先週は遅い夏休みをとり、
江戸川でハゼ釣りを楽しみました。
久しぶりの釣行だったのですが、おおいにリフレッシュできました。
釣果についても、7~11センチくらいのハゼを176匹と、まずまずの大漁(自分としては)で大満足でした♪
江戸川でのハゼの釣り方については、事前に船宿のウェブサイトで予習しておきました。あまり移動する魚ではないので、当たりがなくなったら、こまめに移動するのがよいとのことでした。
面倒なので、実際にはあまり移動しなかったのですが、糸を垂らす場所をいろいろ変えるなどの工夫はしてみました。
確かに、魚がたくさん釣れる場所と、そうでない場所とがあります。
当たり前といえば当たり前なのですが、魚を釣るなら、魚がいる場所で釣りをする必要があります。
ちょっとした場所のズレが、釣果を左右します。経営やマーケティングにも、そのことは通じるでしょう。
9月8日付けの日経産業新聞に、「フィットネスクラブ運営大手が新業態での店舗開設を急いでいる」という記事が掲載されています。
「プール付きの大型施設に象徴される従来型施設では、会員獲得に限界が見え始めたためだ」とのことです。
今、非常に注目されているフィットネスクラブとして、記事は「カーブス」を紹介しています。
これは、「女性専用の小型施設」であることが特徴で、「大手の苦戦を尻目に6月は過去最高の25000人が入会」したそうです。
プールどころか、シャワーや風呂もありません。その分、「大手より約3割安く、30分で運動できる手軽さが、家事の合間の時間を使える人気につながっている」とのことです。
フィットネス業界の現状について、記事は「相次ぐ施設の開業で供給過剰気味。さらに節約志向の高まりで対会社が増加している」と伝えています。言ってみれば、逆風下にある業界です。
にも関わらず、カーブスが好調であることについて、「健康への関心は根強い」と記事は指摘しています。
“魚”は確実に存在するのですが、釣る“場所”や“釣り方”に問題があったようです。
ハゼ釣りでも、上述のように、場所もさることながら、針のサイズが大きすぎたりすると、当たりはあっても、なかなか釣り上げることができません。
健康への関心が高まっている一方で、フィットネス業界が会員を失っていることは、まさに「当たりはあっても、なかなか釣り上げることができない」状況に相当すると言えるでしょう。そこで、やり方を変えなければならない、という話になります。
この記事で興味深いのは、カーブスの「躍進」にフィットネス業界大手各社が「触発」され、「相次ぎ特徴のある店舗開発に取り組み始めた」ことです。
具体的には、クロークを設置して出張帰りの大荷物があっても利用できるようにしたり、無線LAN環境を整備したり、ヨガなどのスタジオだけの店舗を開設したりといった取り組みが紹介されています。
釣れないと、そもそも、ここには魚がいないのではないかという気持ちにさせられるものですが、近くの人がしっかりと釣果を上げているのを見ると、悔しいと思いつつも、ここで釣れるはずだという気持ちにさせられます。
ビジネスがうまくいかない場合、そもそも構造的に無理なのか、あるいは、やり方を変えればうまくいく可能性があるのか、判断するのは容易ではありません。
ですが、競合他社がうまくやっているとすれば、可能性の存在が証明されたことになります。そのやり方を見れば、今まで何がズレていたのかを知ることができるわけです。
【今日の教訓】
あなたの企業が属する業界では、どの企業が好調か、よく調べてみよう。そうすれば、自社の取り組みがどのように市場とズレていたのかを知るヒントとなる。取り組み方が少しズレているだけでも、業績への影響は大きい。
<参考:日経産業新聞 2009.09.08【16面】>