近所がテレビに映ると、ついつい見てしまいますね。

HANK@森

2009年08月03日 15:46



東京にいる時は、中央区の隅田川沿いに住んでいます。

川沿いに「隅田川テラス」という遊歩道があり、テレビのドラマやCMでは、頻繁に画面に映し出されます。

月島を舞台としたNHKの朝の連ドラでも、私のジョギングコースのシーンが度々登場しました。最近では、不動産開発会社のCMで使われています。

普段は何気なく目にしている風景なのですが、プロが撮るとこんなにも美しいのか、と驚かされています。

よく知っている近所がテレビに映ると、どうしても見入ってしまいますね。

知り合いが近くにでもいれば、「ほらほら!見てごらん!これ、うちの近所だよ!」とか。ちょっとしたミーハー感覚です。

地元など、自分のよく知っている場所が紹介される番組は、その人にとって、付加価値が高いわけです。面白い心理だと思います。ならば、ビジネスではそれを逆手にとることを考えてもよいでしょう。

8月3日付けの日経MJ(流通新聞)に、「ワーナー・マイカルは関東地方にある11カ所の劇場で、各地元の商店や企業向けに無料のスクリーン広告枠を設ける」という記事が掲載されています。

記事によれば、「地元企業との結びつきを強めて集客増につなげたい考え」だとのことです。確かに、地元企業の告知協力を無料で行なえば、それだけでも結びつきが強まるでしょう。

また、実際に集客増につながるのかどうかはわかりませんが、上記のような「地元の価値」があるから、広告効果も高いことでしょう。地元企業の広告なら、観客の関心度は高いと考えられるからです。

インターネットを使えば、世界中に情報発信できます。ですが意外と、地元に関する情報が嬉しかったりするものです。地域密着ポータルサイトが人気を集める所以です。

たくさんの起業家の寄稿を集めた単行本が出版されたりもしています。自費出版なら費用を大勢で分担できるメリットがある一方、知り合いや親族などによる購入も見込めます。

「地元」がテレビで紹介される以上に、「知り合いや親族」のテレビ出演には価値があります。場合によっては、録画までする勢いです。直接本物を知っているにも関わらず、わざわざ録画放送を観たいという心理は、何とも不思議なものですね。

それがテレビの威力というものでしょう。テレビに出演することで、何かしらの“権威”が付与されます。映画館の広告は、テレビCMよりは格下ですが、それでもインパクトはあります。

ワーナー・マイカルの目論見が的中するとしたら、無料で広告をしてあげることで、実はそれが自社の集客広告に相当するという、これまた不思議な効果が現われることになります。

ですが、地元企業の広告が、地元でのみ通じる“付加価値”コンテンツだと考えれば、集客効果があっても不思議ではないかも知れません。“付加価値”のあるところに、人は集まります。

いずれにしろ、「地元」「知り合い」コンテンツは、マーケティングの一つの着眼点として、注目できるでしょう。極めてパーソナルなだけに、訴求力が高く、魅力的です。

【今日の教訓】
あなたの企業では、「地元」「知り合い」コンテンツを、マーケティングに活用しているだろうか。それらには、人の関心・興味を引き付ける大きな魅力がある。マーケティングの着眼点の一つとして、検討してみよう。

<参考:日経MJ(流通新聞) 2009.08.03【9面】>

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