くは歴史書です。中国人の「記録オタク」ぶりは大変なものだと言えるでしょうか。そのお陰で現代人のわれわれも、古代史をよく知ることができます。
たとえば、「三国志(正史)」にある「魏志倭人伝」には、弥生時代後半における日本の状況が記されています。この記録がなければ、「卑弥呼」の存在を知ることは、できなかったのです。
1月26日付けの日経MJ(流通新聞)に「『ライフスタイルノート』と呼ばれるノートの愛用者が増えている」という記事が掲載されています。
「町歩きで発見したこと、食べた料理のレシピ、子供の成長記録」など、「日記とは異なり、特定のテーマに沿って愛用の一冊に書き留めていく」のだそうです。「記録すること」の魅力は、古代も今も変わらないようですね。
ライフスタイルノートの人気の背景には、昨今の「手帳ブーム」があると考えられています。記事は、「スケジュールがびっしり書き込まれた手帳に追われるのではなく、自分の趣味や個性を発揮できる自由な1冊を持ちたい。心にゆとりある豊かな生活を送りたいという心理が、ライフスタ
イルノート人気を支えているようだ」と解説しています。手帳とライフスタイルノートを対比するのは、興味深いです。
手帳は主に、将来のスケジュールを管理するために使われます。しかしライフスタイルノートは、過去の体験を記録するものであり、対象となる時間軸が異なります。
では、過去の体験を記録することで、なぜ「心にゆとりある豊かな生活」が実現すると考えるのでしょうか。そのような生活を実現するのなら、将来へ向けての計画を手帳に書いていった方が良さそうにも思えます。
実際の作業としては、不確実な将来よりも、確定した過去を記すことの方が簡単でしょう。そして実際、過去の記録は、将来に非常に役立ちます。だからこそ、歴史記録は重要とされるわけです。
たとえば、食事をすべて記録するという「レコーディングダイエット」なる方法があります。将来へ向けて体重を減らすように管理するのが目的でありながら、作業そのものは、過去実績を記録するだけです。それがダイエット効果につながります。
ビジネスにおいても、過去の記録は非常に重要です。事業の履歴は自社の強み・弱みを知り、将来戦略を立てる上での「根拠資料」となり得ます。将来を見据えることは大切ですが、過去の資産を無視することは、砂上の楼閣を夢見るのに近いでしょう。
将来が不確実である一方、過去からの蓄積は確実に存在します。ライフスタイルノートに記録を記していくことは、自分だけのオリジナルなノートが出来上がることのほかに、その確実さから来る安心感が魅力ではないかと思います。
しっかりと大地に根を張った、自分の人生の歩みを認識できるツールであり、結果として「心にゆとりある豊かな生活」を実感することができるというわけです。
【今日の教訓】
あなたは、自分自身の人生の歩みを記録し、その蓄積を実感することができているだろうか。過去なくして現在の自分はないし、それが将来へ与える影響を避けることもできない。企業経営においても、過去からの自社の歩みについて、良いことも悪いことも、目をそむけずに、しっかりと見つめることが大切だ。将来へ向けての戦略のヒントも、そこに見出すことができるはずだ。
<参考:日経MJ(流通)新聞 2009.01.26【20面】>
そこで私も、司馬遷の「史記」を読み始めてみました。「三国志」よりも前の時代の中国の歴史で、「項羽と劉邦」で知られます。紀元前200年頃の歴史ですから、よくぞ記録してくれていたものだと思います。
「史記」の解説によれば、「1750年までに中国語で出版された図書の数は、世界中の他の言語で書かれた図書全部よりも多かった」のだそうです。(アメリカの中国学者ジョン・フェアバンクによる)
もちろん、それらの多くは歴史書です。中国人の「記録オタク」ぶりは大変なものだと言えるでしょうか。そのお陰で現代人のわれわれも、古代史をよく知ることができます。
たとえば、「三国志(正史)」にある「魏志倭人伝」には、弥生時代後半における日本の状況が記されています。この記録がなければ、「卑弥呼」の存在を知ることは、できなかったのです。
1月26日付けの日経MJ(流通新聞)に「『ライフスタイルノート』と呼ばれるノートの愛用者が増えている」という記事が掲載されています。
「町歩きで発見したこと、食べた料理のレシピ、子供の成長記録」など、「日記とは異なり、特定のテーマに沿って愛用の一冊に書き留めていく」のだそうです。「記録すること」の魅力は、古代も今も変わらないようですね。
ライフスタイルノートの人気の背景には、昨今の「手帳ブーム」があると考えられています。記事は、「スケジュールがびっしり書き込まれた手帳に追われるのではなく、自分の趣味や個性を発揮できる自由な1冊を持ちたい。心にゆとりある豊かな生活を送りたいという心理が、ライフスタ
イルノート人気を支えているようだ」と解説しています。手帳とライフスタイルノートを対比するのは、興味深いです。
手帳は主に、将来のスケジュールを管理するために使われます。しかしライフスタイルノートは、過去の体験を記録するものであり、対象となる時間軸が異なります。
では、過去の体験を記録することで、なぜ「心にゆとりある豊かな生活」が実現すると考えるのでしょうか。そのような生活を実現するのなら、将来へ向けての計画を手帳に書いていった方が良さそうにも思えます。
実際の作業としては、不確実な将来よりも、確定した過去を記すことの方が簡単でしょう。そして実際、過去の記録は、将来に非常に役立ちます。だからこそ、歴史記録は重要とされるわけです。
たとえば、食事をすべて記録するという「レコーディングダイエット」なる方法があります。将来へ向けて体重を減らすように管理するのが目的でありながら、作業そのものは、過去実績を記録するだけです。それがダイエット効果につながります。
ビジネスにおいても、過去の記録は非常に重要です。事業の履歴は自社の強み・弱みを知り、将来戦略を立てる上での「根拠資料」となり得ます。将来を見据えることは大切ですが、過去の資産を無視することは、砂上の楼閣を夢見るのに近いでしょう。
将来が不確実である一方、過去からの蓄積は確実に存在します。ライフスタイルノートに記録を記していくことは、自分だけのオリジナルなノートが出来上がることのほかに、その確実さから来る安心感が魅力ではないかと思います。
しっかりと大地に根を張った、自分の人生の歩みを認識できるツールであり、結果として「心にゆとりある豊かな生活」を実感することができるというわけです。
【今日の教訓】
あなたは、自分自身の人生の歩みを記録し、その蓄積を実感することができているだろうか。過去なくして現在の自分はないし、それが将来へ与える影響を避けることもできない。企業経営においても、過去からの自社の歩みについて、良いことも悪いことも、目をそむけずに、しっかりと見つめることが大切だ。将来へ向けての戦略のヒントも、そこに見出すことができるはずだ。
<参考:日経MJ(流通)新聞 2009.01.26【20面】>
Posted by HANK@森 at 11:20│Comments(0)
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