スキー用具は自前派?レンタル派?

HANK@森

2009年01月15日 14:45

現在のところ、ランニングとスキューバダイビングが私の二大趣味です。前者については、週に4~5回程度、東京では隅田川沿い、大阪では大阪城の周囲を走っています。手軽にできる趣味なのですが、装備を揃えると、いろいろとお金がかかります。

最も大切なのはシューズですね。安物ではいけません。ウェアを買い込み、冬なら防寒グッズも必須です。加えて心拍計にGPS、それに、走りながら音楽を聴くためのiPodも必要となると、そこそこの出費となります。

ダイビングについても、マイ機材をひととおり揃えるとなると、数十万円の出費です。海外のツアーに出かけるにも費用がかかります。とは言え、ランニングと比べればダイビング機材の使用頻度は極端に低いです。

そのためダイビングの場合、レンタル機材を利用する人も多いです。ただ、マイ機材の方が安心は安心です。特に初心者は、操作に慣れるためにも、マイ機材を利用した方がよいと思います。高額なだけに、上達につれ、少しずつ機材を買い増していくという発想になりがちですが、むしろそれが逆ではないでしょうか。

上級者となれば、気持ちの余裕もできるので、少々慣れない機材でも使いこなすことができます。「弘法は筆を選ばず」の境地です。そう考えると、「賢い買い物」はどうあるべきか、悩ましくなります。

1月15日付けの日本経済新聞に、スキーシーズンにちなんだ記事が掲載されています。「景気の低迷か、用具やウエアはレンタルで済ます人が昨冬に比べて倍増した」のだそうです。

用具・ウエアを買うお金を節約しようという気持ちは、十分に理解できます。とは言え、「倍増」とは、あまりにも極端な気がします。記事は、「コストを抑えて楽しむ意識が強い」と解説しています。

そもそも、最近のスキーの人気はどうなのでしょうか? 記事によれば、「社会経済生産性本部がまとめたレジャー白書では、スキーの参加人口は1993年の1770万人が、2007年は560万人と1/3以下に減った。スノボも2007年に同400万人で、減少傾向にある」そうです。

なぜ、スキーに行かなくなってしまったのでしょうか。記事には、「スキーやスノボを一度もしたことがない人」を対象として日経産業地域研究所が実施した調査結果が紹介されています。

「スキー場まで行くのに時間がかかり面倒(42%)」、「用具やウエアをそろえるのが大変(37%)」とのことだから、用具・ウエア問題がネックになっていることがわかります。

スキーやスノボの経験者を対象とした調査では、41%が「用具やウエアが豊富なレンタルショップ」を、「あったらいい設備やサービス」として挙がっています。

つまり、レンタルで済ませたいという意向が、かなり強いわけです。恐らくは、レンタルを利用する方が、合理的なのでしょう。業界側も、それを踏まえて対応していくはずです。

人それぞれの価値観はあるが、「合理性」を追求していけば、現在の消費・購買行動が最適であるとは限りません。今回、不況により、スキーの用具やウエアの利用についての「合理性」があぶり出されたのだと思います。

ビジネスが絶えず進歩していくものだと考えると、合理性の低いビジネスは、淘汰されていくことになるでしょうい。バブル期のような消費行動は、長くは続きません。

将来を見据えれば、自社のビジネスの「合理性」について、真剣に考える必要があるでしょうね。もし景気がさらに冷え込んだとしても、自社の商品はまだ買ってもらえるでしょうか。そうでないとすれば、どのようにビジネスモデルを改める必要があるでしょうか。

スキー用具・ウエアに限らず、クルマやブランド品に至るまで、レンタルが普及してきています。経済環境の悪化による「緊急避難」だとは言い切れません。消費行動の「進歩」だと考えると、景気が回復しても、元には戻ることはないのでしょう。



【今日の教訓】
もし景気がさらに悪化するとしたら、あなたの企業の商品は、まだ買ってもらえるだろうか。買ってもらえないとすれば、顧客は何を求めるだろうか。顧客からみた合理性を追求し、ビジネスモデルを見直してみよう。

<情報源:日本経済新聞 2009.01.15【27面】>


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