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2008年11月26日
先行指標がわかると、経営が楽になります
戦略発想とは、つまるところ、いかに将来を予測するかにかかって
いますね。将来を予測し、それに先取りして対応することができれ
ば、企業として成長発展を実現できるでしょう。
世の中の時流を予測することはもちろんのこと、それ以外にも予測
すべき事柄はたくさんあります。
たとえば戦略アイデアを発想したのなら、自社がそれに取り組んだ
場合、何が起こるかを予測しなければなりません。
ヒト・モノ・カネといった経営資源が不足するかも知れません。そ
うなれば、せっかくのアイデアも「絵に描いた餅」になってしまい
ます。また、ライバルの動きも予測することも必要ですね。
最も重要な予測は、当然のことながら、商品が売れるかどうか、買っ
てもらえるかどうかでしょう。でも、相手のあることだから、予測
は必ずしも容易ではありません。
その予測が簡単にできるのなら、商品の開発は格段にやりやすくな
るでしょう。また、売上予測に応じて、過不足のない、適切な生産
・販売体制を構築することもできます。
26日付けの日経産業新聞に、佐川急便による「宅配便の送り主の発
送にかかる手間を軽減できるよう工夫したシステム」が紹介されて
います。このシステムを使うと、「あて名作成から顧客管理まで一
括して対応できる」そうです。
送り主の利便性が高まるわけですが、「顧客は送り状の作製時に荷
物の情報を佐川に送信するため、事前に貨物量を把握しやすくなる」
という点に、興味をひかれました。
このシステムの利用者は、「あて名や利用する宅配便の種類などを
画面上で指定していくだけであて名状を作成できる」。このデータ
が、佐川急便に送信されます。
従来なら、手書きであて名状を作成し、集荷を依頼し、それが営業
所等に持ち帰られ、送り先の地域別に仕分けされるのだと思います。
どのタイミングでデータが入力されるのかは知りませんが、この新
システムを利用すれば、少なくとも何時間か早く、データが入力さ
れることになるでしょう。
翌日配送が基本だとすれば、その数時間の差は大きいですね。その
分、「貨物の輸送管理や需要予測」がやりやすくなります。いち早
く、精度の高い予測ができることの、大きなメリットですね。
予測をする場合、先行指標を把握しておくことが、精度を高めるこ
とにつながります。送り先のデータが入力されれば、その後、集荷
依頼が来ることは、容易に確度の高い予測ができるでしょう。
ポイントは、実需からどれだけ時間をさかのぼって情報を得ること
ができるかでしょう。佐川のこの取り組みでは、集荷以前にさかの
ぼることを狙っているわけです。
実需に先立って時間をさかのぼるために、一般的には「先行指標」
を押さえることがされます。これもまた、需要予測にあたっては有
効です。たとえばネットのレストラン予約サイトでは、アクセスが
急増した場合、一定の日数後に予約が増えることが確認されている
そうです。
「先行指標」を押さえていなければ、急に予約が増えてあたふたす
るといったことになるでしょう。しかしそれを押さえていれば、サ
イトのアクセス数から考えて、事前に対策を打っておくことができ
るはずです。
予測ができれば、対策を打つことができるのだ。「先行指標」をみ
つけ、それを押さえようとする意図は、まさにそこにあります。外
部の指標をみつけるのもよいが、佐川急便のように、自らその仕組
みを作ることもできるのでしょうね。
<参考:日経産業新聞 2008.11.26【7面】>
Posted by HANK@森 at 16:57│Comments(0)
│ビジネス
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